1. ホーム
  2. 私たちの社会活動
  3. 平和
  4. 【開催報告】報告会「2016年夏 チェルノブイリと福島・子どもたちの保養」
平和

【開催報告】報告会「2016年夏 チェルノブイリと福島・子どもたちの保養」

2016年12月22日

トップ.jpg.png

パルシステム東京は、2016年11月12日(土)、パルシステム東京新宿本部で、組合員カンパなどで支援する「チェルノブイリ子ども基金」「未来の福島こども基金」が行う保養活動の報告会を開催しました(参加人数48人:組合員4人、役職員6人、一般参加31人、団体関係者7人。チェルノブイリ子ども基金、未来の福島こども基金、パルシステム東京 共催)。

 

報告「チェルノブイリの子どもたちの保養」~腫瘍病・血液病などの病気の子どもたちへ~

佐々木さん.png

チェルノブイリ原発事故から30年。事故後、放射線汚染地区となった町や村に住む子どもが今もたくさんいます。子どもたちの心身の健康を回復するには、汚染のない地域での定期的な保養が有効といわれています。

ベラルーシでは、国が費用を負担し、子どもたちに対して、年1度、学校のクラス単位で、24日間の保養を行なっています。「チェルノブイリ子ども基金」では、国が保養対象としていない、病気を持つ子どもたちに対し、夏休み期間中の特別保養を実施しています。

今年は、8月2日~8月25日(夏休み中の24日間)、34名(8歳~17歳、脳腫瘍、白血病、悪性リンパ腫、甲状腺がんなどの病気をもつ子どもたち)に、「子どもリハビリ・健康回復センター『ナデジダ(希望)』」で保養を実施しました。

 

●保養中の子どもたちの生活~「ナデジダ」の保養プログラム~ 

子どもたちは、次の3つの側面から「健康の保持と増進」にアプローチするプログラムに基づき、過ごします。

新規 Microsoft PowerPoint プレゼンテーション.jpg

①医療…安全で栄養のある食事、免疫力向上に役立つサナトリウム療法

②教育…屋外での自然教育、情操教育、体験教育:学校の授業、クラブ活動、集団活動、スポーツ

③心理…個人・集団カウンセリング(芸術療法、遊びを通した療法、リラクゼーションなど)

このようなプログラムを行なう保養により、体内の放射線濃度が低下することが実証されています。子どもたちは親元を離れて生活しますが、楽しいプログラムの数々に、さみしがる子どもはおらず、笑顔で過ごしています。クラブ活動では、日本の書道などの文化活動もあり、佐々木事務局長自らが、子どもたちに教えます。

その他、健康診断も3回実施され、結果は保養終了後の治療に役立てられます。

 

●保養所での出会いが、子どもたちの「生きる力」と「希望」に

この保養を通して、病気をもつ困難な境遇の子どもたちが出会い、ともに過ごすこと、また、本気で彼らを心配している人と出会うことが、子どもたちに“心の回復”をもたらしています。

チェルノブイリ子ども基金では、2016年7月3日~16日(14日間)の期間、ウクライナの保養施設「カメロット・トゥール」でも病気をもつ子どもたち40名(8歳~12歳)の保養を実施しています。

 

 

報告「福島の子どもたちの保養『沖縄・球美の里』」

認定NPO法人沖縄・球美の里は、2012年7月、フォトジャーナリストで月刊誌「DAYS JAPAN」の編集長だった広河隆一氏が中心となり、沖縄県の久米島に設立した福島の子どもたちのための保養施設です。

運営は全て募金でまかなわれ、現在はスタッフ6人とボランティアスタッフで運営されています。2ヶ月に3回のペースで母子保養、学童保養を受け入れ、夏休みには1回約50人の子ども達を3回に渡り受け入れています。

 

④増田さん修正.JPG

●保養中の子ども達の生活~「球美の里」の保養プログラム~

球美の里では、外で遊ぶ時間と、室内で過ごす時間を分けて、メリハリをつけながら保養を行っています。

沖縄の伝統工芸(赤土の染め物、シーサー等の焼物、三線など)に触れる体験や、久米島の自然を活かした環境学習、沖縄戦の慰霊碑めぐりなどの歴史学習、無人島での海遊び、地元の老人クラブや高校生ボランティアとの交流など、様々なプログラムが実施され、震災当時、外遊びを制限された子ども達は、自然の中を思い切り駆け回って過ごします。また、希望者には甲状腺検診の受診をすることもできます。

一方で、子ども達の健康管理を担当する増田満里奈さんは、今年の夏の保養で熱中症になり体調を崩す子どもが増えている、との心配も口にされました。

 

 

 

福島の現状・子どもたちの健康について

黒部先生.JPG

報告の最後に、小児科医で「未来の福島こども基金代表」「チェルノブイリ子ども基金顧問」の黒部信一氏から、福島の子ども達の健康について、ご報告いただきました。

原発事故後、免疫力の低下やアレルギー疾患、発達障害など、福島の子ども達の変化を注視してきた黒部医師は、「福島はチェルノブイリの後を追いはじめているのではないか」と指摘します。

球美の里を訪れる子ども達にも、薬持参の子どもや、保養中に病気になる子ども、事前の健康調査におけるアレルギーの子どもの増加などの変化が見られると言います。

福島県民健康調査における甲状腺検診では、甲状腺がん確定135人、疑い39人、合計174人。その内、避難指示地区13市町村は、31人(+良性1人)。2回目の爆発での初期被曝が高く推定されるいわき市は29人、被爆当初高線量地域の中通り地区の福島市、郡山市など7市町村は77人、以上計137人。その他の市町村が37人です。合計174人です。

甲状腺がんが原発事故によるものかどうかは、現在、議論になっているところですが、今年、医療機関で全てのがんの登録を行なうことになったので、福島県と他県の比較が可能になってくるだろう、と継続的な確認の重要性を指摘しました。

 

 

◯当日は、販売や展示も行ないました。

tennji.png

 

◯参加者からの感想(一部紹介)

*佐々木さんが最後に話していた「一生懸命に生きようとする子ども、それを全力で支える保護者、その家族たちをこれからも支援したい」という言葉は、とても心に響きました。地域、国を越えてつながる大切さも学ばせていただいています。(30代・女性)

*ベラルーシの「希望」と「沖縄・球美の里」の保養の様子が、たくさんの写真と報告からよくわかり、保養の必要性、重要性を再認識しました。(60代・女性)

 

▽「チェルノブイリ子ども基金」HP http://ccfj.la.coocan.jp/

▽「未来の福島こども基金」HP  http://fukushimachildrensfund.org/

ページの一番上へ

「食べもの」「地球環境」「人」を大切にした社会をつくります
〒169-8526 新宿区大久保2-2-6 ラクアス東新宿