活動レポート
いなぎめぐみの里山昆虫観察会(モニタリング)
2026.8.25
2026年7月26日(日)いなぎめぐみの里山にて、須田真一先生(東京大学総合研究博物館研究事業協力者)と昆虫観察を行いました。
たくさんの昆虫と出会い、その昆虫たちの特徴などを須田先生に教えてもらい、大満足の観察会となりました。
今回、確認することができた昆虫類はいなぎめぐみの里山の動植物として記録します。
里山の生き物を継続的に記録することで山の状態を知ることができ、今後の保全活動に役立ちます。
虫はどんなところにいたいだろう?
みんなで須田先生に虫を見つけるコツを教えてもらい、さっそく探し始めます。
「人間と同じで今日のお天気や温度ならどんなところにいたいかな?と思って探します。」
「いると思ってよーく見ているといるよ。いないと思うと見えてこないよ。」
<見つかった昆虫たち>
おどろきの虫の世界!
みんなで捕った昆虫についての特徴などを須田先生に教えてもらいます。
参加した子ども達の中にも虫はかせがたくさん。
さらに詳しい須田先生のお話に大いに盛りあがりました!
大人たちも未知の世界に興味深々でした。
カブトムシが捕れるのは8月なの?
「カブトムシの季節って8月だよね」という子どもたち。
「昔は8月~お盆くらいまでがピークだったけど今は5月からいるね。異常気象で早まっている。今年は、6月の平均気温が低かったので8月ごろでもまだ見られるかも」
気候の変化は虫捕りの時期にも関係してくることがわかりました。
昆虫は基本的に争うことなく自分だけ幸せに暮らしたい生き物
巣を作るアリジゴク(ウスバカゲロウの幼虫)は、前に行く必要がないので後ろにしか歩けないような足の形になっているという話から虫の進化の話に。
「昆虫は必要ない部分は急速に退化させて、その分のエネルギーを必要な部分の進化に使う。
自分の体の作りを暮らしぶりに合わせてどんどん変えていく。
昆虫も進化の中で大型化したことがあって、石炭紀(約3億年前)にはゴキブリが 30cm になってみたり、トンボが 70cm になってみたりするわけ。でも、その後ダメだってことになって、昆虫はどんどん小型化の道を歩む。
小型化したことで、他の生き物が使えないようなわずかなエサ資源とかで生きることができるようになった。
昆虫は基本的に争うことなく自分だけ幸せに暮らしたい生き物なんだよ。
昆虫は小さくなったことで他の生き物が使っていない隙間で種類がたくさん増えてきたし、争いがなかった。
ところがこういう隙間で生きているので、逆に融通がきかないきっちり決まった暮らしをしている場合が多い。
今、絶滅しそうなのはこういう融通がきかない虫で、『人間』が進化してこんなに自然環境をいじくりまわすと思ってなかったんだね。
逆にゴキブリなんかは極めて融通がきく昆虫なので減らない。
おうちの回りで見かける虫をこういう視点で調べてみるのもよいね。」
『虫がいた!』とひとくくりにせず、どんな時期にどんな場所にいたのかなど、虫の暮らしぶりを観察する。
そうすることで生き物の進化に思いをはせることができるなんて面白い視点でした。
コガネムシはなぜピカピカなの?
「コガネムシはなんでピカピカしているの?」
「太陽の光がサンサンと照り輝く昼間にピカピカした虫がブンブン飛んでると光を反射するでしょ。そうすると飛んでる虫の最大の天敵である鳥にとって、目くらましになっちゃうんだよ。焦点が合わせられないから、捕まえることが難しい。
だから昼間にブンブン飛ぶ虫で特に甲虫の仲間は例外なくピカピカです。今はちょっと時期が遅いけどもタマムシも典型的。人間にとってはすごく目立つんだけど天敵にとってはとっては見つかりづらい色なんだ。」
そんな生き残り戦略があるとは、日中に発見できる虫を見る目が変わりますね。
盛りだくさんの虫のお話に大満足の観察会でした
その他、日本には天敵がいるがアメリカやヨーロッパでは天敵がいないため大豆やナッツを食べてしまう大害虫で「ジャパニーズビートル」といわれているマメコガネ、養蚕業が盛んだった時期にはたくさんいたトラカミキリ、シラホシハナムグリの勢力に追われて23区では少なくなっているシロテンハナムグリ、20年前くらいには東京にはいなかったのに今は見られるようになったキマダラカメムシ(もともと長崎の出島の中国大陸からの荷物についてきた)などなど、たくさんの虫のエピソードを教えてもらうことができました。
見つけた昆虫の話を聞くことで、時代を経て自然環境が変わってきたことや人間の営みが虫の生き方に影響を与えてきていることなど、たくさん学ぶことができました。
<いなぎめぐみの里山のモニタリングとは?>
「いなぎめぐみの里山」では、未来へ向けた整備方針を策定すべく、2023年からの2年間「いなぎめぐみの里山森づくり計画策定タスク」を行いました。
この取り組みの中で始まったのが、里山に息づく生きものたちの「モニタリング記録」です。
植物や昆虫、鳥類などを丁寧に記録するこの活動は、タスク終了後も組合員向けイベントなどを通して着実に引き継がれており、現在もデータが更新され続けています。
森づくりの成果を見るための指標にもなるモニタリングによって、過去には絶滅危惧Ⅱ類に該当する貴重な植物も記録されており、私たちが守るべき里山の豊かさを物語る大切な資産となっています。
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~パルシステム東京の環境の取り組み~
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パルシステム東京は「自然共生社会」の実現に向けて、都内の緑地や里山、産直産地などで生物多様性保全と森林保全に取り組んでいます。
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