活動レポート

【食の安全学習会】知ってる?!遺伝子組み換え食品の今

1. 遺伝子組み換え食品・ゲノム編集食品学習会

3月14日(土)、「遺伝子組み換え食品いらない!キャンペーン」共同代表の天笠啓祐さんをお招きし、遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品、遺伝子組み換えナタネの自生調査について学ぶ学習会を新宿本部とオンラインのハイブリッドで開催しました。(参加者49組)

 

講師の天笠啓祐さん

・遺伝子組み換え食品とは

他の生物から有用な性質を持つ遺伝子を取り出し、植物などの細胞に組み込む技術(遺伝子組み換え技術)を用いて開発された作物や、それを原材料とした加工食品です。「病害虫に強い」「日もちがよい」「特定の除草剤を撒いても枯れない」など、作物に特定の性質を持たせることができますが、生物多様性への影響、安全性への不安など問題が指摘されています。

 

会場の様子

・「遺伝子組み換え」と「ゲノム編集」の違い

「遺伝子組み換え」は新たな性質をもつ遺伝子を組み込む技術に対し、「ゲノム編集」は主に特定の遺伝子を壊して性質を変える技術ですが、どちらも遺伝子を操作すること自体に変わりはありません。遺伝子操作技術について「利益を追求するあまり、食べ物の安全性が軽視されています」と天笠さんは危惧します。遺伝子組み換え食品によって、多国籍企業が大きな影響力をもち、世界の食を支配することにも警鐘がならされています。

ゲノム編集食品の一例

パルシステムの表示

・パルシステムの遺伝子組み換え食品への考え方

パルシステムは、遺伝子組み換え食品やゲノム編集食品に反対の姿勢で、生産者やメーカーとともに商品づくりをしています。非遺伝子組み換え(NON-GMO)商品の開発に力を入れ、作り手の努力を見える化し、組合員の「選ぶ権利」を守るため、5つの独自のマークで表示をしています。

2.遺伝子組み換えナタネ自生調査

近年、日本では栽培されていないはずの遺伝子組み換え(以下、GM)ナタネが日本各地の幹線道路沿いなどで見つかり問題となっています。海外で栽培されたGMナタネは、菜種油の原料として日本に輸入され、輸入港や製油工場までの輸送道路などでこぼれ落ち、自生しているのが確認されています。

※GM=Genetically Modified(遺伝子組み換え)の略称。

                   GMナタネ自生までの流れ

                   GMナタネ自生までの流れ

パルシステム東京では都内の幹線道路等での実態を把握すると共に、パルシステムを利用する組合員にGM作物の野生化について知っていただく取り組みとして、2020年度から調査に参加しています。除草剤への耐性を調べる試験紙を使って、組合員といっしょに調査を行っています。

 

■GMナタネの問題点

GMナタネには除草剤耐性(除草剤をまいても枯れない)の性質があります。自生してしまうと遺伝子組み換えでない作物と交雑してしまい、交雑種の拡大などが問題となっています。天笠さんは「ナタネは他家受粉生物(花粉の飛ぶ距離が大きい生物)のため、遺伝子汚染が広がりやすく、アブラナ科(ブロッコリー、小松菜など)の植物と交雑する危険性がある」と懸念を示しました。

 

■パルシステム東京の取り組み

都内のGMナタネ自生の実態を把握するとともに、組合員にGM作物の野生化について知っていただく取り組みとして、パルシステム東京では、2020年度から「遺伝子組み換え(GM)ナタネ自生調査」を実施しています。
2025年度は、本学習会の参加者や、イベント情報誌、ホームページなどで呼びかけ、組合員のご協力のもと、東京都内のGMナタネ自生調査を行いました。

 

3. 調査結果

18検体の調査を行い、結果は全て「陰性」でした。調査したナタネの中に、遺伝子組み換えのものはありませんでした。

No. 採取日(2026年) 採取地 植物種(推定) RR耐性(※1) LL耐性(※2)
1 3/5 東京都 清瀬市 セイヨウカラシナ 陰性 陰性
2 3/18 東京都 日野市 セイヨウカラシナ 陰性 陰性
3 3/18 東京都 日野市 セイヨウカラシナ 陰性 陰性
4 3/20 東京都 日の出町 セイヨウナタネ 陰性 陰性
5 3/22 東京都 大田区 セイヨウナタネ 陰性 陰性
6 3/28 東京都 府中市 セイヨウナタネ 陰性 陰性
7 3/28 東京都 北区 陰性 陰性
8 3/30 東京都 八王子市 セイヨウアブラナ 陰性 陰性
9 4/9 東京都 大田区 セイヨウナタネ 陰性 陰性
10 4/10 東京都 江東区 セイヨウナタネ 陰性 陰性
11 4/13 東京都 中野区 セイヨウアブラナ 陰性 陰性
12 4/14 東京都 青梅市 陰性 陰性
13 4/14 東京都 世田谷区 セイヨウカラシナ 陰性 陰性
14 4/14 東京都 世田谷区 セイヨウナタネ 陰性 陰性
15 4/18 東京都 八王子市 セイヨウアブラナ 陰性 陰性
16 4/20 東京都 国立市 陰性 陰性
17 4/20 東京都 目黒区 セイヨウアブラナ 陰性 陰性
18 4/20 東京都 目黒区 セイヨウナタネ 陰性 陰性

※1 RR耐性:除草剤ラウンドアップ(主成分:グリホサート)耐性

※2 LL耐性:除草剤バスタ(主成分:グルホシネート)耐性

【組合員が採取したナタネ】

採取場所の写真(一部)

4.総評

今回の調査では、18検体すべて「陰性」という結果でした。

パルシステム東京では2020年度からGMナタネ自生調査に取り組んでおりますが、これまで「陽性」の検体発見には至っていないことから、東京都内での遺伝子組み換え汚染は進んでいないことが確認できました。

(過去7年間で合計124検体の調査を実施、すべて陰性)

しかし、全国では多くのGMナタネが見つかっています。
パルシステム東京では、今後もGMナタネ自生調査を継続するとともに、遺伝子組み換え食品・ゲノム編集食品に関する問題に取り組んでいきます。

 

※「GMナタネ自生調査」について詳しく知りたい方は、「食べものナビゲーター」2025年3月号もチェック!

(調査は2024年度の内容)