活動レポート

2021年度「子どもの甲状腺検診」

2022.1.14

パルシステム東京では、東京電力福島第一原子力発電所事故後、放射線被ばくによる子どもの健康への影響を不安に思う組合員の声に応え、2015年度から「子どもの甲状腺検診」を実施しています。原発事故から時間が経過するにつれて参加人数は減少していますが、「継続して受診したい」「パルシステムでの検診を続けてほしい」という組合員からの声が多数寄せられるため、2021年度もパルシステム東京組合員及び福島県からの都内避難者の子どもを対象とした甲状腺検診を行ないました。昨年度に引き続きコロナ禍での開催でしたが、感染拡大防止のため万全の対策で準備を進め、今年度も2会場(区部・市部)で2回実施をしました。検診者数は、2015年度~2021年度で延べ890名にのぼりました。

検診を開始してから6年経過した今、継続して参加されている方はもちろんのこと新しい参加者もいることに改めてこの検診を行う意義を感じます。

 ①11 月 3 日(水・祝) ② 11 月 13 日(土)

 時間:各日: 10:00~17:00
 ①貸会議室 Three Eight Nine MITAKA会議室4階
     ②パルシステム東京新宿本部4階会議室
     参加人数:72家族 97名(内訳①38家族 48名 ②34家族 49名)

参加者アンケートより抜粋

今年もありがとうございました。パルシステムで甲状腺検診を受けられることが、毎年本当に有難く、感謝しています。子どもにとっても、馴染みのある生協で検診を受けられることが安心のようです(会場のこんせんくんのパネルなどにほっこりするようです)。来年もよろしくお願いいたします。

Aさん(匿名)

 

※プライバシー保護のため、画素を粗くしております。

2021年度子どもの甲状腺検診の様子

事前学習会を開催しました。

昨年度は新型コロナウイルス感染拡大への懸念から学習会は開催を見合わせました。これまで年々、参加者が減少しており、少しでも多くの参加者が甲状腺検診の意義を理解するために検診医に対して事前質問ができる等、関心が持てるような工夫を取り入れ開催しました。その結果、福島の現状を理解し、検診前の疑問が解消できるような学習会となりました。

 

 10月31日(日)
 ご自宅(オンライン開催)
■ 参加者:25人(役職員含む)
■ 登壇者:鈴木 薫氏(いわき放射能市民測定室たらちね事務局長)

 伏屋 弓子氏(新宿代々木市民測定所理事)
 藤田 操氏(たらちねクリニック院長)
■ 内容:①甲状腺検診の目的や意義・東京電力福島第一原発事故から10年経った福島の現状とこれからついて:鈴木 薫氏
②放射能測定…なぜこの活動を始めたのか、それに至った気持ち:伏屋 弓子氏

\講師プロフィール/
鈴木 薫氏(いわき放射能市民測定室たらちね事務局長)

鈴木 薫氏(いわき放射能市民測定室たらちね事務局長)

福島県いわき市小名浜出身。震災後、いわき市在住のお母さんたちと「いわきアクション!ママの会」を立ち上げ、いわき市長への申し入れや「さよなら原発放射能汚染のない平和な未来を求めるパレード!」などを行う。2011年11月に「いわき放射能市民測定たらちね」事務局長に就任。

藤田 操氏(たらちねクリニック院長)

藤田 操氏(たらちねクリニック院長)

栃木県大田原市出身。金沢医科大学卒業。東京の病院に勤務していたが、東日本大震災後に福島平田町の病院へ。その後、保養施設「沖縄・球美の里」がある沖縄県久米島での病院勤務を経て、2017年6月に「たらちねクリニック」院長就任(内科・小児科)。

伏屋 弓子氏(新宿代々木市民測定所理事)

伏屋 弓子氏(新宿代々木市民測定所理事)

東京都小金井市出身。1986年チェルノブイリ原発事故発生時に「母乳から放射能が検出された」報道を耳にして出産したばかりのわが子への影響を思い罪悪感と恐怖でいっぱいになる。小金井市に働きかけ測定所を開設(1990年)。2012年より「新宿代々木市民測定所」の設立にかかわり、2016年に専従職員となる。