活動レポート

広げよう!『子どもの権利条約』批准25年  聞いて話そう! 自分も子どもも生かしてくれる <子どもの権利>

 パルシステム東京は7月9日(火)、国分寺市のcocobunjiプラザで「聞いて話そう!自分も子どもも生かしてくれる<子どもの権利>」を開催しました。 参加者は31名。

  1989年に国連が『子どもの権利条約』を採択して30年、日本も1994年に批准しています。しかし、海外の子どもの支援のため批准したといわれる日本では、25年を経た今、貧困、虐待、体罰、いじめ・・・と国内の子どもの権利が侵害される多くの事例を目にします。
  今回は「子どもの権利」について改めて学ぶことで正しく認識し、子どもの権利を守るために私たち一人ひとりができることを考えました。

子どもたちを助ける必要があるのは「かわいそう」だからではない。子どもの権利が失われているからです

池田詩子さん 一般社団法人ポジティブ・ディシプリン

池田詩子さん 一般社団法人ポジティブ・ディシプリン

池田詩子さん 一般社団法人ポジティブ・ディシプリン

菊川佳代さん 一般社団法人エル・システマジャパン                      

両講師は「パルシステム東京ファシリテーター養成講座※」の卒業生です。

パルシステム東京ファシリテーター養成講座
  ファシリテーションの基本を学びながら、実践的なプログラムを体験し、パルシステム東京が主催する
  ≪子育て個育てワークショップ≫の企画・運営を担うファシリテーターを養成する講座

 

 菊川さんからは、アフリカの孤児院でのボランティアや帰国後の日本での活動を中心に、そもそも子どもの権利って?、子どもの権利の「4つの柱」、権利を基盤としたアプローチなどについてお話しいただきました。 一方池田さんからは、日本が国連・子どもの権利委員会から受けている勧告を中心に、海外の子どもの権利保障を実現する取り組みと日本の現状を、具体的な例を挙げながらわかりやすくお話ししていただきました。

  講演の合間に参加者同士のグループトークもはさみ、子どもの権利という言葉のイメージや講演を聞いて思ったことなどについて意見交換。
自分の子どものこと、学校のこと、PTAのこと。みなさんはじめは緊張した面持ちでしたが、パルシステム東京のファシリテーターが各グループに入ることで、会話の潤滑油となり、次第に話が深まっていきました。

参加者一人一人が安心して話せるよう、ファシリテーターも寄り添う

参加者一人一人が安心して話せるよう、ファシリテーターも寄り添う

海外で国際支援の活動をして日本に戻ってきたときに、豊かなはずの日本の子どもたちがあまり幸せそうに見えないと感じたという菊川さん。そういえば日本では、子どもの権利条約は広まっていないと気づいたそうです。
講師の方

「困っている子どもたちを助けるのは「かわいそう」だからではありません。子どもの権利が失われているからです。それぞれの子どもの権利はそのままで守られるのではなく、守る責務のあることを知り、大人はそれぞれに努力しなければならないと思います。」と語りました。

  池田さんは「日本では教職課程で子どもの権利を学びません。教科書に子どもの権利条約のことが書いてあっても、例えば自分たちがいじめを受けない権利があって、校則について意見する権利もあって、大人は聞いて一緒に最善を考えなければいけないなど、身近なこととして解説されていません。権利とは、人が人らしく生きるのに不可欠なもので、みんなのものです。自分も相手も生きる、育つ、守られる、参加する権利があることを正しく知れば、いじめや体罰、虐待などはおかしいことだとわかってきます。今までの日本社会の感覚を乗り越えて、子どもだけでなく女性も、誰もが意見を言え、聞いてもらえ、そこから一緒に人間関係を作ることが大事だと思います。
誰も置き去りにしない社会、誰もが安心を感じられる社会を一緒に創っていきましょう。」と話して講演を締めくくりました。

参加者のアンケートから

「子どもの権利条約を文章で読んでわかったような気になっていました。ワークショップで話を聞いたり、自分で話したりしているうちに、この権利はお互いを大切にする権利なのだということがわかりました。それは子どもだけでなく大人にも当てはまるし、大人が変われば子どもも変わっていく…そういう社会になったらいいなと思いました。」

「子どもの権利を保証するには子どもへの啓発とともに、大人の理解が大切だと思いました。」

「まずは家庭から。自分の子どもの意見をきちんと、否定せずに聞けるようになりたいと思います。」

 

(C)広げよう!子どもの権利条約キャンペーン

(C)広げよう!子どもの権利条約キャンペーン