活動レポート

CO₂削減はガマンしない。楽しみながら脱炭素化を「 環境省・国立環境研究所『地球温暖化W(ダブル)講演会』」

環境省 岸 雅明氏(左)と国立環境研究所 江守 正多氏(右)

環境省 岸 雅明氏(左)と国立環境研究所 江守 正多氏(右)

1月19日(土)、PV-Net(NPO法人太陽光発電所ネットワーク)との共催で「環境省・国立環境研究所『地球温暖化W講演会』」を武蔵野公会堂(武蔵野市)で開催しました。参加者118人。

第一部は国立環境研究所 地球環境研究センターの江守 正多氏による講演「気候変動は止められるか ~地球温暖化と私たちの未来~」。CO₂排出による地球温暖化の現状、経済の脱炭素化を目指す世界の動きなどについてお話を伺いました。
続く第二部は環境省 地球局 地球温暖化対策課の岸 雅明氏による講演「脱炭素化のカギとなる再生可能エネルギー」。世界の再生可能エネルギー導入状況、脱炭素化のビジネスチャンスとメリットに加え、日本の太陽光発電のコストも今後は大幅に低減する見通しであることなどをお話しいただきました。

脱炭素化のために、何時代前まで戻ればいいの?(第一部講演より)

「日本ではCO₂削減、気候変動対策というと【ガマン】【努力】のイメージがあります。 しかし『脱炭素化』はイヤイヤ努力して達成できるような目標ではありません。 「『脱炭素化』するためには、いったい何時代前まで戻ればいいんですか?」とよく質問されますが、実は私は逆だと思っています。
『石器時代が終わったのは、石がなくなったからではない』という元サウジアラビア石油相の言葉をご存じですか。人々は技術の進歩によって、石器よりももっと便利な道具を簡単に作ることができるようになったため、石器は不要になったということを言っています。
これを燃料に言い換えると、技術の進歩で化石燃料よりも優れた、CO₂の出ない、コストもかからないエネルギーを簡単に作ることが可能になり、その新しいエネルギーは利益を生み出すし、化石燃料より安く提供できる。そうなれば化石燃料がたくさんあったとしても、人々は化石燃料を使わなくなる。時代をさかのぼるのではなく、進む。近い将来には楽しみながら、儲けながら「化石燃料文明」を卒業できると私は思っています。」

今までのCO₂削減のイメージを変える江守氏の言葉に、参加者は深く頷いていました。

講演のポイント

・現在CO₂排出による地球温暖化で異常気象が増えている。海面上昇などの環境問題も深刻。

・気候変動枠組条約COP21のパリ協定(2015年)で「世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つとともに、1.5℃に抑える努力を追求する」ということが長期目標に掲げられ、2100年までに世界経済を脱炭素化することを目指している。

・「1.5℃未満」実現のためにはCO₂を出さずに電気を作ることが当たり前にならないといけない。

・生命が進化するかのように、新しい時代へ→脱炭素化

・明るく、楽しく、化石燃料文明からの卒業を

 

※第一部、第二部講演会および資料からの抜粋

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