活動レポート

2015年度福島スタディツアー

2015.11.4

パルシステム東京では、2015年11月3日(火)~4日(水)、福島スタディツアーを開催し、31人(組合員21人、役職員10人)が参加しました。

東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所の事故によって多大な被害を受けた福島県。震災から5年が経過した今でも、県内外で約9万7千人(※)を超える方が避難生活を余儀なくされ、復興への道筋がたっているとは言いがたい状況です。(※)出典:ふくしま復興ステーション

このような状況の中、被災の実態を知り、私たちにできることを考えるため、2013年度から「福島スタディツアー」を開催しています。4回目となる今年は、いわき市を拠点に、被災地の現状や、水産現場の取り組みについて学びました。

仮説住宅の商店街、「浜風商店街」で地酒や地元の食材を購入する参加者。購入することで応援の気持ちを伝えます

仮説住宅の商店街、「浜風商店街」で地酒や地元の食材を購入する参加者。購入することで応援の気持ちを伝えます

1日目:いわき・富岡町・久之浜

駅舎は解体され線路もはずされたJR「富岡駅」

駅舎は解体され線路もはずされたJR「富岡駅」

駅舎は解体され線路もはずされたJR「富岡駅」

富岡駅周辺、津波で破壊された町並みは今も震災直後のまま

パルシステム東京福島支援カンパ贈呈団体の一つでもある「NPO法人 ふよう土2100」代表・里見喜生さんの案内で、避難指示解除準備区域に位置するJR「富岡駅」周辺、津波の被害にあった商店が集まって営む仮設の「浜風商店街」などを訪れ、被災の爪痕が未だ残る現状を目の当たりにしました。

「原発事故のため、他県にはすぐに届いた支援が福島にはなかなか及びませんでした。その間、救える命が救えなかったという心の傷は今もみんなにあります」と里見さんは振り返りました。

2日目:小名浜漁港、山菱水産(株)工場、見学

サンマの水揚げを見学。小名浜漁協では、漁獲したすべての魚種をモニタリング検査する等、放射能対策に取り組んでいます

サンマの水揚げを見学。小名浜漁協では、漁獲したすべての魚種をモニタリング検査する等、放射能対策に取り組んでいます

試験操業という形で漁業を再開した小名浜漁協。震災後に新設された小名浜魚市場では、最新の機器が設置された放射能検査室などを見学しました。 

パルシステム福島の皆さん手作りのおかずと山菱水産のまぐろを食べながら交流

パルシステム福島の皆さん手作りのおかずと山菱水産のまぐろを食べながら交流

パルシステム福島の皆さん手作りのおかずと山菱水産のまぐろを食べながら交流

山菱水産でまぐろの冷凍加工を視察。津波で被災したものの、震災45日で出荷にこぎつけました

昼食はパルシステム福島いわきセンターで、パルシステム福島の方々の手作りの料理と、パルシステム商品「とろっとまぐろ丼」などでおなじみの「山菱水産株式会社」のまぐろをいただきながら交流。

その後、山菱水産(株)のまぐろ加工工場を見学し、厳しい放射能検査の実施状況や、被災後も奮闘するメーカーの取り組みなどを学びました。

◆参加者の声

スタディツアー参加者からは…

〇4年7ヶ月たった富岡町は想像よりひどい様子で言葉が出ないです。終わっていないと実感しました。

〇パルシステム福島の方々の前向きに頑張っているお姿にただ、ただ、頭が下がりました。たくさんのパワーをいただきました。私なりにできることをしていきたいです。

〇仮設住宅の方々の苦悩、空虚感、孤立感を思うと心が痛みました。そんな中、山菱水産さんの立ち直りには目を見張りました。海の汚染、皆様の記憶が払拭されるのを祈るばかりです。

…といった感想が寄せられました。

パルシステム東京では、これからも、被災地・被災者の現状を知る活動を通し、組合員とともに福島をはじめとした被災地の支援活動を継続していきます。