活動レポート

気候危機は止められるか?… 「地球温暖化W講演会」

首都圏で台風や豪雨による大きな被害が出た2019年度。温暖化型災害についての今後の予測、世界の対策について、第一線の研究者と元環境事務次官に解説いただきました。

パルシステム東京は2月9日(日)、認定NPO法人太陽光発電所ネットワークと共催で、江守 正多氏(国立環境研究所・地球環境研究センター 副センター長)と小林 光氏(元環境事務次官)を講師に招き、「地球温暖化W講演会」を開催しました。合計173名(うちパルシステム東京組合員・役職員・取材関係者69名)が参加し、気候変動の現状・予測・対策などを学びました。

江守 正多 氏

江守 正多 氏

江守 正多 氏

小林 光 氏

すでに危機といえる地球温暖化。国立環境研究所の江守正多さんは、「地球温暖化が続く限り、豪雨も猛暑も増え続けます。災害を抑制するためにも温暖化を止める取り組みが必要です」と指摘。さらに「日本ではCO2削減をガマンや負担だと考える人が多い。しかし世界は、脱炭素化の経済性に着目。技術普及をめぐる巨大マーケットも生まれています」と解説。
「市民にできることは、まずは関心をもち、まわりに発信することです。地球温暖化や再生可能エネルギーなどのキーワードを、毎日、検索するだけでも世界の見え方が変わります」と提案しました。

環境省事務方トップだった小林光さんは、20年前に太陽光発電付きエコハウスに建て替え、その後も省エネ家電に切り替えるなどして、自宅の電力消費を69%削減したことを紹介。温暖化対策は家庭でもできることを話しました。
消費する場所の近くで発電する、蓄電を利用するなどの効率的な電力システムも解説。
「市民が政府にもっと厳しい目標設定を要求することも大切です」と結びました。

地球温暖化がひどくならないうちに食い止める省エネ(パルシステム東京から)

統一省エネラベル

家庭や仕事で使うエネルギーを減らす、省エネ――。地球温暖化を少しでも早く食い止める手段として、エアコンの設定温度を見直すなど、行動面における省エネがとても重要です。
また、この10年間で家電の効率は大きく上がっているため、長年使っている大物家電を買い替えるのも省エネです。エアコン・テレビ・冷蔵庫などを買い替えるときは、緑色の統一省エネラベルを見て、5つ星の星の数が多い(=省エネ性能が高い)機種を購入するようにしましょう。

講師:江守 正多 氏

講師:江守 正多 氏

国立環境研究所・地球環境研究センター 副センター長

NHKの環境番組などでもおなじみ

講師:小林 光 氏

講師:小林 光 氏

第3回気候変動枠組条約締約国会議(COP3)の日本開催や京都議定書の国際交渉などで尽力

環境事務次官退任後は東京大学大学院総合文化研究科客員教授など

パルシステム東京は、再生可能エネルギーの普及とCO2削減を目的とした家庭と事業での省エネ活動を推進しています。
今後も地球温暖化防止の情報を収集し、広く学習会などを通じてお知らせしていきます。