活動レポート

カフェで話そう。憲法のこと。「太田啓子弁護士の憲法カフェ~憲法が改正されるとどうなるの?~」を開催しました。

パルシステム東京は1月20日、東京・国分寺市のカフェスローで「太田啓子弁護士の憲法カフェ~憲法が改正されるとどうなるの?~」を開催しました。

参加者49名。

 

 

憲法と聞くと、難しそう、何となくしかわからないという人も。パルシステム東京では6年前から「憲法カフェ」という親しみやすい形で憲法の基礎知識や現状を学ぶ機会をつくっています。今回は、女性誌でも活躍している太田啓子弁護士を講師に、憲法と法律の違いや憲法改正の問題点などを初心者にもわかりやすく学びました。

 

太田啓子弁護士

太田啓子弁護士

憲法を守らなければならない義務を負っているのは誰?

 太田氏は話の冒頭でクイズを出題。「この中で憲法を守らなければいけない人は誰でしょうか」6つの選択肢から手を挙げてもらうと、会場では答えが分かれます。「答えは天皇や国会議員など。国民ではありません。憲法は国民が国家に守らせるもので、国民が守るのは法律です。このことは多くの方が思い違いをされています。現役の教師の方でさえそうです」

 

 また、憲法についてわかりやすく書かれた書籍『檻の中のライオン』(2016年/楾大樹 著、かもがわ出版)を紹介し、「国家権力をライオンに、憲法を檻に例えると、ライオンは檻の中にいる(憲法を守る)義務があります。私たち国民はライオンがあばれて檻が壊れないようにまもる(憲法を護る)側なのです」と伝えました。

中学校で公民の副読本としても利用されている「檻の中のライオン」

中学校で公民の副読本としても利用されている「檻の中のライオン」

一度変わると取り返しがつかないのです

 さらに太田氏は、現在、話題になっている憲法改正草案の疑問点、改正手続きの流れについても、「現状、憲法の改正は国民投票において過半数の賛成を必要とすると記されていますが、棄権者は分母に入らず、最低投票率も定められていません」と分母次第で結論が変わる危うさを指摘し、「憲法は一度変わると取り返しがつきません。何となくのイメージだけでなく、自分の意見に基づいた投票ができるようになってほしい」と結びました。

 

「あなたは護憲派ですか?改憲派ですか?」そんな質問に答えるより先に、まずはあなたも「知憲(憲法について知ること)」から始めてみませんか。

まずは憲法について知ることから

まずは憲法について知ることから

 フリートークでは、「以前も憲法カフェに来ましたが、日々の生活に追われ考えることをやめてしまうことも。こういった場に参加して思い出しています」など、それぞれの想いを話し合いました。育児休業中に参加したお母さんは、「偶然にも近所に住んでいる方がいてお友達になりました。家の近くで開催する憲法カフェにもつながりができました」と笑顔で会場を後にしました。

 

他にも、参加者アンケートで「今回カフェで行うということで気軽に参加できました。こういう難しい問題の会はカフェで行っていただくと良いと思います」

「憲法のこと知らないので、知りたくて参加させていただきました。難しいのですが、とても分かりやすかったです」

「とても分かりやすく、これからの意識も変わるきっかけになりました。知憲やっていきたいです!」などの感想をお寄せいただきました。

フェアトレードのコーヒーとカフェスローお手製の「ごぼうのショコラケーキ」

フェアトレードのコーヒーとカフェスローお手製の「ごぼうのショコラケーキ」

おだやかな雰囲気のフリートーク

おだやかな雰囲気のフリートーク

講師:太田啓子氏

講師:太田啓子氏

弁護士。明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)メンバー。「VERY」「クロワッサン」などの雑誌でも活躍。「天気を気にするように政治の話もできるようになってほしい」とこれまで病院やサーフショップ、イタリアンレストランなど様々な場所で200回以上の憲法カフェを開催している。