活動レポート

食の安全学習会 作り手と学ぼう!食品添加物を減らす「商品づくり」のひみつ

2024.1.17

11月25日(土)、メーカー講師として、日東富士製粉株式会社の大須賀はるいさん、茨城乳業株式会社の鈴木 浩章さん、酒井智行さんを迎え、食品添加物について学ぶ学習会を開催しました。(参加者:オンライン27組 会場:10組)

パルシステムの食品添加物削減の取り組みとは?

~パルシステム連合会 品質保証部 相原課長より~

食品添加物に頼らない商品づくりを!

食品添加物は食品の加工、保存などの目的で多くの食材に加えられていますが、パルシステムでは、素材本来の味を活かすため必要最低限の食品添加物しか使用していません。国内では、約1500物質の食品添加物が認可されていますが、パルシステムで使用を許可しているのは1,168物質。さらに実際の使用数は約400物質です。「そのため、パルシステムの商品だけを食べると、食品添加物摂取量が平均的な日本人に比べて23%に抑えられると言われています。」(※)と相原課長。

(※)厚生労働省「マーケットバスケット方式」調査によって算出

削減はメーカーの方々の努力があってこそ!

食品添加物を減らしたいという組合員の願いを受け、製造メーカーの方々と一緒に知恵を絞り試行錯誤をすることで食品添加物の削減が実現出来ています。「消費者としては食品添加物を減らしたいと願っても、製造側としては製造効率や日持ちの問題で削減がなかなかできない、この差を埋めるのが大変なので、パルシステムからの厳しいお願いも聞き入れ、商品づくりをしてくれる製造メーカーの技術と努力には感謝です。」と相原課長は話します。

これからもパルシステムは、安心できるものを選択したいという組合員の想いに沿った商品づくりをメーカーとともに行っていきます。

「産直小麦のホットケーキミックス」の食品添加物削減への取り組み

 

~日東富士製粉株式会社の大須賀はるいさんより~

「産直小麦のホットケーキミックス」の食品添加物削減

北海道の産直小麦を使用し、ふんわりとした食感が魅力の「産直小麦のホットケーキミックス」。

日本の小麦消費量のうち国内産小麦はなんと約15%しかないので、国産かつ産直の小麦を使用しているこの商品はとても貴重です!

また、組合員の要望に応え、リニューアルを重ねることで食品添加物を削減しました。ショートニング、乳化剤を削減すると食感が損なわれますが、使用する小麦を加熱処理することで食感を改善し、食品添加物の削減を実現しました。開発には苦労がありましたが、「少しでも原材料にこだわって組合員さんの想いに応えたかった」と大須賀さんは話します。

商品を美味しく食べていただくための選択

一方で、使用するという選択をした食品添加物もあります。膨張剤と香料は使用しないと生地が膨らまなくなり、味が淡泊になってしまうため、使用の継続を決断。ただ、香料は市販のものと比較して量を少なくしています。「食品添加物を削減しながらも、皆さんには美味しく食べていただきたい」と想いを語る大須賀さん。また、小さなお子様でも食べて飽きのこない味わいを、と話す姿が印象的でした。

 

進化し続ける、おいしい定番。『産直小麦のホットケーキミックス』 

 動画 9:58

「カスタードプリン」の食品添加物削減への取り組み

 

~茨城乳業株式会社の鈴木 浩章さん、酒井 智行さんより~

「カスタードプリン」の食品添加物削減

牛乳、卵、砂糖のみを使用し、素材本来の味を活かした「カスタードプリン」。

一般的に、プリンを作る際は、増粘剤、香料などの食品添加物を使用することが多いが、パルシステムの「カスタードプリン」は組合員の声に応え、食品添加物を使用していません。

製造方法に工夫あり!

一般的な乳業メーカーで使用する卵は、製造の際、一度冷凍した液卵を解凍して使用しますが、パルシステムの「カスタードプリン」は産直産地・JAやさとの卵を直送し、製造工場内で割卵し使用します。JAやさとの鶏はエサや生育環境にこだわっているため、良質な卵が生まれるとのこと。「卵などの素材にこだわりを持って製造しています」と鈴木さんは話します。

また、プリンを固める際にも、凝固剤などは使用せず、加熱をして卵の力のみで固めています。卵を多く使用しているからこそ出来る製法であり、食品添加物の削減につながりました。「生産者とのつながりを大事にしながら、組合員の声に応えたいという想いが強い」と語っていたのが印象的でした。

産直たまごを使った 『カスタードプリン』

動画 4:13

ご参加いただきありがとうございました

参加者からは「パルシステムがいかに食品添加物削減に力を入れているかが分かりました。」「商品がどんどん改善されていて、美味しさを保ちつつ食品添加物を減らすという難題に日々取り組んでいるのがとてもよくわかりましたし、感謝いたします。」等の感想をいただきました。

パルシステム東京では、引き続き「食の安全」についての情報発信を続けていきます。