活動レポート
2025ヒロシマ平和スタディツアー ピースアクションinヒロシマ 〜平和とよりよい生活のために〜
2025.8.28
80年の時を超え、受け継がれる祈り
広島への原爆投下から80年の節目を迎えました。今年も原爆投下日に合わせて開催されるピースアクションinヒロシマに参加しました。(主催:日本生活協同組合連合会・広島県生活協同組合連合会)
参加者は、組合員10名(うち親子4組8名)、組合員理事1名、職員3名の計14名。
記憶を風化させず、次の世代への継承をテーマにした今年のツアー。被爆二世の平和ガイド多賀俊介さんの言葉に、参加者一同、静かに耳を傾けました。一人ひとりの名前、奪われた日常、そして家族の物語。ヒロシマの記憶と平和への願いを心に刻む3日間となりました。
【1日目】8月4日(月)ヒロシマの地に立ち、被爆の実相に触れる
東京駅から広島駅へ移動後、平和ガイドの多賀俊介さんと合流し、平和記念公園周辺の「まち歩き」からツアーは始まりました。
多賀さんは、被爆樹木や遺構の一つひとつに込められた人々の営みや人生を丁寧に語りかけます。爆心地からわずか380mにありながら外郭を残した「旧日本銀行広島支店」や、多くの児童が犠牲となった「袋町小学校」「本川小学校」を訪れ、原爆が一瞬にして日常を破壊した悲劇に思いを馳せました。
被爆樹木の前で、多賀さんの説明に耳を傾ける参加者
「原爆の絵碑」11号碑
原爆ドームを望むこの場所に設置された「原爆の絵碑」11号碑は、全国の生協からの募金で建立されました。絵碑の説明文の下に募金協力団体として「パルシステム東京」の名が刻まれていることを確認し自分たちの生協がヒロシマの記憶を未来へつなぐ活動に深く関わっていることを実感し、平和活動への思いを一層強くする貴重な機会となりました。
被爆当時も国民学校として多くの児童が在籍していた「袋町小学校」
爆心地に最も近く甚大な被害を受けた「本川小学校」を訪れました
【2日目】8月5日(火)広島平和記念資料館~学びを深め、平和への行動を誓う~
2日目は「広島平和記念資料館」の見学からスタート。展示されている遺品や写真について、多賀さんから持ち主のエピソードを交えた丁寧な説明を受けました。遺品の背景や持ち主の人生にまで思いを馳せることができました。
その後、「被爆樹木アオギリ」を訪れ、熱線で焼かれながらもその後芽吹いた生命力は、人々に生きる勇気を与えました。このアオギリの話を聞き、参加していた小学4年生の男の子は「アオギリの歌はみんなに聞いてもらいたい。僕は平和のために、友達やいろんな人と戦争や原爆の話をしたり、今の世界の戦争の話をしたいと思います。」と感想を述べ、平和への思いを自分事として捉えている様子が印象的でした。
「原爆の子の像」では、組合員が平和への祈りを込めて折った鶴を献納。参加した子どもたちが「世界が平和と幸せにつつまれますように。」と力強く書いたメッセージに、ヒロシマの心が次世代へ確かに受け継がれたことを感じました。
午前中のフィールドワークを終え、「Social Book Cafe ハチドリ舎」にて昼食をとりました。
午後は、日本生協連主催のピースアクション「虹のひろば」に参加。全国から集まった生協の仲間とともに、歌やメッセージを通じて平和への願いを共有し、連帯を深めました。
「原爆資料館」で被爆後の広島市街地のパノラマ写真の前で、多賀さんから説明を受けました
展示の一つひとつに込められた意味を学びます
「原爆の子の像」組合員から寄せられた折鶴、平和への祈りを込めて献納しました
参加した中学生の2人は共同で「世界が平和と幸せにつつまれますように。」と、平和への想いを力強く記してくれました
被爆樹木アオギリの前で「アオギリのうた」に耳を傾ける子どもたち
午後は「広島県立総合体育館グリーンアリーナ」で開催された「虹のひろば」に参加
【3日目】8月6日(水)平和祈念式典~祈りの日、そして未来へ~
スタディツアー最終日は、原爆投下から80年となる祈りの日。戦後80年の節目ということもあり、早朝から多くの人が集まる中、希望者は「平和記念式典」に参列しました。午前8時15分、平和の鐘を合図に全員で1分間の黙とうを捧げ、犠牲者の冥福を祈り、恒久平和への誓いを新たにしました。核兵器のない世界の実現への思いを共有しました。3日間の学びと経験を胸に、平和の尊さに想いを馳せ、核兵器のない平和な世界を願いながら、広島を後にしました。
「平和記念式典」会場・厳重なセキュリティチェックを受けてゲートをくぐります
平和記念式典の様子・犠牲者の冥福と恒久平和への祈りが捧げられました
相生橋の上で原爆ドームを背景に記念写真
戦後80年の節目となる年に実施された今回のスタディツアーは、参加者一人ひとりがヒロシマの記憶と心に深く触れ、平和の尊さを再認識する、非常に有意義な機会となりました。
平和ガイド多賀さんの「名前のある一人一人の人生がどのようにして奪われてしまったか」を伝える言葉は、参加者の心に深く刻まれました。アンケートには「1人や家族だけでは通り過ぎてしまうような展示に、多賀さんに説明をしていただき、よかったです」といった声が寄せられ、そのガイドがいかに学びを深めたかが伺えます。
特に、本ツアーの目的であった「次世代への継承」という点において、子どもたちが書いた「戦争なくす」「世界が平和と幸せにつつまれますように」という素直なメッセージや、「平和のために、友達やいろんな人と戦争や原爆の話をしたり、今の世界の戦争の話をしたいと思います」という決意は、ヒロシマの心が確かに次世代に受け継がれた証です。
また、ある参加者からは「これまで戦争を生き抜いた先人の話をゆっくり聞くことができなかった。戦争の伝承者はこうして途絶えていくことを身をもって感じる結果になってしまったので、自分なりの危機感をもって参加させて頂きました」という声も寄せられ、世代を超えて平和を希求する想いが共有されました。
パルシステム東京は、今後もこのような取り組みを継続し、戦争も核兵器もない世界の実現に向けて、組合員とともに歩んでまいります。
-
生活協同組合パルシステム東京 政策推進課
paltokyo-seisaku@pal.or.jp
月曜日~金曜日 9:30~17:00※時間外および土日、夏季休業日、年末年始のお問い合わせには回答にお時間をいただく場合があります。ご了承ください。















