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【デジタル版】エコ&ピースナビゲーター6月号(vol.32) 特別編

今日も明日も この地球の海で 自然と共生する 未来をつくろう

今日も明日も この地球の海で 自然と共生する 未来をつくろう

すべての生命の母とも呼ばれる海。地球の表面の70%は海におおわれ、地球にある水の98%は海水が占めています。しかし、その海は今、深刻な問題を抱えています。化学物質による海洋汚染や、砂浜や海中に散乱するプラスチックごみなど…。
海が抱えているさまざまな問題について、見ていきましょう。

海が抱えているさまざまな問題

海が抱えているさまざまな問題

合成洗剤に含まれる有害化学物質

石けんが天然の動植物の油脂から得られる脂肪酸塩を主成分としているのに対し、合成洗剤は洗浄成分に合成界面活性剤を使っています。合成界面活性剤はPHに関係なく作用し、すすぎなどによって水で薄められても界面活性作用がなくなりません。PRTR(※)の報告書では、人の健康や動植物の生息もしくは生育に支障を及ぼす可能性があるとしています。
※PRTR制度:化学物質排出移動量届出制度

2022.6.26開催「3.11から10年終わらない原子力災害」講座資料より (講師FoE Japan満田夏花氏)

アルプス処理汚染水

2011年の福島第一原発事故より発生している汚染水を処理して生まれる、アルプス処理水の海洋放出が問題となっています。このまま海洋放出が行われることになれば、地域経済に大きな影響を及ぼし、震災復興のために払われてきた10年の努力が水泡に帰す大きな懸念があります。また、地域住民や漁業関係者から十分な理解を得ないまま、復旧・復興を無に帰すような決断は容認できるものではありません。

海の酸性化

人間の経済活動の活発化により森林伐採で大気中の二酸化炭素の濃度が上昇。温室効果ガスの影響で海水温が上昇し、水産業にも影響が出ています。世界三大漁場の1つとも言われる宮城県三陸沿岸はカキの養殖が盛んですが、海洋調査を進める研究者は「海がどんどん酸性に傾いているので、このままの状態が続けば50年後、いや10年後にはカキの養殖が難しくなるかもしれない…。地元にとって死活問題になる。」と指摘します。海の炭酸イオンとカルシウムイオンが結合して炭酸カルシウムとなり貝殻の成長を促してくれるからなのです。温暖化も酸性化も人間が出す二酸化炭素が原因であることは明確です。

世界経済フォーラム報告書Figure5を改変

プラスチック海洋汚染

世界経済フォーラム報告書によると、毎年少なくとも800万トンのプラスチックごみが海に流出していると考えられています。このままの傾向が続けば、2050年までには海のプラスチックごみの量が魚の量を上回るともいわれます。身の回りの使い捨てプラスチックで使わなくても済むものがないか、暮らしを見直してみましょう。

コラム「里浜がつなぐ未来」

コラム「里浜がつなぐ未来」

今、「里浜」という考え方が注目されています。

 「里浜」とは、里山に並ぶ言葉として創り出された言葉ですが、人々の暮らしとの関わりが深い身近な海辺で、利用と自然環境とが共存し、人が管理することによって維持されている海辺のことです。それは、多様で豊かなかつての「海辺と人々とのつながり」を現代の暮らしにかなう形で蘇らせた浜のことを指します。
 戦後、防災を最優先の課題と考え、全国の海岸線に整備された護岸や堤防は陸と海との仕切線となり、人間が海に出るのを妨げ、高くそびえる防潮堤は海を見ることさえ出来なくしてしまいました。安全を優先した結果、海辺と人々とのつながりは希薄になってしまったのです。これにより海辺の景観は一変し、供給される土砂の減少等により浜は痩せ、ゴミの散乱等の自然環境も悪化していきました。海辺の豊かな生活を取り戻すためには、一人ひとりが「豊かな浜」の恵みを享受する機会を増やすとともに、豊かな海に囲まれた「里浜」に暮らす一員として自覚と責任をもって行動することが必要になります。
 「里浜」の保全は、子どもたちに海の素晴らしさを伝え、継承していくことが目的であり、未来の子どもたちにその豊かさ
を残すという意識が最も大切になります。

第1回 アースデイ2022 inうらそえ ~西海岸・里浜ビーチクリーン~ <海没地区>

第1回 アースデイ2022 inうらそえ ~西海岸・里浜ビーチクリーン~ <海没地区>

沖縄県浦添市では初めてのアースデイに関わるビーチクリーン活動を4月24日(日)開催しました。西海岸の3地区同時開催で、多くのボランティアの皆さんが協力して、漂着海ごみを回収しました(写真提供:一般社団法人うらそえ里浜・未来ネットワーク)。

西海岸海没地区漂着軽石回収

西海岸海没地区漂着軽石回収

写真提供:一般社団法人うらそえ里浜・未来ネットワーク

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