お知らせ

都内小学校で好評展開中! パルシステム東京「お米の出前授業」の“ウラ側”をご紹介します。

東京都の小学校の1割以上が利用! 子どもたちの心に響く「お米づくり体験」を

出前授業の様子

毎年150を超える小学校が、5年生社会科の稲作学習の一環としてパルシステム東京の「お米の出前授業」を利用しています。前年度の5年生担任教師が次の年度の担任に紹介するなど、各校で定着しています。

「お米の出前授業」開催校・受講児童数実績

■ 2019年度:164校 12,435人

 ※うち小学5年生は12,285人で都内の約12%に相当

■ 2020年度:114校 13,832人

 ※緊急事態宣言発令に伴う中止等により2020年度は開催規模を縮小。食べ比べ実習を除く

人気のヒミツは春(1学期)の苗植えから、秋(2学期)の稲刈り、脱穀、籾摺りまで体験して、お米について広く学べる点にあります。校庭で育てた苗とお米づくりのプロが育てた稲穂を見比べたある児童は次のような発言をしてくれました。

2本の稲についている籾(もみ)は、数も大きさも全然違う。

僕たちも大変だったけど、農家さんはスゴイ!

10年前、はじまりは江戸川センターの地域貢献への想いから

そもそものはじまりは「バケツ稲」を配送センターから近隣の小学校に贈呈したことがきっかけでした。2010年、江戸川区の小学校での初の出前授業開催からはじまり、2012年にはパルシステム東京全体の取り組みに発展していきます。

「試食・食べ比べ」用として無償提供させていただくお米それぞれの特徴を解説したオリジナルテキスト

当時の江戸川センター長(現・産直推進課)で、出前授業開催に携わった木方課長は「配送センターと地域をつなげたいという思いが強かったですね。何か地域の皆さんの役に立つことができないだろうかと…。当初は、低学年や幼稚園などの授業もありましたが、5年生の社会科で米づくりを学ぶということを知り、それに合わせたカリキュラムにしたところ、多くの小学校から声をかけていただくようになりました」と話します。

パルシステムならではの苗や稲、肥料へのこだわり

使用する苗や稲はもちろん産直産地のもの。収穫時の天候不順などが重なると、生育が間に合わないかとハラハラすることもあるとのこと。産地の状況と授業の時期に合わせての調整では産地のみなさんの協力があってのこと。

「今日のお米は山形から来ましたよ」などと、どこから来たのかを必ずお知らせし、産地を身近に感じてもらえるようにしています。そして、子どもたちから寄せられた感想は産地へとつなぎ、「顔の見える産直」も心がけています。

前期授業用の苗は米産地で唯一セットセンターへの物流便が出ている「JAつくば谷田部」から届きます。苗は育苗の時期もあり1月から準備に入り3月には種をまきます。4月にならないと申し込み数は出ませんが、例年の見込みで育苗に入ってもらいます。

後期授業用の稲穂は、「JAえちご上越」「JA津軽みらい」「JAこまち」「JA秋田ふるさと」「JA佐久浅間」「JA山形おきたま」「JAささかみ」の7カ所の産直産地の協力で、各産地の収穫時期を見ながら調整し届けられます。

コンバインで収穫すると、自動的に脱穀されてしまうため、生産者さんが一束ずつ手で収穫し、「はさ掛け」で乾燥させ、稲穂の形を残した稲を送ってもらっています。(写真は「はさ掛け」で天日干ししているところ)

肥料にもこだわっています。パルシステムグループの関連会社で製造した有機質肥料で、化学物質は無添加。食の安全を同時に伝えています。

「お米の出前授業」を未来へつなごう!

2020年度、コロナ禍で緊急事態宣言発令に伴う一斉休校のため、前期の苗植え授業はすべて中止に。3月時点で準備した苗は希望する学校へテキスト・肥料とともに届けました。後期の「脱穀・もみすり授業」は80校から申し込みがあり、10~12月にかけ授業を行いました。マスク着用はもちろん、人数が多い学校では密を避け校庭で授業をすることもありました。

 

2021年度の前期は4月から、後期は9月から申し込み受付を開始します。「2010年に始まって10年。出前授業を体験した世代がそろそろ成人します。その中から、職員になって出前授業の先生になってくれる人が現れたらな…」と、立ち上げから携わってきた木方課長の夢は広がります。

 

日本の食文化を、未来を担っていく子どもたちに伝えるためにも「お米の出前授業」はこれからも続けていきます。