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平和

【開催報告】第2回連続平和学習会  木村草太先生に聞く!憲法から読み解く日本の平和

2016年08月22日

2016-07-05renzokuheiwa(5).jpg生活協同組合パルシステム東京は2016年7月5日(火)、連続平和学習会の第2回として首都大学東京教授の木村草太氏を講師に「憲法から読み解く日本の平和」をパルシステム東京新宿本部にて開催しました。組合員・役職員208名が参加し、立憲主義や日本国憲法の成り立ち、集団的自衛権を憲法違反とする論拠や安保法制の法的課題などについて理解を深めました。

 

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「立憲主義・平和主義と日本国憲法」

講師:  木村 草太 氏(首都大学東京教授)

【プロフィール】

1980年生まれ。東京大学法学部卒業。同助手を経て、現在首都大学東京教授。専攻は憲法学。

法科大学院での講義をまとめた『憲法の急所』(羽鳥書店)は、「東大生協でも売れている本」と話題に。著書に『キヨミズ准教授の法学入門』(星海社新書)、『憲法の創造力』(NHK  出版新書)、『集団的自衛権はなぜ違憲なのか』(晶文社)など。

テレビ朝日系列「報道ステーション」のコメンテーターや沖縄タイムスでの連載等、マスメディアでの活躍も。趣味は将棋。

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開会の挨拶に立ったパルシステム東京 野々山理恵子 理事長は、「立憲主義・民主主義の危機を肌身に感じます。改めて一人ひとりが主権者として今後どうしていくべきかを考えていくことが求められています。自分たちの目指す社会を作るために行動していくきっかけとなる一日にしたい。」と学習会開催の抱負を述べました。

 

主権による武力行使の暴走を防ぐ―立憲主義と国際法 

今、改めて注目が集まる憲法と立憲主義。国家権力の三大失敗ともいうべき、「無謀な戦争」「人権侵害」「独裁」を防ぐために、日本国憲法をはじめ各国の憲法には「軍事力のコントロール」「基本的人権の保障」「権力分立」の3要素が組み込まれています。主権の濫用を防止する安全装置、それが憲法です。

一方、国際法の原則としても、国連憲章第2条4項は「武力不行使原則」を定め、「国家又は国家に準ずる組織に対する実力行使」を原則として禁止しています。ただし、武力不行使原則には下表の「例外」が認められており、これらはしばしば濫用され、十分な事後検証もされていない、と木村氏は指摘します。

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憲法第9条と第13条の狭間で―自衛隊を認めてきた憲法解釈

日本国憲法では第9条が戦力の不保持を定めているので、すべての武力行使が禁じられているとするのが一般的で自然な解釈です。その上で、歴代の政府は、憲法第13条が「国民の生命・自由・幸福追求の権利」を保障していることを根拠に、日本政府に課されている国内の安全を保護する義務を果たすために必要最低限の実力を持つことは、9条の「例外」として合憲であるとして解釈してきました。こうした解釈に基づき、自国の安全を確保し主権を維持するために必要最小限度の実力を備えた自衛隊の存在や個別的自衛権の行使について、合憲と説明してきました。

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この従来の政府解釈が今日の国民に広く受け入れられてきたのに対し、集団的自衛権の行使については明確な憲法違反である、と木村氏は考えます。

その理由を木村氏は次のように解説します。「9条によって武力行使が禁止されているものの、13条によって国内に限って『例外』として容認されてきた個別的自衛権の行使とは違い、他国防衛を『例外』として認めるための根拠となる条文は憲法には一切書かれていません。一部の合憲派の学者は書かれていないことを論拠に『禁止されていない』と主張しますが、それは立憲主義の立場を根底から崩しかねません。」

 

不当なイラク戦争の事後検証もなく進められた安保法制

続けて、2015年9月に成立した安全保障関連法については手続き上の欠陥(軍事権の不在)や、さまざまな法的課題を、明快な論理でわかりやすく解説した上で、木村氏は次のような問題点も指摘しました。「安保法制によって認められることになった弾薬提供や戦闘機への給油活動を、政府が『武力行使の一体化ではない』と見解したことによって、逆に日本が他国に攻撃された際の個別的自衛権の範囲を狭めました。また、2003年のイラク戦争が不当な国際法違反だったとされるにもかかわらず、事後検証の仕組みが不十分なままに安保法制が整備されてしまいました。」

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今、南スーダンの紛争をはじめ、自衛隊の海外での活動のあり方は、従来の専守防衛から大きな転換を迎えています。平和安全法制に基づく自衛隊の活動が、本当に私たちのくらしや未来、世界の平和を守ることにつながっていくのでしょうか。木村氏は、国会論議の終盤に盛り込まれた安保法制・附帯決議によって、集団的自衛権を行使するには例外なく国会承認が必要となっていることにも注目して、選挙や選挙後の国会に対して、一人ひとりが関心を持ち続けてほしい、と訴えました。

講演後の質疑で、参加者から言論統制によるメディア萎縮の有無などが質問されると、木村氏は「政権の圧力以前に報道番組の姿勢は視聴率、国民の関心に基づいていることを理解すべきです。たとえば沖縄問題を取り上げると視聴率が如実に下がる、いうこともあると聞きます。私たちはテレビを見る・見ないの選択においても重要な政治的決断をしています。」と回答しました。

 


 

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パルシステム東京 佐藤健二 常務理事は講演後、「全国生協ともども安保法制に対しては意見書を提出してきました。今後も学び続け、自分で考え、行動していくことが大事。」と総括し、2時間にわたる学習会は盛況の内に閉会しました。

第3回連続平和学習会は、非営利オルタナティブメディアOurPlanet-TVの代表理事、白石草(はじめ)氏を迎え、「生活者の視点からメディアについて考える」と題して9月3日(土)に開催します。...【応募はこちらから/8/26(金)締切】

 

パルシステム東京は、2014年に策定した平和政策にもとづき、講演やシンポジウム、食を介した交流や映画上映など、さまざまな形式で、平和な未来のために必要なことを学ぶ場を作り出しています。学んだことをもとに、一人ひとりが考え、自ら行動することが、私たちのめざす社会へ向けての第一歩と考えて、今後も平和学習会を継続していきます。

 

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▲より深く憲法を理解し、平和のためにできることを探ろうと217名もの応募があり、抽選の上、208名が参加しました。

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