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平和

フィリピン台風被災者支援カンパ使途報告~特定非営利活動法人 難民を助ける会(AAR Japan)

2014年07月17日

 

 

AAR Japan20140529-0.jpg2014年5月29日

生活協同組合パルシステム東京 様

 

特定非営利活動法人 難民を助ける会

事務局長 堀江 良彰

 

この度は当会のフィリピン台風被災者支援活動にご寄付を頂き、心から御礼申し上げます。頂戴しました2,254,000円のご寄付は以下のように活用させて頂きましたので、ご報告いたします。

 

報告書

 

1. 概要

2013年11月7日頃、太平洋で発生した巨大台風ハイエン(現地名ヨランダ)は、8日フィリピンに上陸し、レイテ島やサマール島からなる東ビサヤ地方を中心に、広範囲に甚大な被害をもたらした。フィリピン政府の発表によると、被災者の数は死者6,300人、行方不明者1,061人、避難者890,895人に達している。 今回の台風では、猛烈な雨風に加えて、前例のない高潮と洪水によって、その被害が拡大したと言われており、海岸線沿いの家々は壊滅的な被害を受けた。特に被害の大きかったタクロバン市では、全壊戸数12,270戸、半壊戸数は46,553戸に上った。

AAR Japan[難民を助ける会]は、被災から1週間後の2013年11月14日に緊急支援チームを現地に派遣した。チームは緊急の食料配付を行いながら、国連機関や行政から情報収集し、また各被災村落にて被災の実態とどのような支援が必要とされているかについての調査を実施した。この調査で集めた情報に基づき、家屋修繕支援と教育再開支援の2つに取り組むことにした。タクロバン市最北部の家屋関連支援が届いていない地域で家屋修繕資材を配付した他、今後も想定される大型台風対策として、災害に強い家の建設方法について、地元大工を対象に研修を実施した。また、台風によって浸水・損傷したタクロバン市の特別支援学校2校で校舎修繕や、学校資器材・教材・文房具の提供を行った。

 

2. 貴団体からの寄付金の使途

貴団体からの寄付金(2,254,000円)を以下の活動に使用した。

2.1 災害に強い家づくり研修

フィリピンでは、住民自身や十分な訓練を受けていない大工が家の建築や修繕を行うことが多く、家屋が先の台風のような災害に耐えられない脆弱な構造であることもしばしばである。当会はフィリピン政府の社会福祉・開発局(DSWD)と協力し、被災した家の再建の大部分を担う地元大工(約40名)を対象に、タクロバン市の最北部に位置する2つの村にて、災害に強い家づくり研修を実施した。

 

【研修内容】

目的:半日の座学と、資材を使った小型の家を実際に組み上げさせる半日の実技演習で、災害に強い家屋の作り方を学ぶ。

(午前)DSWDから派遣されたエンジニアによる講義(安全な土地の選び方、木材接合部の強化方法、家の補強の仕方など)

(午後)実際に幅4ftx奥行3ftx高さ4ft(約120㎝x3)の小屋を作る実技演習

 

今回の研修で建てたデモンストレーション用の小屋は、研修終了後に各村落の広場に設置し、災害に強い家屋の建て方の見本例として、地域住民が参考にできるようにした。また、大工を対象とした第1回目の研修の後、各村落にて研修参加者が実際に習得した技術を一般住民に見せるデモンストレーションを実施した。今後は現地にこの技術を定着させるため、参加した大工が無料で周辺住民へ技術を伝えていく予定である。

 

 

2.2 教育再開支援

タクロバン市内にある障がい児のための学校である東ビサヤ地方自閉症・発達障がいセンター(Eastern Visayas Center for Autism and Other Developmental Disabilities)、およびジーザスキッズ療育センター(J.E.S.U.S KIDS THERAPY CENTER FOUNDATION, INC.)を対象に教育再開支援を行った。両校とも自閉症や発達障がい、知的障がいのある子どものための学校である。

 

東ビサヤ地方自閉症・発達障がいセンターには、視聴覚教育のためのAV機器や机、教材、文房具を提供した。同校は、タクロバン市のなかでも高波による被害が甚大だったサンホセ(San Jose)地区に位置しており、校舎の1階部分の天井まで浸水し、教室の机や椅子、黒板やリハビリ器具、教科書や絵本などのほとんどが流失した。私立学校である同校は特殊教育においてタクロバン随一の設備を誇っていたが、台風による甚大な被害を受け、学校長が閉校を決定した。しかし、通常の学校には受け入れてもらえない子どもたちのために何とか教育を続けてほしいという保護者の強い希望を受けて、残った教師8名と一部の保護者がPTA組織を立ち上げ、隣接する小さなアパートの2部屋を借りて2014年2月より授業を再開した。当会は、こうした保護者や教師の自助努力を支えたいと考え、上述の資機材を提供した。その結果、障がい児のための特殊教育に必要な教材・機材が揃い、子どもたちが学ぶ環境を整えることができた。

 

一方、ジーザスキッズ療育センターでは、校舎の修繕工事を実施した。2013年11月8日、6メートルの波と強風・豪雨が同校を襲い、学校建物は大きな損害を受けた。教室内には大量の泥が溜まり、授業を再開できるような状態ではなかった。清掃を少しずつ行い、2014年2月17日より学校は再開されたが、設備が十分でなく、4つの教室の内、2つしか使用できないため、被災前には約60名いた在校生の多くが家庭で待機せざるを得ない状態が続いていた。これを受け、当会は子どもたちが安心安全に学べる環境を取り戻すべく、壁、ドア、天井、屋根、フェンスの修繕に取り組み、2014年4月17日に工事を完了した。修繕前、校長先生は、「障がいのある子どもたちにとって、環境が変わる、学校へ行けないなど日常生活の流れが変わることは大きなストレスとなる」と不安そうな表情を浮かべていたが、学校修繕により学ぶ環境が整えられたことで、子どもたちが1日も早く日常を取り戻すことにつながった。

 

以上


 

写真 

1.災害に強い家づくり研修 

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研修前半の座学で、当会の建築専門家の講義を真剣に聞く参加者たち(2014年4月30日、タクロバン市)

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研修後半の実技演習で、災害に強い家の建築方法について学ぶ参加者たち(2014年4月30日、タクロバン市)

 


2.東ビサヤ地方 自閉症・発達障がいセンター 

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当会が提供した教材・資材を手に取って喜ぶセンターの教師たち(2014年5月21日、タクロバン市)

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学校を再開した直後には25人だった児童数は、現在は被災前と同じ約50人にまで戻った。最後列左から3人目が東京事務局の柿澤福郎(2014年5月16日、タクロバン市)

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当会が提供した特別教育教材を使って学ぶ子どもたち(2014年5月21日、タクロバン市)

 

 

3.ジーザスキッズ療育センター 

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校舎が浸水し、ドア(右)と仕切り壁下部(左) などが破損した(2014年2月6日、タクロバン市)

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この日から再登校できたジャミー君。台風時、家族と一緒に泳いで逃げたそう。学校は修繕途中だが、勉強を再開できた(2014年3月11日、タクロバン市)

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校長先生(中央)とジャミー君のお母さん(左)は学校に登校できなかった4カ月の間にジャミー君の身体機能が低下したことが心配という。早く日常を取り戻せるよう学校でジャミー君の状況にあった指導をしていく。左は東京事務局の伊藤悠子(2014年3月11日、タクロバン市)

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修繕途中ではあるが、使えるようになった教室で楽しそうにアルファベットを学ぶ子どもたち (2014年3月11日、タクロバン市)

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ジーザスキッズ療育センターでは、少人数制で1人1人にあったきめ細かい指導を行う。修繕完了後の4月中旬からはさらに多くの子どもたちを受け入れる環境が整った(2014年3月11日、タクロバン市)

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