【明日への種まき】紛争や人権侵害で、故郷から逃れてきた難民の方たち。彼らを 知り・関わり・応援するフェスを紹介します。

5回目の「難民・移民フェス」が7月20日に開催された。会場の平成つつじ公園(練馬区)に集まった難民も移民も応援者も、フィナーレで輪になって踊るなど、いっしょになって楽しんだ(©難民・移民フェス実行委員会)
難民たちの状況は厳しいけど、せめて1日 「難民・移民フェス」で盛り上がろう!
「69人に1人が難民に」といわれるほど、世界には紛争や迫害で祖国を追われる人々が増え、都内にも多くの難民が生活しています。今年7月、難民・移民の背景を知り、応援するフェスが開催されました。実行委員会のひとり、金井真紀さんは、「ふさぎがちな彼らも、フェス終了後に『日本に来てこんなに笑顔になれた日はない』と話したほど、充実した時間になりました」と話します。

パルシステム東京は「難民・移民フェス実行委員会」に「2023年度市民活動助成基金」を助成し、支援した(©難民・移民フェス実行委員会)
金井さんが難民の方たちとつながりをもったきっかけは、著書『日本に住んでる世界のひと』(大和書房刊)の執筆でのコンゴ出身Aさんへの取材です。「民主化運動を理由に政府から弾圧されて来日。その後、両親は殺害され甥も行方不明になったAさんは、『帰っても命の保証はない』と話しています。彼のような日本に住む難民たちは、日本でも厳しい制約の中生活しています。そんな難民たちと、彼らの祖国の文化を紹介して応援するフェスをやろうとなったのです」

「フェスの実行委員は、大規模なフェスを年1~2回開催するほか、地域からのオファーに応じた出前フェスも取り組んでいます」と話す金井さん
金井さんは、「Aさん、日本語が急にうまくなったのよ」と笑顔で続けます。「地域で掃除などをしている人たちのお手伝いを始めたようなんです。地域の人に作業の説明をしてもらったりして日本語が上達。仲間としても認められたみたい…。彼も、収入にならなくても、お手伝いをすることで日本でのつながりを感じているようです」
日本に住む難民の多くは、なかなか在留資格をとれず、働くことも県外に移動することも許されないなど、人権を無視された状況です。「在留申請手続きなど専門的なサポートはできないけど、彼らを知り・伝え・応援することはできます」と結びました