【明日への種まき】くらしに困ったとき、本人の力だけで立ち直るのはむずかしい。彼らに寄り添い、支援する団体を紹介します

【明日への種まき】くらしに困ったとき、本人の力だけで立ち直るのはむずかしい。彼らに寄り添い、支援する団体を紹介します

一般社団法人「反貧困ネットワーク」は、生活に苦しんでいる人からSOSが届くと数時間後には面接し、その人に合わせた支援活動を開始する(写真は相談者と面接する瀬戸大作事務局長 団体ホームページより)

雇い止めにあい、アパートも追い出され、一気に生活困窮へ。そこには社会的な背景が…

 貧困問題の解決をめざし2007年に誕生し、活動を続ける反貧困ネットワークは、生活困窮者への駆け付け支援などを行っています。白樫晴子さんは、区役所職員として生活保護の相談係を経験後、同団体の生活相談員として働いています。

くらしに困っている人からのSOSを受け、面接、生活保護申請への同行や
一時的住宅を提供するなど、本人に寄り添い、生活の立て直しを支援しています。

 

反貧困ネットワークではシェルター(一時的住宅)を常設し、生活基盤ができるまで利用できるようにしている

民間ではなく公的支援を充実させる必要性を話した

白樫晴子さん(一般社団法人反貧困ネットワーク生活相談員)

 府中市で開催された学習会に講師として招かれた白樫さんは、「区役所の仕事で見えた貧困はほんの一部」と話しました。

そして、「仕事中に高血圧で倒れたあと退職したタクシー運転手の40代男性は、生きる気力を失って『死のうと思ったけど死ねなくて、仕方なくSOSした』と話していました。家族もなく、社会とのつながりを失って疎外感をもち、気力をなくしたのだと思います」など、実例を紹介。雇い止めされたり、病気になったり、親からの虐待で逃げたりするなどで、くらしに困っていく人々。彼らを対象にした貧困ビジネスや犯罪に巻き込もうとする組織の存在も話し、貧困をめぐる社会的構造を解説しました。

学習会「ピースカフェ 私たちの望む社会~支援の現場から~」

学習会「ピースカフェ 私たちの望む社会~支援の現場から~」

学習会は、司会者の「自己責任が当たり前になりつつありますが、そのような社会は多くの人にとって生きやすい社会でしょうか?」の問いかけから始まった (2025年9月20日開催 主催:ほっこり・ゆったり委員会)

 「日雇いで働き、ネットカフェで寝泊まりする不安定な生活から抜け出せず、身体を壊したりホームレスになってしまったりする人も少なくありません。それでも、貧困は自己責任なのでしょうか?」「誰もが生きやすい社会にするにはどうしたらよいのか。『人を大切にしている社会』を求めて、みなさんと考えていきたいです」と、白樫さんは結びました。

取材は2025年12月12日現在