【明日への種まき】11月開催のデフリンピック 金メダルと共生社会実現をめざすデフアスリートたちを応援しよう
生まれつき耳が聞こえない岩渕選手。「友だち100人つくりたい」と地元の小学校へ入学。中高とも普通校を卒業し、入学した視覚障がい者・聴覚障がい者のための「筑波技術大学」でサッカーを始める。以来、デフサッカー・フットサル女子日本の中心選手として活躍(うしろの画面は日本ろう者サッカー協会ホームページ)
取材のようす
「デフ(Deaf)」は「聞こえない」ということ 日本初の「デフリンピック」が見逃せない!
11月、聴覚障がい者たちが出場する「デフリンピック」が日本で初めて開催されます。その歴史はパラリンピックより古く、今年100周年を迎えます。前回大会4位のデフサッカー女子日本代表は、メダルが狙えるチームです。代表選手のひとり、岩渕亜依さんも「目標は金メダル」と意気込みます。
デフサッカー女子日本代表チームのみなさん(写真提供:日本ろう者サッカー協会) 「東京2025デフリンピック」サッカーの試合はJヴィレッジ(福島県)で開催される
サッカーは試合中のコミュニケーションが欠かせません。岩渕選手に「聞こえないとむずかしいのでは?」と聞くと、「連携などをミーティングで決め、試合中はアイコンタクトや手話、動作でコミュニケートします。聞こえないのは相手チームも同じです」「所属するフットサルチーム『タパジーダ世田谷』はみんな健聴者。なので、お互いのプレーを理解しようと練習メニューの合い間にコミュニケーションをとったり、サインプレーではハンドサインを決めたりしています。背後からの指示はむずかしいですけどね」と答えました。
フットサルチーム「タパジーダ世田谷」で練習する岩渕選手。「積極的にコミュニケーションをとる彼女の存在で、チームワークもよくなった」と監督も評価
「優勝後の夢は?」の質問には、「デフサッカーを多くの人に知ってもらいたい」との答えが。「デフサッカー選手のみならず、女子サッカー選手は進学とともに競技から離れる人も多く、デフ女子選手が続けられるのは東京や名古屋ぐらい。誰もがどこでもプレーを続けられる環境をつくりたいです」と続けました。
最後に「健聴者がお手伝いできることは?」と聞くと、「私たちは、災害時、何が起きているかがわかりにくいです。聴覚障がい者の存在に気づいたら、筆談などで情報を伝えてもらえると助かります」と答えました。障がいのあるなしにかかわらず、誰もが目標に向かってがんばれる社会にしたいです。
取材は2025年9月12日現在
こぶしを作り胸の前で腕を上下する「がんばれ~!」の手話を覚え、応援しよう
