【明日への種まき】介護の人手不足を補う存在だけでなく高齢者との向き合う姿勢も評価されるミャンマーから来た介護スタッフたち

【明日への種まき】介護の人手不足を補う存在だけでなく高齢者との向き合う姿勢も評価されるミャンマーから来た介護スタッフたち

「私にとって孫みたいな人」と利用者さんに大人気のトンさん

「私にとっては孫みたいな人」と利用者さんに大人気のトンさん

 パルシステム東京のデイサービス「陽だまり」では、ミャンマー出身のヌェー・ヌェー・トンさん(以下、トンさん)が働いています。利用者さんから「私には孫みたいな人」と親しまれ、「陽だまり」のアイドル的存在です。

 

ゲームを進行するトンさん。なめらかな日本語で利用者さんたちを盛り上げる

 母国の4年制大学を卒業後、日本で働くために1年間日本語を学び、来日しました。

「トンさんはもともと語学センスがいいから、今は言葉の壁を感じさせないほどの日本語能力です」と話すのは、川野明美施設長。そして、「利用者さんが強い口調で話すときにも、トンさんは物おじせず相手の目を見て、しっかり聞き、理解しようとします。

そんな真摯な姿勢を見て、利用者のみなさんは彼女に安心感をもっているようです」と、高齢者への向き合い方でも評価しています。

利用者の自宅玄関まで送り迎えする トンさん(左)と高橋さん(右)

 送迎の際、ペアを組むドライバー兼介護職員の高橋直哉さんも「トンさんは、ほかのスタッフの仕事ぶりをよく見て、気づいたことを自分の仕事に活かしています」と話し、「“介護は重労働”と思いがちな日本人は、介護の仕事を始めるときに覚悟のようなものが必要ですが、トンさんをはじめミャンマーの人たちは、介護に素直に取り組んでいます」と国民性の違いを話しました。

 「今、ミャンマーは政情が不安定だから、帰国は考えていません」と話すトンさんに、「夢は何?」と聞くと「日本で介護福祉士の資格をとることです」と、前向きな答えが。また「ミャンマーの知り合いに日本で働くことを勧めますか?」には、「勧めます。そして、パルシステム東京の『陽だまり』を勧めます」と答えてくれました。

「お年寄りと過ごす時間はすごく楽しい。だから介護の仕事が好き」と話すトンさん。八潮陽だまりで働くふたりのミャンマー人スタッフと、品川区内で共同生活中。「休みの日の楽しみは、お金を使わない方法であちこち出かけることです」とニッコリ

パルシステム東京は通所介護事業(デイサービス)のほか、居宅介護支援や訪問介護、グループホームにも取り組んでいる