【明日への種まき】私たちの日本国憲法は、自由や平和などの理想を明確に掲げるほかに類のない憲法です

【明日への種まき】私たちの日本国憲法は、自由や平和などの理想を明確に掲げるほかに類のない憲法です

「2020年、憲法前文と詩訳をまとめたリーフレット(手前の緑版)を作り、書店などに置いてもらいました。 たくさんの方に手に取ってもらい、『日本の憲法 最初の話』(奥の水色版)が生まれました」と話す、著者の 白井明大さん(取材はオンラインで)

「わたしの あなたの この国の一人ひとりのために この国があることを 憲法は宣言してくれている」

 憲法は身近な存在のはずだけれど、なかなか自分ごとになりにくいものです。

人権や平和をあいまいに理解しているからだけでなく、憲法の文体が難解なのもその理由かもしれません。
 2023年3月、詩人の白井明大(あけひろ)さんは単行本『日本の憲法 最初の話』を出版。

憲法や、憲法の条文を根拠にした法律・判決などの詩訳とわかりやすい解説をまとめた本です。

『日本の憲法 最初の話』詩訳・文/白井明大 (KADOKAWA刊)

ポルべニールブックストア(鎌倉市)でのトークイベントで話す白井さん(写真右)

 法学部を卒業した白井さんは、「全文を暗記していた」と話すほど憲法を大切に思う詩人です。

本を作った理由を聞くと、「憲法は人権や平和への高い理想を、臆することなく本気で掲げています。

そんな憲法の前文を、大好きな詩にしたらどんな言葉になるかなと思ったのがきっかけです」と話しました。 

 

本のなかで憲法や人権などにかかわる条約・法律がやわらかな言葉でつづられていますが、なかなかくらしとは結びつけにくいものです。

「たとえば表現の自由。私たちはデモなどで、沖縄の問題や男女平等を訴える権利があります。

しかし、なぜデモをするかをみんなが理解しているわけではないのが日本の現状ではないでしょうか。

 

一方、子どもの頃から、自由な意思表現は民主主義の柱と学ぶ国では、訴えている内容に反対の人も、デモそのものは大切だと思っています」と話し、憲法の精神が市民に根付くためには小さい頃からの憲法教育が必要と続けました。

 

  2023年7月には、憲法前文詩訳に阿部海太さんの絵を添えた『わたしは きめた 日本の憲法 最初の話』も出版されています。

 

絵本『わたしは きめた    日本の憲法 最初の話』詩訳/白井明大 
絵/阿部海太(ほるぷ出版刊)

取材は2025年4月18日現在