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平和

2015年度平和カンパ活動報告~日本国際ボランティアセンター(JVC)~

2016年06月24日

特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター(JVC)

活動の詳細(写真報告書)はこちら↓

JVC写真報告書.pdf

2015年度「平和カンパ」活動報告書

「南アフリカ共和国 エイズの影響を受ける人々

およびケアを必要とする子どもたちの支援強化事業」

生活協同組合パルシステム東京の皆さま、ご支援を賜りましてありがとうございます。


事業名

エイズの影響を受ける人びとおよびケアを必要とする子どもたちの支援強化事業

【背景】

現在南アフリカ(以下、南ア)では、人口約5500 万人のうち約619 万人がHIV に感染しています。これは一国の陽性者数としては世界最多です。

2004 年を皮切りに公立の医療施設においてエイズ治療薬(ARV)を受け取れるようになってから、HIVに感染しながらも生き、寿命を全うすることも可能となりつつあります。しかし、現実には、貧困ゆえに、自宅に食料がなく副作用の強いARV を服薬できない、あるいは交通費がなく、病院までたどり着けずに薬にアクセスできない人たちが多く存在します。

また、治療薬の普及で多くの命が救われる一方、HIV=死の病ではなくなったことで、国内また国際的な社会問題としてのHIVへの関心、危機感が薄れつつあるのも現状です。

HIV 感染の影響を最も受けるのは若者そして子どもたちです。

南ア国内だけでエイズで両親もしくは片親を亡くしたエイズ遺児は約250 万人いると言われています。多くの子どもたちは遠い親戚や知り合いの家に預けられ、時に差別の対象となり、貧しい生活を強いられるケースも多々報告されています。

また、2015 年度にはHIV 陽性者を抱える家庭に育つ子どもには大きな精神的負担があるという調査結果も発表されました。エイズ治療薬は一生涯同じ時間に副作用の強い薬を飲み続けなくてはいけないことから、体調が不安定になり、保護者が定職に就くことが難しいことから家計が不安定であること、看病や介護の負担などを子どもが担うこともあります。

同時に、若者はHIV感染の最も多大なリスクを抱えています。HIV 感染率が最も高い年齢層は20~35 歳年の若者や働き盛りの人びとです。

南アではHIV の感染ルートは性行為が主です。しかし、コンドームを使わないセックスを通してHIVに感染することを知らない若者の割合が以前に比べ増えたという調査報告もあり、私たちが活動する地域でも、ある中高一貫校で年間約20 名の女生徒が妊娠してしまいました。

同国のエイズ対策として治療に専念する一方で、以前に比べて予防啓発の頻度が低下していることが原因として挙げられています。また、貧困のために金銭と引き換えに年長者と性行為を行うことや、女性の地位が低いという社会的背景からレイプによる妊娠もあとを絶ちません。

このような中、医療機関・従事者が不足し、また正しい情報が届きにくくエイズへの差別や偏見が特に強い農村部においては、地域住民自身によるHIV陽性者・エイズ遺児への支援や、若者への予防啓発活動、また彼らの生活そのものを支えるための活動など、包括的なサポートが必要とされています。

【目的・概要】

以上の背景を受けて、JVCは、南アフリカリンポポ州の貧困地域において現地CBO ( Community BasedOrganization/母親たちが中心に活動する住民組織)と協働し、ケアボランティアたちの能力強化を通じて、地域で子どもやHIV陽性者に対するサポート体制が強化されることを目指して以下にご報告する活動を実施しています。

2012年9月から現在までに家庭菜園活動、訪問介護、子ども支援、予防啓発の事業を協働してきた現地パートナー団体・LMCCに加え、新たにフィアボム村でチルンザナニCBOとの協働を2014年4月に開始しました。

【報告】

① 家庭菜園研修

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LMCCとの活動地では、初年度以来育成してきた村の菜園ファシリテーター6名とともに他の住民への家庭菜園研修を実施しました。菜園ファシリテーターによる研修生(地域住民)は研修開始の2014年度以降尾、累計で82名になりました。

また、2015年度には、特に困難を抱える子どもの家庭において、家族全員参加による「ファミリー家庭菜園研修」を実施、6家族が参加しました。

また、チルンザナニ活動地域・フィアボム村では、HIV陽性者を含む地域住民を対象に、4回80名に菜園研修を提供しました。5月には、2014年度に続き、家庭菜園で実績を挙げている両活動地の地域住民9名とJVCのかつての活動地・東ケープ州の篤農家たちを訪問し、実践から様々なことを学ぶ機会を得ました。

◆成果、課題と今後

菜園ファシリテーターが研修を提供した住民の半数以上(78%)がその後1年間のモニタリング期間中継続して野菜作りをしていることが分かりました。ファシリテーターによっては隔週菜園の状況をモニタリングするなど、地域に根を張って指導を行えたことが成果につながりました。

ファミリー家庭菜園の研修に参加した子どもには、両親をHIVで亡くして以来祖母に預けられ、祖母の年金(約1万円/月)のみで生活している家庭もあり、6月の研修実施時点で2015年に入り一度も新鮮な野菜を食べていないということが分かりました。研修後数週間で野菜を収穫することができ、その後も菜園で育った野菜を食卓で楽しむことができています。

一方で2014年度に子どもケア・センターに設置した菜園はセンターのボランティアが多忙を極めたことで状態が安定せず、継続して収穫を得ることができませんでした。子どもたちの中で菜園活動への関心をどう育てていくかが、今後の課題です。

 

② 子どもケアボランティア/在宅介護ボランティアへの研修

<研修 ~ 子どもケアボランティア >

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2015 年度は活動を継続してきた3つの子どもケア・センターでの日々の活動、とくに年齢に合わせたアクティビティを提供できるようになることを目標に研修を提供しました。

新たに研修実施におけるパートナー団体となった「キープ・ザ・ドリーム196(以下KTD)」と共に、ボーイスカウトの手法を取り入れ、12 歳未満と以上に分けたプログラムの運営、6~8 名の小グループを作りお互いを助け合うシステムの導入、リーダーシップの育成などに力を入れました。

またソーシャルワーカーを含むKTD のチームが月一回各センターを訪れ、メンターとしてよりきめ細やかな指導に当たりました。

<HIV予防啓発活動の実践 ~在宅介護ボランティア>

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過去に実施したエイズ治療法研修などの成果を生かし、地域内で啓発活動を実施しました。クリニックと協働してキャンペーンを行ったことでHIV検査が可能となり、多くの住民が参加しました。

<青少年による青少年のためのHIV予防啓発>

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2015年11月には、24名の若者が「HIVピア(相互)学習 研修」に参加しました。若者から若者へHIV感染予防について伝えることを目的としたこの研修では、HIVの感染ルートや予防法だけではなく、自らがお手本になり「セックスにノー」ということや、同年代への伝え方についても議論されました。

◆成果、課題と今後

時期によって通ってくる子どもの数が不安定だった2つのセンターでは、年齢別の活動を初めて以来日々の参加者数が増加、安定してきました。

これまでも子どもが継続的に通ってきていたボドウェ村では、今までセンターに通うことに興味を示さなかった男の子や中学生の数が増え、青少年を対象にした啓発活動がより効果的に実施できるようになりました。

青少年の活動が活発になってきたことを受け、当初は予定していなかった「HIVピア(相互)学習 研修」を実施、24名の参加者のうち17名が試験に合格し、今後「ピア・エデュケーター」として地域内で活躍していく体制が整いました。

在宅介護ボランティアが実施した啓発活動には2回で約170名の住民が参加、そのうち60名がHIV検査を受けました。

今後は青少年との活動を本格化させ、彼らが自らオーナーシップをもって活動していけるよう支援していきます。

 

③ ケアが必要な子どもたちの経験交流

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2015年11月に、2つの子どもケア・センターの子どもたちが、初めてセンターに宿泊する形でのキャンプを実施しました。両村併せて約50名の子どもたちが参加しました。

今まで一緒に寝泊まりしたことのなかった子どもたちは、日中の地域での奉仕活動(貧困家庭や学校の清掃活動を実施)や夜のキャンプファイアなどを通して交流を深めました。

◆成果、課題と今後

キャンプ開催中には、地域内に張り巡らされたテントに関心を持った多くの保護者や住民が「何をしてるの?」と訪ねてくる場面も。子どもケア・センターのボランティアたちと子どもたちの日々の活動を、地域住民に知ってもらう良い機会となりました。

本年度の活動を受けて

2016年度は今までの活動を発展させ、とくに青少年による活動の支援に力を入れていきます。

HIV/エイズの影響を最も受けながらも、最も希望を持てる変革の主人公は若者、子どもたち自身です。子どもケア・センタ―の中で子どもたちが主役となって地域活動の拠点を作り、HIV予防啓発などを推進していけるよう、及び青少年のリーダーシップ育成に注力します。また青少年を支えるボランティアたちの能力強化も行います。

今後ともご支援よろしくお願いいたします。

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