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平和

2015年度平和カンパ活動報告~チェルノブイリ子ども基金~

2016年06月24日

チェルノブイリ子ども基金

2015年度「平和カンパ」活動報告書

「腫瘍病・血液病・その他の病気の子どもたちのための特別保養」

2015Chernobyl_houkoku0(S).jpgチェルノブイリ事故の影響による放射線汚染地区に住んでいる病気の子どもたちにとって、免疫力を高めることのできる保養はとても大切です。きれいな環境、安全で栄養のあるものを食べ、体を動かし、友だちと交流することは心身の健康回復に役立ちます。

実施場所:

子どもリハビリ・健康回復センター「ナデジダ(希望)」ベラルーシ ・ミンスク州 ビレイカ地区

期間:

2015年8月3日~8月26日

参加者:

子ども34人(8~17歳/ゴメリ市、レチツァ市、ブラーギン市、モーズィリ市、ジロービン市、及び周辺の村)、引率者2人。参加者の病気の内訳は下記の通り。

2015Chernobyl_houkoku_list(S).jpg昨年まではゴメリからバスで直接ナデジダに行きましたが、今回初めて列車でミンスクに、そこからナデジダまでバスで移動しました(子ども基金の資金難によるものです)。往路、ゴメリの団体の代表者もナデジダまで引率しました。駅では列車からバスまで子どもたちの荷物を運ぶのをナデジダの職員が手伝いました。

2015Chernobyl_houkoku1(S).jpg参加者のほとんどは、これまでに何度かナデジダに来たことがあり、初めて参加したのは7人でした(日本の里親から支援を受けている子どもも多く参加)。初めての子もすぐに友だちができ、ナデジダの生活に溶け込みました。

引率者、ナデジダのスタッフ、心理カウンセラーたちは、子どもたちの生活全般に気を配り、子どもたちは安心してのびのびと過ごすことができました。

大きい子たちは自ら小さい子たちの面倒をみました。8歳、9歳の小さな女の子たちに抱きつかれ、背の高い17歳の男の子は「僕にはもうこんな大きな子どもができちゃったよ」と笑っていました。消灯前、小さい子どもたちの部屋で絵本を読んであげている年長の女の子もいました。

医師による診察は、到着後、保養の中ほど、保養の最後の3回行われます。最初の健診でそれぞれの治療が決められ、途中でその効果を確認し、その先の治療を決めます。最後の健診結果は持ち帰り、親や地元の病院の医師に伝えられるようになっています。

2015Chernobyl_houkoku2.jpg午前中はそれぞれの治療、午後はクラブ活動(陶芸、絵画、手芸、木工細工、音楽など)に通ったり、保養所全体の催し物(コンサート、ゲーム、コンクール、スポーツ大会)などに参加します。子ども基金スタッフによる書道教室・くみひも教室も行われました。

3食の他に軽食(果物、ジュース、ヨーグルトなど)が3回あります。夜は映画観賞とディスコ(体育館で音楽を流し小さい子から大きい子まで一緒に踊ります)が交互に行われます。

保養中、ミンスク市の小児がんセンターへ定期検査に行く子が2人いました。グループの引率者が同行し、ナデジダの車で往復しました。病院では子どもの両親が前もって来ていて、診察の順番をとっていたおかげで、待ち時間は短くてすんだといいます。幸いなことに検査の結果は異常なしでした。

 

 

副所長・小児科医:イレーナ・N

毎年このプロジェクトに参加している子どもも多く、彼らの成長する姿を見られるのは個人的にもとてもうれしい。彼らは同時期に滞在していた他のグループの子たちと違い、みんな深刻な病気を抱えているにも関わらず、どのグループより結束しとても積極的にいろいろな催しに参加し、ほとんど1位か2位をとった。その前向きな姿勢は大変素晴らしい。

<以降は小児科医イレーナの説明。括弧内は保養中に受けた治療。>

● クリスチーナ:足のむくみがある。免疫力の低下はリンパ腺にも影響を及ぼしているのではないか。(ジャグジー、マッサージ治療)
● ダーシャ:大変体が弱く、この1年で3回も入院した。頭痛、低血圧。毎日血圧を測定。保養中に熱中症で頭痛が起きた。風邪気味で咳も出たが薬でよくなった。(マッサージ、岩塩治療)
● オクサーナ:ほぼ毎日頭痛を訴えた。鎮痛剤。(アロマテラピー、薬草茶、炭酸乾燥サウナ)
● カーチャ:ビタミン剤を服用。生まれつき皮膚の問題。
● ウラディーミル:頻繁に喉の痛み(岩塩治療、吸入治療)
● ナースチャ:咳が頻繁に出る。(吸引治療、マッサージ、アロマテラピー、ジャグジー)

引率者:アレーシャ・N

(ゴメリ市の小学校の英語教師)

自分はゴメリに住んでいるが、ナデジダに着いてすぐ環境のよさを実感した。普段は頭痛がひどく痛み止めが手放せないが、ここでは全くそれがなかった。娘はよく熱を出したり学校を休んだりするが、ここでは最後まで体調を崩すことはなかった。

ゴメリの環境がいかによくないのかわかってしまった。あそこで子どもを住まわせ続けてよいものなのかと真剣に考えた。

自分の双子の姉妹(※)は子どもの頃甲状腺がんを患った。当時はその病気が多かったが、今の子どもたちの病気は様々だ。チェルノブイリ事故から29年もたっているのに、一体この子たちの病気はどこから来たものなのかと恐ろしくなる。

ここは自然環境だけでなく、施設の設備と、職員の対応が素晴らしい。娘が学校から行った保養所は子ども用の催し物がほとんどなく、設備も対応もよくなくて、体調を崩して帰ってきたくらいだった。

自分の夫は放射能に全く無頓着。いくら説明しても理解しない。今の子どもたちは学校で少しは放射能のことを勉強するが、私たちの時は何も教わらなかった。身近に病気になった人でもいなければ、知らないでそのまま大人になる人も多い。夫は汚染地区の川で釣ってきた魚を自分や娘にも食べさせようとするので、それはとんでもない!と強く拒否している。彼になんとか危険性を理解させたい。今回参加した子どもたちの病気のことを話してみたいと思う。(※2012年4月に子ども基金が日本に招き、講演をしたオリガさんと双子です)

こどもたちの感想

2015Chernobyl_houkoku3(S).jpg

■ 毎年参加しているので第2の自分の家に戻ってきたみたい。友だちと会えてでうれしい。日本のみなさん、ありがとうございます。(ヴィーカ・14歳)
■ 手芸教室では飾り物を作り、書道教室で漢字を書いた。仲間と参加したバレーボール大会で優勝してうれしかった。将来は医師になりたい。(ナースチャ・14歳)
■ 保養に招待してくれた日本の皆さんに感謝します。僕はもうすぐ18歳になるのでもうこの保養には参加できません。可能なら来年自分で費用を払ってでも、子どもたちの世話係として参加したい。(ディーマ・17歳)
■ ジャグジー風呂は電気が点いたり音楽が流れたりして楽しかった。お医者さん、看護師さんはみんな優しい。絵を描くのも楽しかった。(ボグダン・8歳)
■ 英語の勉強なんて意味がないと思っていたけれど、僕たちの引率者が外国のお客さんと英語で話しているのを見て、僕もそうなりたいと思った。これからは英語をちゃんと勉強しようと思う。(ボーバ・15歳)
■ 初めて参加。毎日楽しくて(特にディスコ)家を恋しがる暇がなかった。来年もまた来たい。(マーシャ・9歳)
■ 僕は初めて舞台の上でみんなの前でシンセサイザーを演奏した。(ルスラン・8歳)

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