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平和

2014年度平和カンパ活動報告~特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター~

2015年06月29日

特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター

2014年度「平和カンパ」活動報告書

「南アフリカ共和国 エイズの影響を受ける人びとおよびケアを必要とする子どもたちの支援強化事業」

2015年4月17日

生活協同組合パルシステム東京の皆さま、ご支援を賜りましてありがとうございます。

 

活動の詳細(写真報告書)はこちらから↓↓

 !写真報告書_JVC2014 [互換モード].pdf

【事業名】

エイズの影響を受ける人びとおよびケアを必要とする子どもたちの支援強化事業

【背景】

南アフリカ共和国(以下、南アフリカ)では、総人口約5,300万人の約11%にあたる610万人がHIVに感染していると報告されています。この数は一国内の陽性者数としては世界でもっとも多く、世界の陽性者の6人に一人が南アフリカに暮らしている計算になります。

近年、エイズ治療薬の普及、母親から生まれてくる子どもへの感染予防が可能になるなど、HIVの新規感染者の数は年々減少していますが、HIVが南アフリカの人びとの暮らしに与える影響は未だ多大です。

HIVに感染しエイズを発症すると、一家の働き手が病気になることでさらに収入がなくなり、残された家族は生活の負担と介護の負担を背負うことになります。とくに、女性や子どもなど社会のなかでもっとも影響を受けやすい人々をさらに困難な状況に追い込みます。

また、南アフリカには片親もしくは両親をエイズで亡くしたエイズ遺児は約250万人いると推定され、この数字は年々増え続けています。彼らは、差別や偏見にさらされ、また世話をしてくれる人を頼らざるを得ず精神的、肉体的虐待の犠牲となる場合もあります。

2004年にエイズ治療薬(ARV)の公的医療機関における無料支給が開始しましたが、実際には、自宅に食べ物がなく副作用の強いARVを飲めない人、交通費がなくて病院たどりつけない、レイプによる妊娠を隠して病院に行けず母子感染予防ができないなどの実態があります。

こうした人びとを日常的な暮らしにおいて包括的にサポートすることが地域における子どもの支援強化につながります。この意味でJVCが協働している、地域の人びとが主体となってHIV/エイズの課題に取り組むCBOの存在が非常に重要です。

【目的・概要】

南アフリカリンポポ州ベンベ郡の農村部において、HIVとその社会的影響を受けて暮らす人びとへの地域におけるケアサポート体制の強化を目指します。

そのために、同地域内でエイズ遺児や困難な状況にある子どもやその家族、子どもたちのケアを行っている子どもケアセンターとそこで活動する「子どもケアボランティア」、HIV陽性者を在宅医療で支える「在宅介護ボランティア」を主な対象として、ケアのための研修や生活・栄養を支えるための家庭菜園研修を実施します。

活動対象者:JVCの現地協働NGO・LMCCの子どもケアボランティア約20名、3村にある子どもケアセンターに通う親がいないあるいは特別なケアの必要な子ども約300名、2014年度から新しくパートナー団体となった現地NGO・チルンザナニの在宅介護ボランティア(19名+スタッフ3名)およびその活動対象地域の住民(HIV陽性者自助グループを含む)。

【報告】

① 家庭菜園研修

LMCCとの活動地では、初年度以来育成してきた村の「ファシリテーター」とともに他の住民への家庭菜園研修を計画、実施しました。またこれまで研修を実施していなかった子どもケアセンターの2村(ンジャカンジャカ村とシャンガナニ村)のボランティアたちへの研修を実施しました。

チルンザナニとの活動地では、在宅介護ボランティアと、HIV陽性者を含む地域住民約60名を対象に研修を実施しました。その後は、研修で学んだことが定着するようJVCのトレーナーとファシリテーターが研修参加者の実践状況をモニタリングしています(通年)。

7月にはJVCの元活動地である東ケープ州の篤農家と当時のトレーナー(有機農業専門家)たちがLMCCとチルンザナニの活動地を訪問、ファシリテーターや研修生たちにアドバイスをしていました。また11月には、実践状況のいい7名が東ケープ州を訪問し、篤農家たちの実践から様々なことを学ぶ機会を得ました。JVC2_2014.jpg

◆成果、課題と今後

LMCC活動地では6名のファシリテーターによる研修の結果、約50名の住民が新たに家庭菜園を開始しました。中にはファシリテーターをしのぐほどいい状態で実践してきている人も出てきました。

子どもケアセンターについては、ンジャカンジャカ村については、菜園がいい形で管理され、イベント時の食事に利用され、また年中何かが採れる状態になっています。シャンガナニ村については、一時は子どもたちが野菜を自宅に持ち帰るまでになりましたが、その後世話がされなくなるなど状況はまだ安定しておらず、今後のフォローアップが必要とされています。

チルンザナニの活動地では約60名が研修を受けました。人によって実践状況にばらつきがあることが課題ですが、特に、水が不足する地域にもかかわらず、HIV陽性者自助グループのメンバーが熱心に取り組んでおり、今後継続的に彼・彼女らの服薬や栄養面でサポートにつながることが期待されます。

東ケープ州の経験交流の後には、学んだ内容が畑で実践する例が複数見られていて、経験交流はファシリテーターや研修生にとってとてもいい刺激と学びの場になっていることが確認されています。

② 子どもケアセンター活動強化

<研修>

子どもケアボランティア約20名(研修によって参加人数が上下)がカウンセリング・フォローアップ研修、救急法研修、児童虐待、コミュニケーションに関する研修を実施しました。児童虐待に関する研修は、ボランティアたちが児童宅を家庭訪問するなかで見られた課題として希望があり実施しました。虐待の種類や子どもの反応、発見方法など具体的かつ実践的な内容で行われました。

<予防啓発>

3村の子どもケアボランティアがアイディアを出し、合同で企画し、予防啓発キャンペーンを実施しました。内容は、HIV検査、子どものHIV/エイズ、結核などです。

このキャンペーンはボランティアたちの呼びかけに応じた地域のクリニックと協力して行われ、看護師がHIV検査キットをもって具体的な検査につなげられるような体制で行われました。また、1村では、ボランティアが学校に呼ばれて生徒たちへの予防啓発が行われました。

<日常的な活動の改善>

昨年度に引き続き、子どもの学校が休みの4、7月に子どもの世帯調査を実施、子どもケアセンターに通う74名の子どもたちの家庭を訪問しました。

また、日常的に活動のモニタリングを行い、課題を発見したときにはその都度ボランティアたちと話し合いの場を設け、その解決・改善を行ってきました。

また月例で子どもの状況をまとめる統計ミーティングの企画をイベント準備や振り返り、課題が見られた際のフォローアップの場として活用されています。

◆成果、課題と今後

研修で学んだ知識は日々の活動でも活かされ、また特に1村(ボドウェ村)ではボランティアたちが本の読み聞かせを始めるなど、自分たちで積極的にケアセンターの活動内容を改善し始めています。このことが子どもたちからの信頼にもつながり、学校に来ていない子どもについてセンターに通う子どもから相談がありました。家庭訪問をしたところHIVに感染しているものの適切にケアされておらず病気がちだったことが発見され、その後の適切なケアやサポートにつなげることができるなど、具体的に子どもたちをサポートできるようになったケースがでてきています。

予防啓発活動についてはクリニックと協力して行ったことで、実際に各村で20~30名の検査につながりました。検査を受けることが予防行動の第一歩であり、非常に大きな成果でした。

ボドウェ村については、ボランティアたちが、子どもが学校で出されたエイズに関する宿題を手伝ったところ、その内容が非常によかったということで、学校より依頼されて生徒への予防啓発が行われました。ボドウェ村ではこのように村の中で、ボランティアたちの活動とがんばりが認知されてきています。

課題としては、ンジャカンジャカ村、シャンガナニ村とボドウェ村の活動の質に差が出てきているところですが、今後JVCとしてはそれぞれの村の状況に合わせてフォローアップを行う機会を増やしていく予定です。

<ケアの必要な子どもたちの経験交流>

10月、11月に3村の子どもたちが交流する機会を設け、それぞれ約150名、約180名の子どもたちが参加をしました。

◆成果、課題と今後

10月の交流は1村を訪問する形で行われましたが12月はキャンプ場を借りて行いました。特に10月の交流の場では、子どもたちが披露したお芝居や踊りの質もよくなっていて、経験交流を通して子どもたちが自信をつけている様子がみられました。一方、12月のほうは、自分たちの村を離れての場であったために、準備が追いつかない部分もありました。今後の交流は、できるかぎり村間を訪問し合う形で行っていくことを検討しています

③在宅介護ボランティアによる活動の強化

2014年度より新しいパートナー団体チルンザナニと活動を開始しました。

4月にはボランティアたちの日常的な家庭訪問に同行し、地域の状況やボランティアたちの活動状況の把握につとめました。7月に家庭菜園ケ州を開始し、関係を築いてきたことを受けて、9月には具体的な協働の活動内容を検討し、ケアに関する研修を開始しました。2014年度には、9月に救急法研修、3月にエイズ治療に関する研修と救急法のフォローアップ研修を実施しました。研修は22名のボランティアを対象に行われていますが、今後の協力体制を考え、同じ地域からHIV陽性者や障害者や高齢者のケアをする団体のメンバーも参加してもらう形で開催しました。

◆成果、課題と今後

家庭訪問からはチルンザナニが地域住民との関係がよく、すでにクリニックや学校と協力しながら行っていることがわかりました。このため、今後の地域への波及効果が期待されます。①で触れた家庭菜園研修についても、地域住民や患者、他団体等の巻き込みが最初の段階から見られました。

もともと自分たちの活動について客観的に課題などを分析できており、在宅介護ボランティアの役割を認識しているボランティアが多いことから、研修では学びが早い様子が観察されました。

本年度の活動を受けて

2014年度は、それまでの研修や活動の成果を定着させるべく、研修を行う一方で、日常的な活動や実践のフォローアップに力を入れてきましたが、その成果が見え始めた一年でした。

チルンザナニについては、活動を始めたばかりですが、地域のステイクホルダーとの関係が良好であることから早い段階で成果が得られることが期待されます。

2015年度は、活動を通じて学んだことのさらなる定着と自分たちによる活動の改善、その方法も定着すべく、引き続きモニタリングとフォローアップに力を入れていきます。

今後ともご支援よろしくお願いいたします。

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