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平和

2013年度平和カンパ活動報告~シャプラニール=市民による海外協力の会~

2014年06月20日

特定非営利活動法人
シャプラニール=市民による海外協力の会

2013年度パルシステム東京平和カンパ

プロジェクト報告書

 

特定非営利活動法人

シャプラニール=市民による海外協力の会

 

1.事業名

家事使用人として働く少女支援活動(バングラデシュ 首都ダッカ)

 

2.事業の目的

家事使用人として働く少女たちが自信を持ち、働く場を含む生活環境が改善されること。また、少女の保護者を含む地域住民が「子どもの権利」について理解を深め、児童労働に関する意識を高めることで、将来的に家事使用人として働く子どもの数が減ることを目的とする。

 

3.活動と成果

次の4つを主な活動と目標として定め、事業を実施してきた。事業期間中にそれぞれ以下の様な成果が得られた。

①     ヘルプセンターを通じた少女への支援

【活動】

家事使用人として働く少女が集まれる場としてダッカ市内4ヵ所にヘルプセンターを設置し、毎日1時間半~2時間程度運営をする。基礎的な文字の読み書き、調理や刺繍、縫製などの技術研修、レクリエーションやカウンセリングの機会を提供する。

目標:少女たちが自信をもてるようになる

【成果】

ヘルプセンターの運営を通じて少女たちの識字能力や家事技能が向上し、一年間で合計15名の少女が公立学校に編入することができた。また、フルキの卒業試験を受けた70人の少女のうち、65人がカリキュラムを終えることができた(フルキのカリキュラムを終えることによって、小学校低学年に編入出来る程度の識字能力を得られる)。また、17人の少女たちにおいて家事使用人としての給料が増加し、月額4,000タカもの給料を得る少女がでてきている(通常数百タカ~1,000タカ程度。1タカ≒1.3円)。

 

②     雇用主の意識啓発、少女たちの働く環境向上のための研修

【活動】

家事使用人のいる世帯への個別訪問を通じて雇用主との関係作りを進め、子どもたちが虐待をうけない状況を作り出すための啓発活動を展開する。雇用主に対して子どもの権利に関する研修・ワークショップを行うほか、少女たちを対象に保健衛生、性教育の機会を提供する

目標:少女たちが働く場の生活環境が向上する

【成果】

現在少女たちをヘルプセンターに送り出してくれている雇用主へインタビューを行った結果、6割以上が少女たちの素行に対して肯定的なコメントを残した。また、サンプルとして選び出した10名の少女たちに、センターへ通い始めた頃と現在で雇用主の態度がどう変わったかインタビューを行ったところ、全ての少女たちが体罰や叱責が減少し、愛情を感じることが増えたと回答した。例えば、病気になった時にきちんと看病してくれた(タマナ)、おやつを与えてくれるようになった(ティティ)といったケースのほか、雇用主が彼女らを学校に入学させ、かつその学費も支払ってくれるようになった(ソニア、マスマ)、という変化が見られるようになっている。

 

③     スラム地区における保護者への啓発、入学支援

【活動】

子どもの権利をテーマにした研修・ワークショップを、保護者を対象に行う。また近隣の学校の状況調査を進め、センターに来ている少女たちの年齢、学力に応じて入学を勧めていく。

目標:スラムに住む働く大人たちが自分の子ども(少女)を働きに出さなくなる

【成果】

一年間の事業期間中、スラムに住む大人たちのうち110人に働きかけた結果、このうちの40名が自身の子どもたちを学校に通わせるようになった。かつてはスラムにおけるほぼすべての家庭が少女を家事使用人として働きに出していたが、その状況が変わってきていることが確認された。

 

④     住民グループの育成と寄付の呼びかけ

【活動】

センターの周辺地域住民の有志によって結成されつつある住民グループに対し、家事使用人として働く少女の課題に関する理解・認識を深めるための集会や研修を行う。

目標:地域住民が子どもの権利に対する意識を高め、自らの果たしうる役割や責任を認識するようになる。

【成果】

センターが設置されている4つの地域において、周辺住民を対象とした集会や研修の実施を続けた結果、周辺住民有志からなる住民グループがそれぞれ一つずつ結成されるに至った。グループメンバーの中には、運営の方法について積極的にアイデアを出す、バングラデシュ地方行政が提供する助成プログラムの申請に協力を申し出る者が現れるなど、着実に意識が高まってきている。

 

4.今後の課題

ヘルプセンターの運営は順調に進んでおり、少女たちが着実に自信を深め、その能力を開花させている様子が確認できている。また、少女をフルタイムで働かせている雇用主の態度、理解も明らかに変わって来ていると同時に、パートタイムで働く少女とスラムで一緒に暮らしている両親たちの中にも、少女たちを働かせるのではなく、学校に通わせる世帯が増えてきている。

しかし、永久にヘルプセンターの運営を継続していくことは難しく、また持続可能性の観点から考えると、今後はヘルプセンターが果たしてきた役割を、雇い主や両親、地域住民などが分担して果たしていくことが望ましいと言える。

雇い主や両親が少女たちを学校に通わせ始めた事例を見ると、彼らに対してヘルプセンターの役割の一部を移譲することができたと考えることができ、今後もこの動きを加速させて行く必要がある。

他方、現在のところ住民グループの育成と寄付の呼びかけはまだ軌道に乗り始めたところである。今後住民グループが子どもの権利に対する自らの役割や責任をより一層認識できるかどうか、そしてそこから協力を引き出して行けるかどうかが大きな課題である。

シャプラニール1 シャプラニール2
(写真左)支援センターの活動風景(音楽)          (写真右)洗濯する家事使用人として働く少女

※2012年度撮影

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