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平和

2013年度平和カンパ活動報告~日本国際ボランティアセンター~

2014年06月20日

日本国際ボランティアセンター(JVC)


特定非営利活動法人 日本国際ボランティアセンター

2013年度「平和カンパ」活動報告書

 

「南アフリカ共和国 エイズの影響を受ける人びとおよびケアを必要とする子どもたちの支援強化事業」

2014年4月11日

 

生活協同組合パルシステム東京の皆様、ご協力ありがとうございます。

事業背景について

南アフリカ共和国(以下、南アフリカ)では、総人口約5,050万人の約11%にあたる560万人がHIVに感染していると報告されています。この数は一国内の陽性者数としては世界でもっとも多く、世界の陽性者の6人に一人が南アフリカに暮らしている計算になります。近年、エイズ治療薬の普及、母親から生まれてくる子どもへの感染予防が可能になるなど、HIVの新規感染者の数は年々減少していますが、HIVが南アフリカの人びとの暮らしに与える影響は未だ多大です。

HIVに感染しエイズを発症すると、一家の働き手が病気になることでさらに収入がなくなり、残された家族は生活の負担と介護の負担を背負うことになります。とくに、女性や子どもなど社会のなかでもっとも影響を受けやすい人々をさらに困難な状況に追い込みます。また、南アフリカには片親もしくは両親をエイズで亡くしたエイズ遺児は約200万人いると推定されています。この数字は年々増え続けています。彼らは、差別や偏見にさらされ、また世話をしてくれる人を頼らざるを得ず精神的、肉体的虐待の犠牲となる場合もあります。

 

エイズの影響を受ける人びとおよびケアを必要とする子どもたちの支援強化事業

事業内容について

1.事業内容

南アフリカリンポポ州ベンベ郡の農村部において、HIVとその社会的影響を受けクラス人びとの生活改善の活動を実施します。同地域内でエイズ遺児や困難な状況にある子どもたちのケアを行っている子どもケアセンターとそこで活動する「子どもケアボランティア」、HIV陽性者を在宅医療で支える「訪問介護ボランティア」への支援を軸に、HIVの影響を受ける人びとへのケア向上を目指します。

 

2.活動の詳細

本事業を通じ、今年度は主に以下の4つの活動を実施しました。

① 子どもケアセンターでの菜園活動

JVC2013-1.jpg7月、活動地の一つであるヒャンガナニ村にある子どもケアセンターに小さな菜園を設置しました。地域の住民に有機農法を使った菜園研修を実施した際に、研修の実践の一環として住民によってつくられた子どもたちのための菜園です。研修の最後の日には、子どもたちと一緒に果樹を植え、自然環境保全の大切を一緒に学びました。収穫期には、ほうれん草、ビーツ、ネギなどの作物が育ち、子どもたちだけで暮らす家庭などに野菜が寄付されました。

◆成果と今後

収穫された作物が多くなかったものの、困難な家庭にある子どもたちに野菜を寄付することができました。乾季に入り、水が思うように確保できなかったこともあり一時期枯れてしまった菜園ですが、子どもたちやボランティアの手で新たな作物を植え、次の収穫に備えています。

② エイズ治療と救急方法の研修

JVC2013-2.jpg8月にファーストエイド(救急方法)研修を実施しました。3日間の研修では、やけど、切り傷、虫刺され(ハチなど)の対処方法など、日々の生活で役立つ救急法を実践を交えて学びました。やけどの時には歯みがき粉を塗るといい、子どもがのどにものを詰まらせたら逆さにして振るのがいいなど、長年信じられてきた怪我などへの対処方法には、危険なものがあることも分かり、正しい知識を得ることができました。

また、昨年実施したエイズ治療研修の第二弾を実施。南アフリカで一番の死亡原因とされ、HIV/エイズの合併症でもある結核の対応などについてさらに詳しく学びました。

◆成果と今後

ボランティアたちがファーストエイド研修を受けたことはたちまち村で話題に。センターで遊んでいた際にガラスで手を切ってしまった子どもの傷を洗い絆創膏を貼って家に帰したところ、それが村長に伝わり、ボランティアたちが改めて呼び出されお礼を言われました。学校の運動会で子どもが日射病で倒れた際にも呼ばれて処置をしたりと、早速そのスキルは地域の役に立っています。

また、訪問介護ボランティアがエイズ治療についてきちんとした知識を得たことを知り、住民から相談受ける回数が増えました。中には、HIV陽性者であることを隠している人が、信頼し相談をしてくるケースもあり、頼れる存在として活躍の場が広がりました。

③ 子どもたちへのケアに関する(カウンセリング)研修

 JVC2013-3.jpg昨年度実施した子どもケアセンターのボランティアを対象とした「子どもケアに関する研修」のフォローアップ研修を5日間実施しました。昨年の研修では、ボランティアたちの地域内での役割を考えるなど、ボランティア自身に焦点を当てていましたが、今回の研修では子どもの権利について、子どもたちを守るために活用できる政府の仕組み、地域の人びとをどのように巻き込んで活動できるかなど、実践的課題について学びました。

研修後には、同じリンポポ州内で同様の活動をする子どもケアセンターを訪ね、経験交流を図りました。

◆成果と今後

昨年度、今年度の研修を終えたボランティア17名が研修修了証を受け取りました。初めて受け取った証書を胸に、改めて誇りをもって日々の活動に取り組んでいます。また、地域のステークホルダーを取りこむことに成功した例が数多く上げられました。一つのセンターでは、敷地が狭いので遊び場を提供してほしいと村長に申し入れたところ、隣の空き地を子どもたちのために提供してくれました。

④ ケアの必要な子どもたちの経験交流

JVC2013-4.jpg3村にある子どもケアセンターに通う子どもたちが6月、7月、11月に経験交流を行いました。6、7月は村を訪問し合い、お互いの普段の活動やセンターの様子を知り、学びあう機会を作りました。11月はキャンプ場で開催しました。交流時には普段センターでボランティアたちから教えてもらっているダンスやお芝居、歌、詩などを披露し合い、ボランティアからは普段の生活で気をつけることなど啓発的な話もされました。

◆成果と今後

昨年度行った交流では一村の子どもたちが中心にドラマやダンスなど日々の成果を積極的に発表していましたが、今年度は他村の子どもたちも積極的にかかわるなど子どもたちの変化が見られるようになりました。今後は子どもたちの励みと学びの場となるこのような交流の機会を増やしていく予定です。

⑤ 子どもの世帯調査

子どもケアセンターに通う子どもたちの世帯調査を行いました。センターにはエイズ遺児やその他困難に直面する子どもたちが放課後を過ごしにやってきます。この調査は、子どもたちの家庭での生活状況をよりよく知ること、そして保護者との関係をつくっていきたいと、ボランティアたちの発案ではじめられました。子どもたちが日中家にいる冬・夏休みを使って、JVCスタッフ、センターのボランティアがチームとなって家庭訪問を実施しました。

両親をHIVで亡くし祖母と暮らしているため、宿題を見てくれる人が家にいない子どもたちがいること、とくに10代半ばの女の子たちにとって夢中になれる遊びがあまりないなど、今後センターでの活動を改善していく上で参考となる発見がありました。保護者からは、センターが安全に遊べる場所を提供してくれている。センターに通うようになって、積極的に学校の話しなどをするようになった、などの声が聴かれました。

◆成果と今後

調査を通して、今まであまりセンターでの活動に関心を持ってもらうことができなかった保護者と直接話す機会を得、今後の関係作りの足掛かりとなりました。今後は、子どもたちや保護者からの意見を取り入れて、センターでの活動を改善していきます。とくに年齢が上の子どもたちが打ち込める活動や、彼らを対象にした啓発活動などを実施していくことが課題です。

 

本年度の活動を受けて

今年度は多くの研修を実施し、スキルアップを図りました。来年度は、研修の成果を具体的な活動に反映させていく年。センターで実施されているアクティビティをより子どもたちの関心を引ける、魅力あるものにしていくと同時に、啓発活動などを定期的に取り入れていきます。昨年時間の制約上実施することのできなかった、センターでのプログラムを改善するための研修もおこなっていきます。また、保護者や地域の人びとにより積極的にセンターの活動に関わってもらえるよう、オープンデーを設けるなど、地域と一体となって子どもたちのケアに取り組んでいきます。

家庭菜園活動では、ケアセンターの菜園を中心に、センターに通う子どもたちとその保護者、地域住民に活動を広げていきます。活動が広がりを見せてきたことを受け、JVCが以前に活動していた東ケープ州で活発に菜園活動をおこなう人びととの交流を来年度に実施予定(2013年度末に計画していたものを2014年度の上半期に延期)。お互いの経験を共有する機会も設け、活動が根付いていくことを目指します。

 

今後ともご支援よろしくお願いいたします。

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