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平和

2012年度平和カンパ活動報告~日本国際ボランティアセンター~

2013年06月05日

生活協同組合パルシステム東京の皆様ご協力ありがとうございます。

日本国際ボランティアセンター(JVC)


エイズの影響を受ける人びとおよびケアを必要とする子どもたちの支援強化事業


事業背景について

南アフリカ共和国(以下、南アフリカ)では、総人口約5,050万人の約11%にあたる560万人がHIVに感染していると報告されています。この数は一国内の陽性者数としては世界でもっとも多く、世界の陽性者の6人に一人が南アフリカに暮らしている計算になります。近年、エイズ治療薬の普及、母親から生まれてくる子どもへの感染予防が可能になるなど、HIVの新規感染者の数は年々減少していますが、HIVが南アフリカの人びとの暮らしに与える影響は未だ多大です。

HIVに感染しエイズを発症すると、一家の働き手が病気になることでさらに収入がなくなり、残された家族は生活の負担と介護の負担を背負うことになります。とくに、女性や子どもなど社会のなかでもっとも影響を受けやすい人々をさらに困難な状況に追い込みます。また、南アフリカには片親もしくは両親をエイズで亡くしたエイズ遺児は約200万人いると推定されています。この数字は年々増え続けています。彼らは、差別や偏見にさらされ、また世話をしてくれる人を頼らざるを得ず精神的、肉体的虐待の犠牲となる場合もあります。

事業内容について

1.事業内容

HIVが南アフリカ社会全体、そしてとくに子どもたちに与える影響を受け、南アフリカリンポポ州ベンベ郡の農村部において、現地NGOなど地域住民による予防啓発活動、HIV陽性者やエイズ遺児への支援を実施します。同地域において、地域内でエイズ遺児や困難な状況にある子どもたちのケアを行っている「子どもケアボランティア」、HIV陽性者を在宅医療で支える「訪問介護ボランティア」への支援を軸に、HIVの影響を受ける人びとへのケア向上を目指します。

2.活動の詳細

本事業を通じ、今年度は主に以下の4つの活動を実施しました。

  1. 家庭菜園研修の実施

    HIV陽性者およびその家族が健康な食事を継続して得られるよう、本事業の一環として家庭菜園の普及を目指しています。7~10 月にかけて事前の調査を実施。今後の研修を組み立てる上で必要な情報を収集しました。この調査の結果を受け、11月に、研修の対象となる現地パートナー団体のボランティア約90 人を対象に、一回目となる家庭菜園研修を実施しました。

    「わたしたちが食べているものはどこから来ている?」かを、普段の食卓から考えるワークショップを通じて、食品の安全性や、健康に与える影響などを話し合いました。また、自分たちの身の回りにある資源を活用して、野菜やくだものなどを育てることができることを伝えると、「店で買うよりも、自分たちの手で食べものを作ってみたい」「そのほうが健康のためにもなる」などの声が聴かれました。

    研修の最後には、今後家庭菜園をはじめるにあたっての目標を参加者それぞれは掲げました。

    ◆成果と今後

    自ら食べものを生産することができれば、より健康な暮らしができ、家計も助かることが参加者の間で理解されました。今後は各村で、実際に各家庭で菜園をはじめる研修を行います。また、すでに家庭菜園を実践をしている人たちが活動地にいることも分かり、彼らの経験も活かし、今後は地元で菜園活動の普及を担う人材を育てていく予定です。

  2. 子どもたちの交流を図る「子どもの日」を開催

    活動地のパートナー団体は、放課後に子どもたちに安全な遊び・学びの場を提供するケアセンターを3ヵ村運営しています。このセンターに通う子どもたちの中には、親が出稼ぎに行っているため中学生にも満たない子どもだけで生活する子たちや、エイズで両親を亡くした子どもたちなど困難な状況にある子どもたち、約130名が通っています。

    そんな子どもたちが交流を深める機会として、学年末の12月に「子どもの日」を開催しました。1年をかけて各センターで、劇、ダンスなどを準備、この日を楽しみにしていました。当日発表された劇には、学校に行けない子どもの姿が描かれるなど、子どもたちの生活や悩みの一部が垣間見られました。

    ◆成果と今後

    子どもたちが1年間この日のために準備に打ち込んできました。一生懸命に取り組むことを見つけることで、新しい友達を作り、周りには仲間がいることを実感できたり、自信をつけることができたようです。この後も、年に一度はこのような日を設けていきたいと考えています。

  3. エイズ治療と予防に関する研修

    8~9 月にかけて、ボランティアたちの活動に同行しながら、研修内容を検討するための簡単な調査を実施、その結果ほとんどのボランティアたちがエイズ治療の基礎的なこと(抗体や薬の副作用のことなど)を知らないことがわかりました。

    9 月17~28 日の二週間、58 人の訪問介護ボランティア、子どもケアボランティアを対象にエイズ治療に関する基礎研修を実施し、人体構造からどうやってウィルスに感染して症状が変わっていくのか、エイズを発症の症状と対応、母子感染予防、子どものエイズ治療、予防、性感染症などについて学びました。

    ◆成果と今後

    知らなかった知識を学べたこと、現地の言語で研修がおこなわれ理解を深めることができたとの声が聴かれました。また、自分たちがいかに知識のないままHIV陽性者のケアにあたっていたか、ショックを受けたボランティアもいました。「母乳を与えていない女性は、HIV 陽性者だと決めつけていました。でも、HIV 陽性者でも、母乳を与えることができ、そして母乳をとおして治療薬を子どもに与えることができることを知り、驚きました」とあるボランティアは話していました。

    今後は、研修で学んだ知識が実践されていくよう、JVCと協力して定期的な振り返りの学習機会をもつこと、活動地でもモニタリングを行っていきます。

  4. HIVの影響を受ける子どもたちへのケアに関する研修

    子どものケアセンター活動する「子どもケアボランティア」は地域のお母さたち。子どもたちの支えになればと、長年ボランティアでセンターを運営していますが、困難な状況にいる子どもたちへのケアの専門家ではありません。活動の中で、虐待が疑われる子からの相談を受けたり、協力的ではない保護者とどう向き合っていいのか、日々悩みながら活動をしていました。

    そこで、JVCではボランティアとの話し合いを経て、2013年3月に子どものケアに関する研修を実施しました。研修の中では、地域の中でボランティアに求められる役割とは何かを考えることにより、自分たちが地域そして子どもたちにとってどのような存在なのかを考えました。さらに、子どもたちが困難に直面したとき、どのような心理状態になるのかなどを学習していきました。

    ◆成果と今後

    一番の成果は、ボランティアたちが自信をつけたことです。今まで手さぐりでやっていた活動が地域の役に立っていることを実感できた。自らの課題を知ることでもっと学びたいという意欲が湧いてきた、との声が聴かれました。

    今後も同様の研修を継続すると同時に、子どもたちの怪我や病気に対応できるよう救急法など実践的なスキルの向上も図っていきます。

 

本年度の活動を受けて

活動初年度にあたる本年は、パートナー団体のボランティアの活動をよりよく知り、彼らの能力強化をはかることを中心に進めてきました。今後はその成果を見つめ、地域の人びととくにエイズ遺児、HIVの影響を受ける子どもたちとの関係を深め、支援を充実させていきます。

JVC1 JVC2

(写真左)子どもケアの研修、新しいことを学ぶことが楽しくいボランティアたち /  (写真右)子どもの日、劇を披露する子どもたち

今後ともご支援よろしくお願いいたします。

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