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平和

2012年度平和カンパ活動報告~パレスチナ子どものキャンペーン~

2013年06月05日

ナワール子どもセンター(児童館)の活動報告(2012年1月~12月)

 

特定非営利活動法人パレスチナ子どものキャンペーン

 

パルシステム東京の平和カンパをいただきありがとうございました。おかげさまで、2012年もパレスチナの子どもとお母さんを支えることが出来ました。

ご支援によって、ナワール児童館は2012年も引き続きガザ地区ハンユニスの子どもたち300人に居場所と様々な活動(リクリエーション、心理サポート、音楽、演劇、絵画、スポーツ、補習、ITほか)を提供し、また母親や地域住民100人以上に、子育て支援や心理サポートを提供しました。

特に11月14日から8日間のイスラエル軍によるガザ攻撃は、子どもと家族へ深刻な影響を及ぼしました。ナワール児童館では状況調査を実施し、子どもたちにフラッシュバックやトラウマが多く見られることが判明したため、さらなる心理サポートを実施しました。

 

1.2012年11月14日~21日までのイスラエル軍のガザ攻撃による被害状況について 

(数字はガザ保健省の報告による)

  • 死者165人(内61人が17歳以下、18人が50歳以上、11人が成人女性)
  • 1269人が負傷(内500人が17歳以下、88人が50歳以上、212人が成人女性)
  • 155棟の住宅・アパートが全壊、7000棟が半壊した。
  • 6つの病院が被災。教育施設は2つが完全に破壊され、22が被災した。
  • モスクの2つが全壊、30が被災、1つのキリスト教会が被災した。
  • 2つのスポーツ施設、15の施設が被災。
  • 「人命が失われたということを量的あるいは統計面で表現するのは容易ではありません。攻撃が将来にわたり、人々にどのような影響を与えるかを説明することも重要です。数字で表される報告はこれからもたくさん出るでしょうが、住民への心理的な影響についての報告は現在までのところ出されていません。百数十万人が1週間にわたって、空爆や海上と戦車からの砲撃などの恐怖にさらされた結果は、まだ判明していないのです。」(現地スタッフの言葉)

     

    2.戦争による子どもたちへの影響 

    子どもたちはストレスのサインを出していました。過剰に泣く、恐怖、頭痛、孤独感、普段よりも多動、攻撃的、あるいは根拠のない焦燥感が見られます。親たちからは、夜尿への戻り、睡眠中の叫び声が報告されています。親をなくしたり、家族や友人をなくした子どもたちは悲嘆、トラウマ、無力感、罪悪感にさいなまれているのです。

    過去の経験からも、子ども、女性、青年に心理的衝撃が強烈に続くことが予想されます。死者や負傷者の多さと、ほとんどすべての住民が攻撃の目撃者になったからです。しかも、こうした攻撃を2008年と今回の二度にわたって経験した人たちにフラッシュバックが多く見られ、深いトラウマなどの問題につながることが予想されます。死を身近に感じた経験、先行きの見えないこと、何一つ自分の思うままにならないこと、続く恐怖、トラウマになるような状況の目撃・・など、長期にわたる問題が予期させられます。

    この時期、子どもたちの描くのは、やはり空爆の経験です。自分たちの恐怖、爆撃機、亡くなった人の様子や破壊の様子がほとんどでした。12歳の女の子は、自分の絵について「パレスチナの子どもは血の海にいるのに誰も気づいてくれない。世界中の人はテレビを見ながらイスラエルの子どもが怪我をしているのを見て悲しんでいるのに」と話してくれました。また、お母さんが泣いている子どもを抱いている絵を描いた別の12歳の子は、「テレビで、お父さんを亡くした子どもをお母さんがなぐさめているのを見て、その絵が描きたかった」と言っていました。

    ユニセフは、窓ガラスが飛散しないように窓を開けて寒さの中で眠らざるを得なかった子どもに注目しました。また家屋の破壊、学校や道路、公共施設などの被害は、子どもに大きな影響を与え、その基本的な権利を奪っているし、空や海から子どもが圧倒的に多い人口密集地域に対する軍事攻撃は「子どもの権利条約」の重大な違反行為であると述べています。

     

    3.心理サポート  

    ナワール児童館では、停戦直後に心理サポートを開始しました。

    まずは、大きな声で歌ったり踊ったり、掛け声ごっこなどをして、感情やストレスの発散をしました。「ダルマさんが転んだ」のようなゲームは感情の発散と収束を繰り返すことで、感情を出しストレスを発散させていきながら、徐々にそれをコントロールしていく訓練になっています。それから自由に絵を描く、気持ちを話し合うなどをしました。これも怒りやストレスを溜めないための活動です。

    安心感のある狭い部屋に籠って指導員が絵本の読み聞かせをするプログラム。また子どもたちが思い思いのことを話した後で、リラックスする音楽を流して7分くらい瞑想の時間を取り、一番楽しかった思い出を語り合うというプログラムもあり、どの子も夏に海に行って、アイスクリームやジュースを飲んだことを話していました。気分が落ち着いてきたところで、今度は鬼ごっこをします。先生が鬼になり、捕まった子どもを鬼の目を盗んで助け出すゲームです。大きな声を出して汗をかき、みな発散できていました。参加している子どもの中には、様々な問題を抱えている子どもが多いけれど、ずいぶん落ち着いてきたと指導員は言います。一人一人の子どもの様子をスタッフみんなが理解しています。

    この児童館のユニークな取り組みとしては、子どもとお母さんがともに参加する家族や心理についてのシンポジウムがあります。その一つ「戦争と子どもたち」をテーマにしたシンポジウムは年末に開かれました。子どもの代表として14歳と15歳の少女二人が司会をしながら子どもたちの思いを披露しました。それから地元の心理専門家3人が子どもの声にこたえる形でお話をしました。そのあと、会場に参加したお母さんからの質問に答えるという形式でした。

    戦争の後で、身体的な痛みや、不眠、おねしょ、反抗などあるのは自然なこと、年齢によって出方が違うこと、危険な兆候とそうでない違い、感情の吐露を認めることなどが専門家から話されました。お母さんたちに提案されたのは以下のようなことです。

  • 表現を大事にして、押し込めないこと
  • 前向きな対話をしましょう。子どもたちの話を受け止めましょう
  • 危機の時には恐れや怒りの感情や不安は自然だと説明しましょう
  • 子どもの悪い面を批判するのでなく、良い面をほめて伸ばしましょう
  • 状況が改善され安全になったら、一日も早く通学などの日常生活に戻しましょう
  • 学校と家庭が協力し合い、問題がある子どもを見つけたら、必要な支援をしましょう。
  • 心配な時には一日も早く専門家に相談しましょう。
  • 子どもの問題に取り組むための知識を学びましょう
  • 子どもの声に耳を傾け、泣きたいときは泣かせてあげましょう。怖い時は大人と一緒に寝ましょう。
  • 女性たち、特に母親たちの心的ストレスも甚大です。母親たちが健康でいてこそ、家族を支えることができ、子どもたちの生活を改善することができます。しかし母親たちへのサポートは家族の中では最後になってしまいがちです。女性を支えることで子どもを支えることができると、私たちは考えています。また、現地スタッフ自身が攻撃の目撃者、被害者です。恐ろしい経験をし、負傷したスタッフ、4日間安全な場所を求めて逃げ惑った人もいます。こうしたスタッフたちへの心理的なサポートも重要です。こうした理由から、子どもたちだけでなく母親や地域の大人たちへの支援も継続しています。

     

    パレスチナ1 パレスチナ2

    (写真左)ナワール児童館  心理サポート  (写真右)ナワール児童館  絵本

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