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平和

2011年度平和カンパ活動報告~日本イラク医療支援ネットワーク(JIM-NET)~

2012年05月31日

イラク小児がん、白血病支援

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■ 実施地域:イラク共和国、バスラ州
■支援対象者:イラク共和国、バスラ子ども病院に通院中の、特に経済的に困難な状況に直面している子どもたちとその家族


<背景と目的>
イラクでは、湾岸戦争とイラク戦争で使用された劣化ウラン弾が原因だと思われる小児がんの増加が見られます。しかし、国際社会は、戦争でサダム政権を崩壊させたものの、新しい政府の樹立に関しては、うまく行かず、保健行政は荒廃したままです。小児がんの子どもたちに対し、医療支援、教育の支援、精神的な支援、経済的支援を組み合わせ、がんの子どもたちや家族が安心して治療を継続する社会作りを目指します。

<活動内容と成果>

  • 1. 医療支援:抗がん剤を中心とした10000$/monthの医薬品供与をバスラ子ども病院へ

  • 医薬品に関しては、予定どおり毎月1000ドル分の薬(抗がん剤、感染症対策消耗品など)を現地で調達し、病院に届ける事ができました。ただし、今までヨーロッパの団体が行っていた医薬品支援が、景気の停滞で、来年度からは打ち切られるとのこと。JIM-NETの役割が益々重要になってきています。  また今回、医薬品と供にがんの早期発見と正確なタイプの判定のための検査に使う骨髄生検針が不足して、消耗品を使いまわしているという事があり、日本の商社に依頼し、120本をバスラに送りました。日本製の高品質の針は、子どもにとっても痛みが少なく喜ばれています。今後イラク政府保健省が自らの予算で日本の商社やメーカーと直接とりひきをすることで、薬不足が解消される事が期待されます。 写真は届いた骨髄生検針を持つJIM-NETスタッフ、ザイナブ(左)とイブラヒム(右)

  • 2.院内学級の支援:病院内で授業を行い、子どもたちが治療後もスムーズに復学できるようにする。

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    白血病が治癒したザイナブという元患者をスタッフとして雇い、現在2クラスを運営しています。ザイナブは、JIM-NETで働きながら勉強して9月から高校に進学することができました。 ザイナブが通院していた頃に院内学級で描いた絵をコラージュした絵本「イブラヒムの物語」(2007年出版)に、彼女が教えた子ども達の絵と、津波や、原発事故に向けてのメッセージを加え復刻し、再発売することができました。収益は、支援に使われますが、このような本が日本で読まれていることが、ザイナブを勇気付け、また闘病中の子どもたちや家族は、「がんが助かる病気である」ことをザイナブから学び、苦しい闘病生活を乗り切ろうとしています。

     

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  • 3.精神的なサポート:ピクニックやワークショップを開催。がんの生存者に加わってもらい、経験をシェアする。
  • 2月16日にピクニックを実施。87人の患者と家族に、3名のドクターが同行し、ガーデンシティという遊園地で遊びました。普段は、闘病中でなかなかみんなと遊ぶ機会もない子どもたちと、遊園地に連れて行く経済的な余裕もない患者の家族たちにとっては、楽しい思い出作りと息抜きになりました。 「こども達の嬉しそうな目には、希望が輝いていました。私は、とても、嬉しかったです」ローカルスタッフのイブラヒムの感想です。

  • 4.貧困患者の通院費と、お金のかかる治療や検査などの一部治療費を負担

  • 通院費に関しては、一ヶ月1000ドルの予算で、一人に付き50ドルを目安に支給しました。父親に仕事がない、あるいは戦争で働き手を失った家庭が多く、経済的な理由で通院を怠るケースも出ています。 今年度は、161名の患者を支援しましたが、残念ながら8名が亡くなっています。 また、バスラでは、放射線治療を受ける設備が、整っていません。ホジキンキンリンパ腫といったある種のガンは、放射線治療と化学療法の併用で、治る確率が増します。そこで、隣国のイランでの受入れをお願いし、11年度は8名の患者の治療を行うことができました。

     

    写真;ヌールアッバースちゃん9歳、ホジキンリンパ腫。父親は、日雇いの仕事をしている。胃が弱く、もう化学療法はいやだと泣き続けた。6月に一ヶ月近くイランで治療。父親が連れ添い、母親とはなれて生活した。彼女の夢は、病院で子どもたちに教える先生になりたいという。下はイランで治療中のヌール。半年後に、元気な姿を見せてくれた。治療は順調に進んでいる。

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    〈治療成績は上がっている〉
    我々の8年間に渡る支援の成果として、ALL(急性リンパ性白血病)の生存率が上がっているという結果が出ました。 2006年のデータと比べてみると2年生存率が46%だったのが2009年には、72%に上昇。バスラでは、初期に治療を放棄してしまう子どもが、2009年には、9%だったのが、2010年には、5%に減っており、交通費支給の効果がでてきていると考えられます。

    〈チョコ募金で乗り越える 〉
    311の震災で、私たちは絶望のどん底に落ちてしまったような雰囲気がありました。しかし、イラクからの温かいメッセージと子ども達の笑顔に励まされ、東北の被災地支援とイラク支援がうまくまとまっていきました。東北の被災者に寄り添うことで改めて、家を失い、家族を失ったイラクの人びとの苦しみを思い起こしました。そんな戦争を日本が支持したことを忘れてはいけないでしょう。皆様のカンパのおかげで、例年通りの支援を行うことができました。また、今回のチョコ募金では、日本の支援のおかげで、がんを克服したハウラという少女が、今度は、日本を元気にしたいと一生懸命描いてくれた絵が心に響き、昨年の12万個から14万個に個数を追加したにもかかわらず、順調に終わる事ができました。またチョコの一部を福島の子どもたちにプレゼントしたり収益の一部を福島支援に充てています。パルシステムさまが、チョコ募金の販売にも協力してくださったことに改めて御礼申し上げます。

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