1. ホーム
  2. 私たちの社会活動
  3. 平和
  4. ミャンマー・サイクロン被災者支援カンパ使途報告~シャンティ国際ボランティア会~
平和

ミャンマー・サイクロン被災者支援カンパ使途報告~シャンティ国際ボランティア会~

2010年01月26日

ミャンマー(ビルマ)サイクロン 被災地支援事業 報告書
(被災地の復興は子どもたちの笑顔から)

 

 2009年7月末日に、SVAは15か月間の被災地支援事業を無事に終了しましたので、ここにご報告致します。

活動実績(PDF形式:162KB)pdf

 

海水にのまれた人々と村

 2008年5月2日深夜、インド洋上で発生した巨大サイクロン(台風)は南部に上陸し、海岸線に沿って移動しました。サイクロン「ナルギス(Nargis)」はミャンマー(ビルマ)は、強風とともに高波(高潮)を発生させ、人々や家、農作物などを流し去り村々を破壊しました。死者、行方不明者13万人を超えるミャンマー(ビルマ)で近年最悪の災害となりました。波にのまれ溺れた人が水辺の村には大勢います。人口約200人の集落で、生き残った人が3人という村もありました。椰子の木や家の梁に一晩「しがみついて」助かった人もいますが、かろうじて生き残った人々も、その後の避難生活は困窮を極めました。家も食料も全て流され手元には何も残りませんでした。政府や海外からの支援が来るまでに時間がかかった地域もあり、当初の1か月程は、村のお寺や教会などに多くの村人が避難し、少ない食料を分け合い、互いに励まし合いながら生き延びました。

強風と高波で水没し、廃墟となった村
強風と高波で水没し、廃墟となった村

 

活かされた「ミャンマー難民支援」の繋がり

 「ミャンマー」という国の事情から、被災直後に現場に入って自由に行動する事は制限されました。SVAでは、国境を越え隣国タイへ避難してきた難民を支援する「ミャンマー(ビルマ)難民事業」を2000年から続けてきました。ミャンマー国境に近いタイの町「メーソット」には事務所があります。その地の利や難民支援に関わる他団体とのネットワークを活かして、今回のサイクロン被災者の救援活動を行いました。緊急支援物資の配布では、地元タイや海外NGOなど複数の団体で構成された「ビルマ緊急支援チーム」(EAT-Burma)の一員に加わりました。また、後半の復興支援活動ではミャンマー(ビルマ)本国の教育支援NPOと連携して被災地の子どもたちのための活動を行いました。

かき集めた材料で作られた避難小屋
かき集めた材料で作られた避難小屋

 

1.「緊急支援物資の配布」

 「被災者に直接手渡す!」を念頭にSVAでは緊急支援物資の配布を行いました。配布活動は被災直後の2008年5月6日から開始し、同年8月までの約4か月間継続しました。延べ182,000人へ水や食料、衣類が手渡されたほか、家屋の再建や修繕に使われる建築資材や薬品類、高潮で「塩害」の出た農地を耕すためのトラクター(耕運機)などを村々に配布しました。「ビルマ緊急支援チーム」の一員として、また単独で行った配布活動では、支援物資の届いていない地域を優先し「より確実に」物資を届けるために、1か所での大規模な配布をさけて、3人から5人程度の少人数のチームを編成し被災した87の村をひとつずつ小舟などで廻りました。

食糧や薬を手渡す当会スタッフ
食糧や薬を手渡す当会スタッフ

 

2.「避難生活の支援」

 被災者の一部は国境を越えて隣国タイへ逃れました。被災した村では生活再開の目処が立たず、致し方なく村を出たものの「行き場」を失ってしまった人々でした。SVAでは地元の団体を通じて、被災場所となる民家を確保し、食事の支援をするなど17家族62人の被災者が3か月間安全に避難生活を続けるための支援を行いました。

民家の一室に身を寄せ合う被災者
民家の一室に身を寄せ合う被災者

 

3.「飲み水の確保」

 サイクロンが起こした高波(高潮)により村は海水に浸かりました。田畑は「塩害」の影響を受けて収穫量が減りました。村によっては井戸にも塩害の影響が出て飲み水にも事欠くほどです。SVAでは雨の少ない乾期に備えて、雨期の間に雨水を貯めておくための「貯水槽」を4つの村に建設しました。

貯水槽の建設には村人も参加した
貯水槽の建設には村人も参加した

 

4.「孤児院の建設」

 このサイクロンでは大勢の子どもたちが犠牲になりました。生き延びた子どもたちの多くも家族や家を失いました。サイクロンで親を亡くし、村には引きとり手のない子どもたちも多くいます。被災地の孤児院では、子どもたちが住む生活棟が足りなくなったため、SVAでは2か所の孤児院に新たな施設を建設しました。また、施設内では子どもたちも参加して、養豚や家庭菜園を始めました。食べ盛りの子どもたちの食費が少しでも増やせるようにとの工夫です。

孤児院の子どもたちからのメッセージ
「パルシステム東京のみなさま、ありがとう!」、
孤児院の子どもたちからのメッセージ

 

5.「村の保育所の再建」

 被災地の村の中には「保育所」を持っていた所もありました。村人の中から選ばれた先生が数人いて、日中、親が田畑や漁に出かける際に子どもたちを安全にあずかってくれる場所でした。しかし、大半はサイクロンの強風で破壊されてしまいました。SVAでは34か村で「村の保育所」を再建しました。今では保育所は再開し、毎日3歳から5歳くらいの子ども40人程をあずかっています。親たちは、安心して仕事に出かけられるようになりました。ここが村人の生活を支えています。

再建した保育所からは元気な声が聞こえる
再建した保育所からは元気な声が聞こえる

 

6.「おはなし先生のトレーニング」

 村の保育所の先生たちは、ミャンマー(ビルマ)の教育支援NGOによってトレーニングを受けています。SVAでは、このNGOに所属し教員育成を担当する指導員7人をタイに招いてワークショップを行いました。NGOの指導員には、絵本の「読みきかせ」の工夫や「手作りおもちゃ」で遊ぶ方法、児童心理などについて学んでもらいました。指導員はミャンマーに帰国した後、ミャンマー各地で行われる保育所教員の研修会でこの経験や知識を広めています。

図書館スタッフによる遊び方の授業
図書館スタッフによる遊び方の授業

 

7.「被災地に絵本を届ける運動」

 南部の農村は被災以前から貧しく、保育所の本や教材が不足しています。そこでSVAは「被災地へ絵本を届ける運動」を実施しました。現地の子どもたちが「読める絵本」を作るために、絵本に現地語(カレン語)訳のシールを貼る作業を日本で行いました。この作業にはパルシステム東京様をはじめ、日本の多くの方々に参加して頂きました。訳語のシールが貼られた絵本とともに、みなさまの「被災地を応援したい!」という想いが子どもたちの元に届きました。

絵本作りには日本の子どもたちも参加
絵本作りには日本の子どもたちも参加

 

村の復興は子どもたちの笑顔から

 「被災者の方々を助けたい」という多くの方々のお気持ちを受けて、この事業は始まりました。被災直後の支援物資の配布に始まり、孤児院や保育所の建設から「被災地に絵本を届ける運動」まで、多くの方に支えて頂きました。絵本の活動では、みなさまに直接活動に加わって頂けた事に感謝しております。たった1冊の小さな絵本でも、絵本が繰り広げる物語の世界が子どもたちの「心の窓」を大きく開き、想像力や感性を育む力となります。子どもたちが笑顔を取り戻し、楽しく学び暮らせるようになることは、大人たちを励まして、村の復興の一助となることを信じております。

被災村の幼児保育施設でのよみきかせ
被災村の幼児保育施設でのよみきかせ

 

以上

 

ページの一番上へ

「食べもの」「地球環境」「人」を大切にした社会をつくります
〒169-8526 新宿区大久保2-2-6 ラクアス東新宿