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生協からのお知らせ

「日本原子力発電株式会社東海第二発電所の発電用原子炉設置変更許可申請書に関する 審査書案に対する科学的・技術的意見の募集」に対する意見書を提出しました。

2018年07月27日

7月27日(金)、パルシステム東京は、「日本原子力発電株式会社東海第二発電所の発電用原子炉設置変更許可申請書に関する審査書案に対する科学的・技術的意見の募集」に対する意見書を、原子力規制委員会宛に提出しました。

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2018年7月27日

原子力規制委員会 委員長
更田 豊志 殿

「日本原子力発電株式会社東海第二発電所の
発電用原子炉設置変更許可申請書に関する
審査書案に対する科学的・技術的意見の募集」に対する意見書

生活協同組合パルシステム東京

理事長   野々山 理恵子

 私たちパルシステム東京は、「『食べもの』『地球環境』『人』を大切にした『社会』をつくります」を理念に掲げ、約48万人の組合員を擁する生活協同組合です。
 2011年3月11日の東日本大震災、東京電力ホールディングス株式会社(以下、東京電力)福島第一原子力発電所(以下、福島第一原発)の事故以前から、原子力発電所のもたらす「負の遺産」をこれ以上将来世代に引き継がせないために、組合員とともに脱原発運動と再生可能エネルギーへの転換を進めてきました。
 7月4日(水)、原子力規制委員会は、日本原子力発電株式会社(以下、日本原電)の東海第二発電所(以下、東海第二原発)の20年延長及び、発電用原子炉設置変更許可申請の審査書案を事実上承認し、5日から審査書案に対する科学的・技術的意見の募集を開始しました。
 日本原電東海第二原発は、東京から110kmと首都圏に最も近い原子力発電所で、30km圏内には96万人が住んでいます。東海第二原発は、2011年には津波で被災しています。外部電源を喪失し、非常用電源一台がダウンしたため冷温停止に3日半もかかっています。地元の新聞も「あわやの事態だった」と報じました。茨城県内では2012年以降、28市町村で運転延長または再稼働反対する意見書が可決されています。3月29日日本原電は水戸市など30km圏内の5市1村と安全協定を結び、再稼動にあたって事前了解を得ることが必要になっています。
 審査書案には以下の点に問題があり、日本原電には原子力発電所を再稼動する資格はありません。パルシステム東京は、原子力規制委員会による東海第二原発の審査書案了承と、パブリックコメントの募集に対し、以下に意見します。


 

意見提出箇所:審査書全般

  1. 福島第一原子力発電所の事故収束を優先するべきです。

     東京電力福島第一原発事故から7年が過ぎましたが、福島第一原発では、いまだに汚染水の流出や放射能の放出が続いており、事故収束の見通しも立っていません。福島県では現在も4万人以上の被災者が避難生活を余儀なくされています。高い空間放射線量、労働者被爆、中間貯蔵施設、帰還と補償打ち切りなど、山積する問題の中で、悩み苦しんでいます。もう一度過酷事故が起きれば、取り返しのつかない事態を引き起こすことは明白です。
     原子力規制委員会は原子力発電所の再稼動を認める前に、福島第一原発の事故原因の調査と事故の収束に最優先で取り組むべきです。

  2. 日本原電には原子力発電所を再稼動する経理的な基礎がありません。

     日本原電の再稼動の審査にあたっては異例の「経理的基礎での審査」をされました。日本原電は原発しか持たず、所有する4つの原発のうち2つは廃炉が決まっています。残り二つは東海第2と敦賀第2ですが、敦賀第2は活断層の関係で再稼動は難しいといわれています。現在発電を行っていない日本原電が破たんを免れているのは、東電、関電などがあわせて年間1,000億円の「電気料金」を支払っているからにすぎません。日本原電は東海第二原発の再稼動に必要な1,760億円もの安全対策費を銀行から借りることができず、株主で電気の販売先でもある東京電力と東北電力に経済的支援を求めています。  つまり日本原電には原子力発電所を再稼動する経理的な基礎がありません。
     また、経済的支援をするとされている東京電力自身が、福島第一原発事故に対して無限責任を負っていて、政府が廃炉・賠償費用に公的資金などを注入できる仕組みを作りかろうじて破たんを免れているのが現状です。しかも原発事故被害者へADRの和解案を拒否し続けています。東京電力にも日本原電を経済的支援する経理的な基礎がありません。
     今回の審査書案では対象外になりましたが、日本原電の経理的基礎についても審査すべきです。

  3. 事故時の住民の避難計画を審査対象にすべきです。

     東海第二原発は東京から110kmと首都圏に最も近い原子力発電所で、PAZ(5km圏内)に約8万人、UPZ(30km圏内)に88万人、あわせて96万人が避難の対象になります。過酷事故の際には首都圏機能を含め3500万人が被災する可能性があります。茨城県内では避難が不可能で、福島県、千葉、埼玉、栃木、群馬の計74市町村に広域避難することになっています。
     県内のバスだけでは4往復しないと避難出来ないため、自家用自動車での避難を主とすることになっています。人数が多く大量の交通渋滞が発生し、短時間での退避は不可能です。県のシミュレーションでも30時間近く必要とされています。地震・津波などの複合災害時に、橋や高速道路が損壊すればもっと時間がかかり、避難は実際上不可能に近いと考えられます。
     また、避難計画の基本は避難の順番が来るまでは「屋内退避」となっています。しかし、熊本地震は「屋内退避」の危険性を示しました。避難計画についても原子力規制委員会として審査し、避難計画の実効性を担保すべきです。


意見提出箇所:34ページ

  1. 地盤の液状化の可能性があり、防潮壁の設置には問題があります。

     津波については20mの防潮堤を建設することになっていますが、地盤が悪く液状化の可能性があります。大規模な自然災害に対し、予測や十二分な備えが難しいことは明白です。福島第一原発事故を経験している現状において、「想定外」という言い訳は到底許容されるものではありません。
     日本原電は当初原発敷地内で液状化が発生する可能性はないとしていました。しかし、規制庁から液状化の可能性について指摘を受け、地盤改良を行い、支持杭形式の「鉄筋コンクリート防潮壁」を設置する方針としました。そもそも液状化が懸念される地盤に原発を立地すべきではありませんし、防潮壁が崩れない保障はありません。また、地盤改良と防潮壁の設計変更により、敷地内に地下水が留まり、水位を上昇させてしまいます。集中豪雨の際、敷地内が水浸しになる恐れもあります。


意見提出箇所:99ページ

  1. 非難燃性ケーブルの使用や防火シートには問題があります。

     東海第二原発は、今年の11月で建設から40年になる老朽原発です。設計が古く根本的な改修が難しくなっています。例えば全長1,400kmに及ぶ電気ケーブルのうち難燃性に取り替えるのは高圧電力ケーブルなど15%だけです。残りのケーブルは交換せず防火シートを巻くとしています。
     原子力規制委員会は審査書案で、非難燃性ケーブルに防火シートを巻く方法を認めています。これは新規制基準に規定された難燃性ケーブルに取り替える原則から外れています。このような例外措置を認めると、防火シートを通してケーブルが加熱され、被覆材が熱分解を始め、条件次第では火災がケーブルに伝わって広がり、消火が極めて困難になるといった予測できない事象が発生する可能性があり、認めるべきではありません。防災防護基準に厳格に従うべきです。


意見提出箇所:416ページ他

  1. ブローアウトパネルの機能に問題があります。

     6月22日に実施された、重大事故時に原子炉建屋の圧力を逃がすブローアウトパネル(破裂板式安全装置)閉止装置の機能確認試験では、ブローアウトパネルが5~8センチ開いたり、開閉操作用のチェーンが切れたりするトラブルがありました。ブローアウトパネルは、原子炉制御室の作業員を被ばくから守るために、閉止の必要がある時は容易かつ、確実に閉止操作ができることが基準規則で要求されています。それにも関わらず、原子力規制委員会は「設計そのものに問題はなかった」とし、設計変更などの対策は工事計画認可に先送りしたことは大きな問題です。閉止操作を確認する実験に失敗しているものを認めるべきではありません。

以上

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