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生協からのお知らせ

資源エネルギー庁に対して「第5次エネルギー基本計画策定に向けた計画案」に関する意見書を提出しました。

2018年06月08日

6月8日(金)パルシステム東京は、資源エネルギー庁に対して「第5次エネルギー基本計画策定に向けた計画案」に関する意見書を提出しました。

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2018年6月8日

資源エネルギー庁
長官官房総務課 パブリックコメント担当者  様

生活協同組合パルシステム東京
理事長 野々山理恵子

 

第5次エネルギー基本計画策定に向けた計画案に関する意見

 

   私たちパルシステム東京は、「『食べもの』『地球環境』『人』を大切にした『社会』をつくります」を理念に掲げ、約48万人の組合員を擁する生活協同組合です。 2011年3月11日の東日本大震災と、それに続く東京電力ホールディングス株式会社福島第一原子力発電所の事故以前から、原子力発電所のもたらす「負の遺産」を将来世代に引き継がせないために、組合員とともに脱原発運動に取り組んできました。

   多くの人々の暮らしに甚大な被害をもたらした東京電力福島第一原子力発電所の事故は、7年2ヶ月が経過した現在も、未だ収束していません。 私たちはこの現実を直視し、このような事故を二度と起こさないためにも、子どもたちが安心して暮らせる明るい未来を創出できるエネルギー基本計画を心から願っています。

   また、前回2014年の第4次エネルギー基本計画決定以降、エネルギーをめぐる世界の情勢は大きく変化しました。パリ協定の採択と持続可能な開発目標(SDGs)を受けて脱炭素化の動きが世界的に加速し、企業の化石燃料依存は投資家の懸念材料になっています。原子力発電は安全対策コストが高騰し、利用の見直しや建設断念の動きも目立ちます。 一方で再生可能エネルギーのコストは大幅に低下し、新興国でも導入が加速しています。

   このような世界の潮流と東京電力福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、以下の通り計画(案)に関する意見を提出します。

 

1.前提として、国民が積極的に論議に参加できる仕組みを強く要望します。

  <意見内容>
 前提として、国民がエネルギー基本計画策定に関わる論議に参加できる仕組みを作ってください。

  <理由>
 2014年に決定された第4次エネルギー基本計画には、国民との双方向的なコミュニケーションの充実が掲げられています。しかし、今回の見直しでは、準備段階での意見交換の場は設置されませんでした。審議会委員からの意見により、ようやく意見箱は設置されたものの、そこに寄せられた意見の2/3が原発再稼働を急ぐ政府の政策に反対する意見(5/17東京新聞報道)であったにも関わらず、第5次計画(案)に反映されていません。国民の意見が計画(案)に反映されるプロセスが不透明です。 エネルギー基本計画は国民の重大な関心ごとであることに鑑み、見直し論議の様々な段階で広く国民の意見を聴取し、計画に反映する仕組みを作ってください。


2.国民の意見を尊重し、原子力発電への依存度をゼロとしてください。

  <意見内容> 
 「はじめに」の文章を含めそれ以降に記載されている原子力発電の依存度に関する計画を「可能な限り原発依存度を低減する」ではなく、「原発依存度をゼロにする」計画へ変更してください。

  <理由>
 計画(案)の「はじめに」に記載(以下枠内の内容)の通り、原子力発電に関わる課題は山積みです。それぞれの課題解決の糸口は見えておらず、半世紀にわたって1.1 兆円もの巨額の税金を使いながら成果なく廃炉となった高速増殖原型炉もんじゅや、23 回目の完成延期となった青森県六ケ所村の再処理工場に見られるように、核燃料サイクルは事実上破綻しており、原子力発電を継続していく理由にはなりません。また、現状のどの世論調査でも原発再稼働について反対が賛成を大きく上回っていることを真摯に受け止めるべきです。

・・・「はじめに」の冒頭より途中省略・・・

   第一に、東京電力福島第一原子力発電所事故の経験、反省と教訓を肝に銘じて取り組むことが原点であるという姿勢は一貫して変わらない。

   東京電力福島第一原子力発電所事故で被災された方々の心の痛みにしっかりと向き合い、寄り添い、福島の復興・再生を全力で成し遂げる。政府及び原子力事業者は、いわゆる「安全神話」に陥り、十分な過酷事故への対応ができず、このような悲惨な事態を防ぐことができなかったことへの深い反省を一時たりとも放念してはならない。発生から約7年が経過する現在も約2.4万人の人々が避難指示の対象となっている。原子力損害賠償、除染・中間貯蔵施設事業、廃炉・汚染水対策や風評被害対策などへの対応を進めていくことが必要である。また、使用済燃料問題、最終処分問題など、原子力発電に関わる課題は山積している。

・・・ 以降 省略 ・・・

 

3.再生可能エネルギーの導入目標を引き上げ、再生可能エネルギーの主力電源化に向けたあらゆる政策資源を集中する意思を明記してください。

  <意見内容>
 原子力発電の依存度をゼロにすることに加え、再生可能エネルギーの導入目標を先進国レベル50%へ引き上げ、主力電源化に向けたあらゆる施策を明記してください。

  <理由>
 日本のエネルギー選択において踏まえるべき3つの点「安全性」、「エネルギーの自立」、「脱炭素化」を同時に満たす電源は、再生可能エネルギーです。計画(案)では再生可能エネルギーの「主力電源化」が掲げられたものの、肝心の導入目標は2030年時点で22~24%と、諸外国と比べても低い水準です。
   計画(案)に組み込まれた化石燃料を含む多くの電源に関わる施策を同時に追求することは限りある政策資源(予算や人材等)が分散し、また国として掲げる再生可能エネルギーの導入目標が現在のままでは、継続的な民間投資を喚起できないことが危惧されます。急速に拡大しつつある再生可能エネルギー分野において日本が世界に遅れをとるばかりか、国内における再生可能エネルギーの技術革新の停滞を招きかねません。
   以下の点を踏まえ、再生可能エネルギーを主体とする意思を明確にし、再生可能エネルギーの導入目標を先進国レベルの50%へ引き上げてください。

  (1)各エネルギー源の位置づけの考え方を転換し、再生可能エネルギーを政策の基礎に据える

   計画(案)においては、コストが低廉で安定的に稼働できるとされるエネルギー(原子力や石炭)を「ベースロード電源」として政策の基礎に位置付けていますが、原子力は課題が山積み(「はじめに」に記載されている通りです)で解決の糸口が見えず、石炭火力発電は温室効果ガス排出量が多く、環境や社会の長期的な持続可能性を考慮した場合、再生可能エネルギーの大量導入を第一に考えるべきです。 それによって生じうる出力の不安定性を他の電源や技術で補うという発想の転換を行うべきです。

  (2)持続可能で競争力のある再生可能エネルギーの普及を推進する制度やインフラを整備する

   分散型エネルギーである再生可能エネルギーは、立地や規模、変動性などが従来の電源とは異なるため、普及のためにはエネルギー制度やインフラの見直しも必要です。計画(案)でも記載されている系統制約の矛盾を解消するための整備や広域的な運用による調整力の確保、環境アセスメントの迅速化、デマンドレスポンスの導入などをいっそう推進してください。FIT制度も継続的な見直しを実施し、トップランナー制度の導入やバイオマス燃料の持続可能性基準の検討などを通して持続可能で競争力のある再生可能エネルギーの普及を図ってください。

  (3)再生可能エネルギー産業の育成を通して継続的な経済成長を図る

   日本の太陽光発電や風力発電の発電コストは諸外国と比べて依然として高く、消費電力量に占める割合も低水準です。再生可能エネルギーのコスト低下や出力変動を緩和する技術の開発、(2)に挙げた制度やインフラの整備を一体として推進することで、再生可能エネルギー普及の日本型パッケージを確立し、再生可能エネルギー分野による継続的な雇用創出と経済成長を図ってください。
   また、東日本大震災後、被災地を中心とした農業者や中小規模事業者は、これからの日本をもっと明るい未来として築くために、地域資源を有効活用し、再生可能エネルギーによる地域活性化の活動が活発化しています。この民間発意の取り組みに対する政策的な支援強化を明記してください。

 

 

以上

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