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生協からのお知らせ

エコ・チャレンジ基準見直しに向けて、農薬の知識を深める学習会を開催しました

2018年05月09日

農薬TOP

  2月27日(火)新宿本部で、学習会「『ネオニコチノイド系農薬の現状と課題』~エコ・チャレンジ基準見直しに向けて~」を開催しました。
  この企画は、現在見直しを検討しているパルシステムの「エコ・チャレンジ基準」について、今後予定されている組合員論議に備えるため、農薬の基礎知識、パルシステムの農産物の実情、生産現場の状況等への理解を深めることを目的とした学習会となります。

2017年12月、2018年1月にも関連した学習会を開催しました。
12月の学習会の様子は、こちら
1月の学習会の様子は、こちら

 

日本・各国におけるネオニコチノイド系農薬の使用・規制の現状と課題

 

中下氏

 

 

 

 

 

 

 

 

講師:中下  裕子氏(NPO法人ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議 代表、グリーン連合 共同代表、弁護士)

 

  前半はNPO法人ダイオキシン・環境ホルモン対策国民会議代表の中下 裕子氏を講師に迎え、ネオニコチノイド系農薬の使用・規制についてご講演いただきました。

 

 

農薬1

 

  中下氏はネオニコチノイド系農薬の特徴から、

  ◎殺虫作用が持続するので農薬使用回数を少なくできる=減農薬として農家から評価されている。
      農家にとっては便利だが、消費者には厄介な農薬。

  ◎残効性が高いため、生態系全体への影響が深刻。

  ◎ネオニコチノイド系農薬と他の農薬を一緒に使用すると、相乗効果でミツバチ毒性が数百倍から千倍になる。

  ◎「虫に良く効くが、人には安全」とされているが、人にも神経毒性がある。
      農薬との関連が疑われている病気もあり、子どもの脳の発達への影響も心配

以上のことを自らの農業経験談も交えてお話しされました。

 

諸外国では規制対象の農薬が、日本では逆に規制緩和

 

  ネオニコチノイド系農薬についてはEUはじめ諸外国が規制に向けて動いている一方で、日本ではむしろ規制緩和の動きがあります。その理由として中下氏は、

  ◎予防原則が日本で定着していない
(人の生命、健康や自然環境に対して大きな悪影響を及ぼす可能性が懸念されている物質や活動について、その悪影響に対する科学的な解明が不十分であっても、すべての関係者は十分な防護対策を実施すべきという考え方を「予防原則」というが、その考え方が日本では定着していないこと)

  ◎在庫処分の可能性
(農薬会社が海外で販売できなくなった農薬を日本で在庫処分している可能性)

などを挙げ、日本でも一日も早くネオニコチノイド系農薬の規制が導入されるよう働きかけをすること、国が規制しなくても自治体レベルで「脱ネオニコチノイド系農薬」に取り組むこと、ネオニコチノイド系農薬の危険性を広く訴え、「脱農薬依存社会」をめざして行動することが大切だと訴えました。

 

「子どもの発達障害と農薬」
最新の脳科学から見た毒性と発達障害の関係

 

  後半は環境神経科学情報センターの木村-黒田  純子氏を講師に迎え、子どもの発達障害増加の状況とその原因となる環境要因などについてご講演いただきました。

 

木村ー黒田氏

 

 

 

 

 

 

 

 

 講師:木村-黒田 純子氏(環境脳神経科学情報センター)

 

 

  はじめに木村-黒田氏から日本の子どもの発達障害について、以下のような現状を伺いました。

 

  ◎ここ10年で日本では発達障害や「切れやすい」「引きこもる」などの脳の働きに障害のある子どもが急増している(2012年の文科省調査で、全学童の6.5%(15人に1人)が発達障害の可能性)。

  ◎障害が子どもごとに異なる発達障害。診断が難しく、社会の無理解もあり2次障害、3次障害が問題となっている。育児放棄、虐待、いじめ、不登校、引きこもり、新型うつ病、ニート、職場トラブルなどの原因のひとつとなっている可能性が高い。

  ◎自閉症など発達障害の原因は育て方、遺伝子要因等諸説あったが、研究が進んだ結果、現在は遺伝要因が約4割、環境要因(※)がより大きく約6割とされている。環境要因のなかでも、この半世紀に急増した有害な人工化学物質の影響が疑われ、特に農薬、脳神経系を標的とした殺虫剤が国内で多量に使用されていることが懸念される。

    (※)環境要因
      化学物質環境、家庭環境などさまざまな複雑な原因が考えられる。
      (発達神経毒性をもつ化学物質、養育期のトラブル(虐待)など)

  ◎OECD(経済協力開発機構)主要加盟国中で、自閉症の発症率と農地面積当たりの農薬使用量を調べると、上位4ヵ国は韓国、日本、イギリス、米国で、農薬をより多く使用した国で自閉症児が多いことが分かった。日本は、農地面積当たりの農薬使用量が世界でもトップを争うほど、大量の農薬を使っている国である。

  ◎農薬は脳の発達に異常を起こすことが多数報告され、なかでも有機リン系農薬の悪影響は明らかになっており、欧米ではほぼ使用されなくなってきている。近年使用が増えているネオニコチノイド系、フェニルピラゾール系農薬も、脳の発達に悪影響を及ぼす論文が多数出てきている。

  ◎日本では、有機リン系農薬の使用量は減少傾向だが、いまだに多量に使用している。一方、この10~20年でネオニコチノイド系、フェニルピラゾール系農薬の使用量が急増しており、近年の発達障害の増加との関連が疑われる。実際に、農薬の複合曝露が日本の子どもに起きていることを示すデータもあり、影響が懸念されている。

  ◎世界では子どもを農薬の曝露から守る動きが進んでいるが、日本では軽視され、具体的な施策は何もない。

 

子どもの健康を守るため、私たちにできることは

 

  子どもの健康を守るために、私たちにできることはなんでしょうか。木村-黒田氏は以下のような視点から考えて,行動していく大切さを訴えました。

  ◎遺伝子は変えられないが、環境要因は変えることができる。環境が原因であれば、治療、回復、予防が可能である。

  ◎子どもの脳の発達は最先端の医学でもまだまだ未知のことが多いので、少しでも危ないことがわかった段階で、予防原則に基づき危険性のある農薬を避けることが大切。

  ◎個人で、または仲間と協力して農薬など有害な化学物質の曝露を避ける対策を講じる。生協活動や、環境NPOなどの運動を活発に。

  ◎有機・無農薬野菜を食べる。平成30年1月の農林水産省の資料では、有機野菜を購入していない消費者の6割は、一定条件が合えば有機野菜を購入したいと考えている。多くの人が購入し需要を安定させることは、有機・無農薬野菜の生産者を応援することにもなり、価格、供給の安定につながり、子どもたちの健康を守ることにもつながる。

 

  木村-黒田氏は最後に「人と昆虫の神経系は基本的に同じです。人への影響がもっとはっきりしてからでは手遅れです。早急に対応することが大切です。」と話し、講演を結びました。

 

参加者アンケートから

 

  当日参加した組合員からは、「ネオニコチノイド系農薬のこと、その怖さが良く分かった」「日本に予防原則の考えが根付くよう変えていきたい」「コア・フードの青果を食べたいと強く思った」「コア・フード生産者、商品が増えることを強く希望」などの意見・感想が寄せられました。

  パルシステム東京では、今後も多方面からの意見を参考に「エコ・チャレンジ基準」見直しについて検討を続けていきます。

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