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生協からのお知らせ

「電力システム改革貫徹のための政策小委員会・中間とりまとめに対する意見」 資源エネルギー庁にパブコメを提出しました。

2017年01月16日

  1月16日(月)、生活協同組合パルシステム東京は、「電力システム改革貫徹のための政策小委員会・中間とりまとめ」に対して、原発の廃炉・賠償に関する費用を託送料金に上乗せする形で徴収することについて、責任の所在と国民の理解が得られるように高い透明性と公正さを求めるパブリックコメントを、資源エネルギー庁 電力・ガス事業部電力市場整備室宛に提出しました。

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2017年1月16日

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部電力市場整備室
 パブリックコメントご担当様

生活協同組合パルシステム東京
理事長   野々山 理恵子


電力システム改革貫徹のための政策小委員会・中間とりまとめに対する意見

 福島第一原発事故の対応に要する費用は、当初11兆円の想定が21.5兆円に倍増しました。原子力発電所がひとたび事故を起こしたならば、想定以上の莫大な費用がかかるということ、それ以上に事故の影響を受けた人々のくらしが破壊されることの深刻さを私たちは重く受け止めています。

 そうした視点から見たとき、今回の「中間とりまとめ」の内容は、以下の点から国民の理解を得られないと考えています。

  1. 廃炉・賠償に関する費用を託送料金に上乗せする形で徴収することは、電力システム改革の目指す透明・公正な電力市場の形成に逆行することになります。託送料金は公共料金的な性格が強く、高い透明性と公正さが求められます。
  2. 今回の福島第一原子力発電所の事故の責任は、電力会社とそれを推し進めてきた国の責任です。原発の廃炉・賠償のコストを広く国民に負担を求めるのであれば、先ずはその責任をどう果たしていくか、国民的な理解を求めることが必要です。安易に託送料金で回収するような仕組みを導入すべきではありません。
  3. 今回の中間まとめでは、上記のような国民への理解を求めるどころか、数兆円に及ぶ国民負担に関する制度変更をわずか3ヶ月、数名の有識者の議論で方向性が決めようとしていることは大きな問題です。

 私たちは東京電力福島第一原発事故の深刻さを重く受け止めるからこそ、不足する事故処理関連の費用を、社会的に通用しない理屈をもって、国民の目の届きにくい託送料金で回収するような方策は認めることはできません。被災者支援強化の必要性から、最終的に国民負担が避けられないとしても、透明性を持った議論を通じて幅広い理解の下に進められるべきです。以下、中間とりまとめに対し、意見を提出します。


【該当箇所;中間とりまとめ3.2(p17~)】

(意見)賠償費用の積立金「過去分」を託送料金に上乗せして回収する制度変更はおこなうべきではありません。 

過去に請求すべきだった費用を将来の需要家に請求するという理屈は、通常の商取引ではありえません。そもそも賠償費用の積み立て不足は原発の安全神話に寄り掛かってきた東京電力と国にあります。制度以前に東京電力と国の責任の取り方から検討すべきです。

(理由) 

第一に、原発事故の賠償費用の積み立て不足は想定の甘さに起因するのであり、その責任は第一義的には原発の安全神話に寄り掛かって安全対策を怠ってきた東京電力と国にあるということです。電気料金として消費者負担で回収する制度以前に東京電力と国の責任の取り方から検討すべきです。

第二に、過去に請求すべきだった費用を将来の需要家に請求するという理屈は、通常の商取引の概念に反するものです。このような理屈が通るのであれば、電気料金に対する消費者の信頼は根底から崩れてしまいます。商取引の根本を崩してまで託送料金を通じた費用回収を行うのはいかにも不自然です。

 

【該当箇所;中間とりまとめ3.3(p21~)】

(意見)送配電会社「東電パワーグリッド」の合理化分を託送料の値下げに回さず廃炉費用に充てることに反対します。

東京電力パワーグリッド(株)の合理化分は、送配電ネットワークの充実と託送料金の引き下げに充てられるべきです。事故を起こした福島第一原発の廃炉費用に充当するという方策は、送配電部門の公共的性格を歪めるものです。また、世界に前例を見ない大事故への対応であり、広く国民に公開して進められるべきです。

(理由)

第一に、送配電部門が公共的な役割であるが故に、総括原価方式による託送料金の設定が認められています。送配電以外の費用を託送料金に含めることになれば、その公共料金としての性格を大きく歪めることになります。

第二に、託送料金は国会等の審議を経ず、経済産業省内の委員会による査定のみで決めることができます。事故を起こした原子炉の廃炉という世界に前例を見ない事故処理費用であることを踏まえるならば、むしろ、廃炉作業の経過と費用についてはより公開性を高め、国会等での議論を経て回収するような仕組みとすべきです。

 

【該当箇所;中間とりまとめ3.4(p22~)】

(意見)廃炉会計制度を今後も維持するためとして、東電以外の電力会社の廃炉費用についても託送料金の仕組みを使って回収するような制度変更はすべきではありません。

託送料金は送配電に関わる費用であり、その公共的な役割ゆえに総括原価方式が認められているものです。廃炉に関わる費用は発電費用の一部であり託送料金に含めるべきではありません。原子力発電所のみに託送料金への転嫁を認めることは、他の発電方法との公平性を損ないます。また、原子力発電を選択したくない消費者にも負担を強いることになり、理解は得られません。電力システム改革の理念に逆行するものです。

(理由)

第一に、原子力発電所の廃炉に関わる費用は、当然のことながら発電費用の一部です。したがって廃炉費用は、原子力発電の電力を販売する事業者がその販売価格の中に含めて回収するべきものです。これは火力発電であれ水力発電であれ再生可能エネルギー発電であれ、全ての発電方法について共通の考え方です。

第二に、原子力発電についてのみその廃棄の費用を託送料金に上乗せして回収するということは、特定の発電方法を優遇することであり、電力システム改革の理念である公平公正な競争に反します。

第三に、託送料金への上乗せは、電力を利用するすべての消費者に負担を求めることになり、原子力発電以外の電力を利用する消費者、原子力発電の電力を利用したくないと思っている消費者の選択を不可能にするもので、理解は得られません。

 

以上

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