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生協からのお知らせ

お米作りの現場を体感! | JAささかみ(新潟県阿賀野市)で職員研修

2015年10月16日

パルシステム東京では職員を対象に、産地での取り組みを組合員に伝えるために、2010年より産地研修を行っています。今年度も7産地へ延べ142名が参加し、産直産地への理解を深めました。

産直産地の一つ「JAささかみ」には、春(6/13~14)と秋(9/19~20)の2回に分けて産地を訪れる研修に、4名の職員が研修に伺いました。

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~春~

ずっと続く草取り作業

コア・フード米は除草剤を使わない為、苗を植えた後も苗の間に生える雑草を定期的に取る必要があります。この草を放っておくとやがて苗よりも大きくなり、陽が苗に当たらなくなってしまいます。特に苗と見分けがつきにくいヒエは小さいうちが取りやすいのですが、機械では難しいため、根気よく人の手で取らなければなりません。延々と続くこの作業は1往復を体験しただけでも腰が痛くなってしまいます。

 

コア・フードは草との闘いとは言いますが…

2015sasakami-kenshu (4).jpgコア・フードは苗と苗の感覚も広く取るため、同じ面積の田んぼから収穫できる量も少なくなります。

苗の間の土に手を突っ込み掻き回すと土の中にも草が根を張っているのが分かります。届く範囲ではあぜ道に草を投げて干して枯らし、真ん中の草は土の中に埋め込みます。田んぼの中だけでなくあぜ道からも草が生えます。せっかく取ってもまた暫くすると生えてしまう。この繰り返しです。JAささかみの稲毛常務は「よく草との闘いと言われているが、本当は草との妥協だよ」と言っています。完全に取り去ることができないのもまた自然の摂理。毎日自然と向き合っているからこそ感じることなのかもしれません。

 

 

「なぜコア・フードのお米作りを始めましたか?」質問してみました。

今回はJAささかみの役員の方の圃場でお世話になりました。月~金までは普通にJAささかみで常勤理事として仕事をし、朝と土日に農業をしています。「いつ休んでいるんだ」と思ってしまいますが、パルシステムのコア・フード、エコ・チャレンジ米も作ってくれています。

「なぜコア・フードを始めようと思いましたか?」お二人に聞いてみました。

2015sasakami-kenshu (5).jpgJAささかみ 江口専務理事

「役員になる前は、何の疑問も持たずに普通に慣行栽培を行っていました。しかしある時パルシステムの組合員から有機栽培のお米を作っていないのかと聞かれ、組合員はそういう商品を求めているのか、と気づきました。そこで『本来は有機栽培が自然の姿なんだ』と発想の転換をすることにしました。有機栽培に取り組んで15年、作業は大変だけど応援してくれる人がいるからできる。求められる物を作るのがプロだと思っています」 

 

2015sasakami-kenshu (6).jpgJAささかみ 稲毛常務理事

「秋田県の圃場で行われた公開確認会で『アレルギーでコア・フードのお米しか食べられないの』と言っていた組合員がいました。横でそれを聞いていて『自分は今まで食べられない米を作っていたのか…』自分にはその一言がかなり衝撃でした。辛いことは楽しいと思って遊び心をもってやらないとできない。日本の農地を守るのはパルシステム。いい米を作るには『人・土・水』が大切。ささかみの土と水で作ったおいしいお米を食べてほしいです。」

 

 

~秋~

稲刈りの前にもやはり草を取る

秋になりいよいよ収穫の時を迎えます。稲を刈る時にコンバインを使うのはどこも同じですが、除草剤を使っていないとどうしても圃場とあぜ道の間も雑草が生い茂ってきます。そこで四つ角だけでなく外周も雑草を刈ることで、米を無駄にすることなく収穫ができます。春の管理も秋の収穫もひと手間が掛かるのがコア・フード。足元はぬかるみがあり、まだまだ暑い中チクチクして腕がかぶれるのを防ぐため、長袖での作業。春の草に比べて大きく育った草を刈るのはさらに大変な作業でした。

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収穫を目前に最悪の事態が…

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今年、8月25日~26日に通過した台風15号の影響で、今年の米は最悪の状況となってしまいました。ささかみは五頭山の麓にあり、自然の土と水の恵みを受けた圃場なのですが、その山間に吹き降ろす「だしの風」と呼ばれる強風が2日間吹き荒れました。暖かい温度、稲の頭が垂れる直前、強い風。全ての悪条件が重なってしまいました。8月中旬までは「今年は天候にも恵まれ、例年にない最高な出来映えになる」・・・そんな期待の中、たった一回の台風が全てをダメにしてしまいました。

平成5年にあった米騒動と同じ位の被害と言うから事態は深刻です。

2015sasakami-kenshu (9).jpg稲が倒れると下になった稲は特に被害を受けてしまいます。例年一等米が9割以上なのに対し、今年は1割にも届かずほとんどが三等米。江口専務の圃場でも例年10袋(30kg/袋)精米して1袋がくず米になるところ、4袋に1袋がくず米となってしまいました。

※くず米→未熟米とも言う。一般の食用の米としては 販売されず、せんべいなどの加工用や業務用のりの原料等として使用されることが多い。

 

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ささかみの収入にさらに追い打ちが

今回、ささかみは大打撃でしたが、他の産地の米は全体的に順調です。しかしこれが逆にささかみにとっては辛い状況となりました。全体的に不作の時は米価が上がるのですが、今回は米価が上がらない。昨年は米価が下がって打撃、今年は収穫量が前年比6割ほどで打撃、しかも等級が下がり価格も一等米に比べて6~7割位に落ち込む打撃。

さらに生産調整で作っていた大豆も葉が枯れてしまって3割の減収見込みとなっています。

 

「せめて一週間台風が遅かったら!」「よりによってささかみだけ」

他の圃場も同じような状況で、なんとなく地域全体がどんよりとした寂しい雰囲気になっているようにも感じました。

 

 

 

 

買い支えることの大切さ

こんな時に私たちにできることは何か。結局は2つだけなのかもしれません。

「状況を知って理解すること」

そして「買い支えること」

今年のささかみのお米は「乳白米」が多くできてしまいました。「乳白米」とは、お米は本来玄米の時にでんぷん質を消化して透き通った粒になりますが、気候によりまるでもち米のように白濁した状態になったもののことで、これが多いと等級が下がります。

2015sasakami-kenshu (1).jpg乳白米が多いと通常よりも炊上がりが柔らかい状態になってしまうので、炊飯器で炊く時は水の量を若干少なめにすれば、通常と変わらない風味で食べることができます。ささかみの新米、こんな時だからこそ買い支える。それが私たち職員や組合員にできる応援なのかもしれません。

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