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生協からのお知らせ

農業生産者と消費者の意見にもっと耳を傾けて! | 新しい食料・農業・農村基本計画に対する意見書を提出しました。

2015年04月13日

4月13日(月)、パルシステム東京は大きな転換期にある食の安全を守るため、農林水産省に対して、震災復興対策を早急かつ農家本位で進めることや高い食糧自給率目標を掲げて向上策を講じることなどを求める意見書を提出しました。また、TPPが日本の農業を崩壊させる懸念があることから、農林水産省に対して、引き続き国民の健康と権利を守ることに立脚し、消費者の求める水際規制を維持するよう求めました。

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2015年4月13日

農林水産省大臣官房政策課 御中

 

新しい食料・農業・農村基本計画に対する意見書

 

生活協同組合パルシステム東京

理事長  野々山 理恵子

 

  私たちパルシステム東京は、「『食べもの』『地球環境』『人』を大切にした『社会』をつくります」を理念に、約44万の組合員が安心で安全な生活を願い活動をすすめている生活協同組合です。パルシステムでは生活者(消費者)のくらしと健康を守るために、生産者とともに食べものの安全性にこだわり、産直運動をすすめ、日本の食料自給率向上を目指しています。

  農は国の礎、国民の糧となるばかりでなく、貴省の説かれる通り、環境保全など多面的機能を有する、きわめて重要なものです。私たちパルシステムも日本の農業を守ることを運動の柱の一つとしています。

  しかし日本の農業は東日本大震災の十分な復興も東京電力福島第一原発事故の汚染除去もなされていない苦境にあります。その上、新たにTPPという大きな問題に直面しています。そうした状況の下で策定される新しい食料・農業・農村基本計画は、これまでの農政を根本的に見直し、食料自給を目指すものでなければならないと考えます。大きな選択をしなければならない今回の食料・農業・農村基本計画(原案)に対するパブリックコメントの募集がわずか1週間であったことは全く遺憾です。提出期限を過ぎていますが、日本の農業の行方を看過できないので、弊会の意見を提出いたします。農業の担い手である農業生産者と生産物を購買利用する消費者の意見を十分に聞いて、これからの日本の農業をつくっていかれることを切望します。

 

 

(1)農業の担い手はあくまで農業生産者(農家)としてください

  農業の構造改革、新たな農業の担い手づくりとして、企業の農業参入、農業委員会の廃止について議論されていますが、営利企業が農業に進出すれば、競合者として農家を圧迫し、農村のコミュニティも失われ、また企業にとって農業は土地利用法の選択肢の一つでしかないことから農地が他へ転用される可能性も高まり、農業を守っていくことはできません。農業は農家及び農家の組織の手によってなされる原則をくずさず、営利企業に農業進出をさせないようにしてください。

 

(2)震災復興対策を早急かつ農家本位で進めてください

  東日本大震災の後4年を経た今でも、被災地の復興が未だに十分になしえていないことは、多くの人々の憂慮するところです。必要な予算措置を取り、一日も早く復興が成し遂げられ、被災地の生活と生産基盤と地域社会が取り戻されるようにしてください。

  復興のために農業の集団化は有効であると考えますが、営利企業の進出によって農地の集約と再開発が行われるのではなく、農業の担い手である農家が主体的につくる農業協同組合によってなされるべきと考えます。

 

(3)放射能対策を継続的に実施してください

  東京電力福島第一原発事故によって広い地域の土地が放射能で汚染されました。計画案は基準値を超える農産物の品目や地域が限定的になったと現状分析し、汚染地域の農産物の消費傾向について依然として風評被害が払拭されないと書いています。しかし、放射性セシウムの基準値100ベクレル/kgは決して低いものではありません。放射線被曝の影響には閾値がないので、基準値以下の放射能が含まれる食品を避けることは風評被害とは言えません。

  放射能汚染は長く続くことから、引き続き放射能低減対策を実施し、放射能を測定して消費者に情報提供することによって、消費者が安心して消費できるようにしてください。

 

(4)食料自給率の目標は高く持ち、向上策を講じてください

  先進国の食料自給率は貴省がまとめておられる通り、概ね60%台から100%以上になっています。世界的に長期的な食料の不足を考えると、降雨等気候に恵まれた日本が低い食料自給率に甘んじることは、経済力で途上国から食料を奪うことになります。従って、食料自給率は当面の目標を50%として、長期的目標を100%とすることを要望します。

  そのための具体的対策として、減反した水田や耕作放棄地を国の補助で復旧していくとともに、米その他の食料の長期保蔵技術を実用化に向けた取り組みを要望します。いも類の作付け等の仮想的な試算は農業者と国民に楽観論を与えるだけなので削除すべきと考えます。

  和食は世界無形文化遺産にもなっていますが、栄養バランスがすぐれ、米を中心としているので自給率回復にも寄与し、食材を提供する農業を守ることにもつながります。民間企業や団体等にも和食の推進について協力を求めて、強く和食を推進してください。

 

(5)消費者が求める生産物の高付加価値化として食の安全の向上を進めてください

  海外と国内では生産規模その他の条件が異なり、価格差が生ずることはやむを得ないことです。しかし農畜産物に関する限り国産品と輸入品では消費者の信頼に大きな差があり、国産農畜産物に対する信頼、安心感はあります。この消費者の信頼を一層高めるため、有機農畜産物や減農薬栽培等をもっと強く推進して下さい。逆に信頼を落としている放射能汚染について、前述の対策の強化で信頼を回復してください。

 

(6)農畜産物の関税と水際規制を維持してください

  単純な市場原理で農畜産物の輸入を許せば、食料自給率は下がってしまいます。「国際平準化」は輸出力のある国の論理であり、無条件に従う必要はないと考えます。関税によって農畜産物の輸入を制限することは、単に国内農業を守るのみならず、貧しい国々に食料を残すことにつながることを認識して、国際社会へ発言していくことを要望します。

  国際的な枠組みとしてのCODEX等の規格は、中立的な科学的評価ではなく、各国の政治的な駆け引きによって最終的に決定されています。特に発言力の大きな農業輸出国の働きかけにより、規格が緩和されてきていることを私たちは経験しています。TPPは貴省の試算されている通り、日本の農業を崩壊させることが懸念されます。ポストハーベスト農薬などを受け入れる必要は感じられません。国民の健康と権利を守ることに立脚し、消費者の求める水際規制を維持してください。

 

以上

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