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生協からのお知らせ

2015年度介護報酬改定に伴う関係告示の一部改正等への意見書を提出しました。

2015年03月11日

3月11日(水)、パルシステム東京は厚生労働省の「2015(平成27)年度介護報酬改定に伴う関係告示の一部改正等への意見」に対し、意見書を提出しました。

2015年度介護報酬改定は、業種の異なる中小企業の収支差率2.2%との比較を基に介護報酬減算とされました。このような介護事業の特性や実態を踏まえない報酬改定では、経営見通しの不確実性につながり、大きな投資や人材の安定的雇用が図れないといった事態も生じかねず、ひいては介護福祉分野全体において大きな問題を生みかねません。今後とも、利用者に対する質の高いサービス提供とこれまでのサービス維持、介護にあたるスタッフの生活保証など、誠実な事業運営ができる状態が保たれるよう、介護報酬改定に伴う関係告示の一部改正に対して意見します。

 

pdf 意見書


2015年3月11日

厚生労働大臣
塩崎 恭久 殿

2015(平成27)年度介護報酬改定に伴う関係告示の一部改正等への意見

 

生活協同組合パルシステム東京
理事長 野々山理恵子

 私たちパルシステム東京は、「『食べもの』『地球環境』『人』を大切にした『社会』をつくります」を理念に、約44万の組合員が安心で安全な生活を願い活動をすすめている生活協同組合です。これまで、くらしを支えるという視点から組合員への商品供給だけではなく、介護保険事業にも取り組んでいます。私たちの介護職員は、協同組合の志を持ち、利用者の視点にたったケアを真摯に実践しています。

 2015年度介護報酬改定は、業種の異なる中小企業の収支差率との比較を基に介護報酬減算とされました。このような介護事業の特性や実態を踏まえない報酬改定では、介護人材の確保や安定的雇用が図れないといった事態や、介護事業経営においても事業存続が困難となる問題を生みかねません。

 今後とも、利用者に対する質の高いサービス提供とこれまでのサービス維持、介護にあたるスタッフの生活保証など、誠実な事業運営ができる状態が保たれるため、介護報酬改定に伴う関係告示の一部改正に対して、以下のような点の変更を求めます。

  1. 平成27 年度介護報酬改定に係る基本的な意見

    (1)介護報酬改定(引き下げ)について
     利用者が在宅でくらすことを維持するためのケアを実施している事業者などに配慮せず、基本報酬を一律に引き下げ、加算の取得により事業収支を維持する体系へと転換されました。多くの加算が新設されても、小規模事業所では加算取得のための作業負担が大きく、大規模事業者で効率運営をする事業者しか生き残れない構造になっています。それは、特に事業収支が圧迫される小規模事業所で、サービス効率の向上やコスト削減をせざるを得ず、利用者のサービスの質の低下が懸念されることに繋がります。何を大切にすべきか、介護保険の本来の目的に立ち返った報酬体系へと戻していくべきです。基本とされるサービスの質を評価した上で、その実態に合わせた報酬改定をすべきであることを強く主張します。

    (2)介護職員処遇改善加算の実態について
     事業収支の圧迫は、介護職員における継続雇用への不安を生みます。また今回の政府の高配として掲げられ、報道された介護職員の賃金1万2千円アップは、介護職員処遇改善加算によって支給されます。職員全員が期待したところですが、既に取得している場合、報道されている額まで上がらないのが実情です。報道と実態が大きくかけ離れ、介護職員は期待を裏切られたと感じています。実態をきちんと掌握した上での報道や、実態に即した加算にするなど、介護職員の期待を裏切らないようにすべきです。例えば、通所介護事業所の場合、現在の介護職員処遇改善加算は1.9%、2015年度現状要件のままで申請した場合は2.2%、0.3ポイント分しか上がらず、事業者側の健康保険料等の社会保険料の負担分を差し引くと、実際の手取り給与にあてられる金額は報道されて期待されていた1万2千円とはほど遠くなります。報道と実態が大きくかけ離れた報酬改定は、介護職員にとっては期待を裏切られたと感じます。そうならないようにお願いします。

    (3)予防サービスの介護報酬改定(引き下げ)について
     予防通所介護の基本報酬が大きく引き下げられました。今の収支差から考えると、報酬改定後に新規に予防の利用者を受け入れることは現実的に不可能です。このままでは、地域にサービスを提供する事業者がいなくなると容易に想像でき、サービスを受けたくても受けられない、予防状態から要介護状態に悪化する人が増えるなど、国が目指す方向とは逆に作用するのではないかと懸念します。予防サービスの事業者が消えてしまわないように配慮すべきです。

    (4)地域加算の設定について
     地域区分の見直しは、実際の地価や賃金に見合った地域区分になっていないのではないでしょうか。東京都の最低時給・地価との兼ね合いや、特別区に隣接する千葉県や埼玉県の市町村における地域区分の在り方は疑問があります。このままでは、特別区隣接の市では職員が特別区にとられ人材不足に陥り、最低時給や地価が高い都心部では事業存続が厳しくなります。公平性のある地域区分になるように、検証をした上で区分設定してください。

  2. 各サービスの報酬・基準に係る見直しの内容への個別意見

    (1)居宅介護支援の基本報酬の見直し

    ①認知症加算及び独居高齢者加算の基本報酬への包括化
     独居や認知症の利用者をケアマネジメントする場合、その業務負担は他の利用者に比べて格段に重くなります。報酬が包括化されてもケアマネジャーの業務負担が減るわけではなく、実態に見合ったものではありません。これによって独居高齢者加算と認知症加算が多かった事業所は業務負荷が大きい上に収入が減り、少なかった事業所は業務負荷なく収入が増加するという矛盾が生じています。また、インセンティブがなくなることで、志のある事業所だけが独居や認知症のプランを受けることも考えられ不平等感がでます。実態に合わせた報酬体系に戻すことが必要と考えます。

    ②正当な理由のない特定の事業所への偏りに対する対応強化(集中減算の強化)
     複数の事業体がある事業所では、内部で密に連携をすることができるため、一律に特定事業所集中減算の対象とするのではなく、利用者のサービス向上につながったことを評価し、集中減算から除外することができる仕組みとしてください。

    (2)訪問介護の基本報酬の見直し
     財務省が試算した介護サービス毎の収支差率の信憑性、業種の異なる中小企業の収支差率2.2%との比較に疑問を拭えない状況下で、身体介護で3.5~4.0%、生活援助で4.2~4.7%の報酬減算とされました。特に加算の取得できない小規模事業所では、今回の改定の指標とされた7.4%も収支差が出ていないのが実態です。この基本報酬の見直しは、たすけあい活動を母体に訪問介護事業を作ってきた生活協同組合や、同じ志で取り組んできたNPO法人などの小規模事業所の事業存続の危機です。各事業所の実態を把握し、基本報酬を減らすのではなく、適正運営以外の事業者への減算をすべきです。

    (3)通所介護(認知症対応型通所介護を含む)の基本報酬の見直し
     当組合の通所事業所では、利用者が在宅でくらすことを支えるため、ケアに自立支援・生活リハビリ・認知症対応等を取り入れ、丁寧に実践してきました。今回のように財務省が平均収支差率の加重平均値、通所介護事業平均10.6%を基準として一律に基本報酬を下げられた場合、前述の利用者のためのケアを実施している事業所では、手厚い人員配置等によって10.6%も収支差が出ていない実態になっており、小規模事業所では存続が厳しい状況です。これらの利用者のためのプラスアルファのケアをやめるなど検討しなくては、事業を存続できません。各事業所実態を把握し、一律に基本報酬を減らすのではなく、適正運営以外の事業者への減算をすべきです。

    (4)グループホームの基本報酬の見直し
     介護職員処遇改善加算において、収入が増加しているように見えますが、基本報酬が下げられ、加算の創設がほとんどなく、大きく収益が減少し、ほぼ収益がなくなる状況にあります。グループホームは事業規模が小さく、1名の入院・退所などで稼働率が大きく低下します。収益がほぼなくなる状況で、このような事態に陥れば、事業継続はままなりません。これから、認知症の方が増え、ますます必要性高まることから、現状を踏まえた報酬体系を要請します。

以上

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