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生協からのお知らせ

連続学習会『産直産地とすすめる放射能対策学習会』を開催しました

2011年10月20日

パルシステム東京では、9月30日(金)に新宿本部で連続学習会の第2回目となる『パルシステムの自主基準と生産者からの実践中間報告』を開催し、組合員22名と役職員20名が参加しました。
8月30日(火)の第一回学習会では、パルシステム連合会 産直推進部 高橋宏通部長から、パルシステムの原発事故への対応や放射能の自主基準の検討や自主検査の大幅な拡充について報告されました。また、産地での放射能低減の取組みについて、生産者の研修会の様子なども紹介。参加した組合員との意見交換、アンケートからは、「冷静に対応して頂きたい」「情報をしっかり開示してほしい」「学習会に参加でき良かった」など声が寄せられました。

生産者を代表して、『農地の放射能低減に向けて』実践している取組みについての中間報告

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生消協代表幹事で佐原農産物供給センター常務理事の香取政典氏より、放射能汚染対策として、①土壌がどんな状態か知る事から始まり、②各自が実践できることを先頭にたって行動し、③結果をありのまま公表する、ことを対応方針に掲げ、土壌から放射性物質を吸収する『ひまわり』『菜種』などの作付けや、土壌改良資材『ゼオライト』などで吸着させる方法、『カリウム補給』によるセシウム吸収防止などの方法を組み合わせ、汚染状況に応じた対応を行っているとの報告がありました。また、生産者の立場から、知見が少ない『移行係数』を信頼することには疑問があり、カタログ等の紙面での表現は、一部農家への風評被害につながるのでは、との懸念の声もありましたが、『泥付きの野菜よりも洗って泥を落とすことで、組合員の台所へ汚染された土壌を持ち込まない工夫も必要』といった生産者側からの提案や、『年数を掛けて繰り返し時間をかけて元へ戻すことが、今出来ることである』との想いが語られました。

当日資料はこちら → 農地の放射能低減に向けて(PDF)

パルシステムの取組みについての報告

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パルシステム連合会 産直推進部 高橋宏通氏より『パルシステム独自のガイドラインの設定』についての報告と、『産地からの除染対策の申請状況』、『ひまわりの除染効果』、『きのこ類の管理状況』についての説明がありました。特に『ひまわりの除染効果が低い』という報道については、パルシステムとして、検証に基づいた見解を説明しました。農水省委託先による検査は早期(ひまわり開花直後の8月5日)に行われ、さらに高濃度汚染の土壌(7,715ベクレル)から産出した値であることから、相対的に移行係数が低く除染効果も低いと結論付けている点を指摘しました。また、農水省担当者からは『高レベルの汚染地域で短期間に除染、住民が戻り営農するためには効果は低いが、ひまわりは他の植物との比較では移行係数は大きく意味はある。』との回答を得ているとの報告がありました。

当日資料はこちら → パルシステムの取組みについて

活発な質疑と意見交換

学習会の後半は、通常よりも時間をかけて質疑と意見交換を行いました。参加組合員からは、家族の健康を守る主婦としての立場から、厳しい指摘を含めた放射能対策への切実な願いが伝えられ、生産者への激励がありました。

多くの質疑やご意見を受けて

パルシステム連合会の高橋氏より、「この除染の取り組みについては、パルシステムの産地以外にも広めたいと考えています。産直で一番大切なこととして、『安全なものは、捜し歩くものではなく、生産者と一緒に作り上げるもの』を忘れずに、今後もチャレンジしていきます。」
佐原農産物供給センター常務理事の香取政典氏より、「消費者に安全なものを届けるのは当たり前な事なので、『ひまわり』だけではなく『雑草を1本1本持ち出す事で除染する』、この考え方で時間を掛け繰り返し行うことで畑をきれいにし、次世代に残したい。これからもパルシステムの産地はまだまだ頑張り通します。」との力強いメッセージが出され、学習会は終了しました。

 

 

【質疑応答の内容】  

Q:自主基準の決定が遅く、ガイドラインに『水産品』が入っていないが、第2段階では対象になるのか?また、政府の暫定基準値よりも健康を考えた数値を下げた基準を設定して頂きたい。
A:水産品は知見が足りないので、今後は優先して検査を進めて基準値を決めていきます。すぐには決まらないかもしれないが、最終的にはNDになるまで、生産者との合意を取りながら努力していきたい。
Q:除染のために無肥料で植物を育てた後の田畑で作付された生産品は安全であっても低栄養ではないのか?
A:出荷用でない作物(除染用の植物)は、放射性物質を吸収させるために肥料は入れないが、出荷する作物の場合には、堆肥や肥料を使って栽培します。出荷時期としては来年以降になります。
Q:スクリーニングとモニタリングの違いは何か?
A:スクリーニングは、比較傾向の把握のための検査であり、モニタリングは個体の値(実数)を計測する検査です。パルシステムで導入予定のゲルマニウム半導体検査でも、事前に傾向値を把握することが必要なのでスクリーニング検査を否定はしないが、正確な値が分からないスクリーニングだけで安全の判断は出来ないと考えています。
Q :学習会を受けると、供給されているものは安心だと思ったが、カタログ等の紙面では一般組合員には充分に伝わらないと思います。また、今回の様なパルシステムの対策の報告とは別に、組合員としては第一に『現実に供給されている商品の状況、安全性』についても担保して欲しい。
A:前回の学習会で供給品の報告を行いました。現状では、カタログ作成が3カ月前になってしまうので、シーズンの始めにサンプリングして給前検査を行い『お届け情報』でお知らせをしています。また、ホームページにも検査結果を掲載しております。 パルシステムの放射能対策はコチラから
Q:堆肥へ放射能の影響、また、作物には土壌検査後の雨の影響はあるのか?
A:堆肥について佐原では、生産者自身が作っている場合は検査を指示、業者から購入している生産者には購入先への確認を指示しています。牛糞やおがくず、チップなど行政の縦割り構造で担当が異なるので、全ての管轄部署へ確認する必要があります。疑いがあれば佐原では禁止にするが、他の産地へも注意を促し、『自分の畑を汚さない』考え方を伝えています。土壌については、土壌検査と作物の検査で二重検査を行います。空気中からの降下と、汚染が高いところから低いところへ流れた可能性もあるので、安定してないという認識でいます。生産者が放射能の専門家ではないので、『安心しきらないで作物をつくること』が大切であり、自分の産地(佐原)としては基準以下でも、検出値があれば出荷しない考えでいます。
Q:ほかの生産者へも広く共有していると解釈してよいか?
A:農薬削減プログラムを広げるのと同様で、目指すべきところは説明会、研究会などで意思統一を行っている。当初よりは、危機感を持った理解は進んでいるので、今後も努力していきます。
Q: 導入予定のゲルマニウム半導体検査器について、メーカーや設置費用を含めた金額を公開をしてほしい。また、様々な学習会に参加し、チェルノブイリ事故の時と同様に、子供達に食べさせるクリスマス用の食べ物(卵、牛乳、小麦など)が心配だが、検査機器導入が遅すぎるのではないか?
A:現在の検査を外注している検査機関も『ゲルマニウム半導体検査器』です。メーカー、機種、性能について公表できるよう確認を進めています。稲城検査センターに設置します。検査機器の費用は、確認しておきます。合わせてスクリーニング検査機器についても導入の検討をしています。また、検査機器の導入前であっても、現在も外注先で卵、牛乳、小麦を含めた検査を行っています。
Q:佐原での『ひまわり』での除染実験で、作付時6/18の土壌検査結果(154ベクレル)がひまわりのサンプリングを行った9/17の後の土壌検査結果はどの様に変化したのか?実験が有効な場合には、実際に耕作している農家に3ヶ月間も、ひまわりを作付する事は実践可能なのか?
A:土壌結果については現在検証中です。実際の作付けについては、現実的には無理かも知れませんが、高レベルに汚染された畑があれば実際の作付けも必要と考えています。200ベクレル以下であれば養分検査もしながら肥料設計を行い、有効な堆肥を入れて、放射能を薄める方法を考えています。現状では、関東でそこまでの高レベルに汚染された地域はないが、作物に数値が出れば再度土壌も検査して検証します。
現在の土壌汚染は200ベクレル以下ですが、検証のために実験を行いました。高レベルな値が出た場合には、パルシステムとして生産者へ一定の補償をして、低減を図ります。
Q :こんなに大変な事が起きて、生産者も被害者でもあるのに供給して頂いて感謝しています。国の設定した大きすぎる基準で、除染など不可能だと思っていたが、チャレンジしていく事はすごいことだと思います。生産者としての対応方針は、まさに国にやって欲しい事だと思いました。田んぼやお米の対応はどうなのか?また、パルシステムの経済的な後押しはできるのか?
A:田植え時期の4月5月は、土壌以前に放射物質が降下してくることへの懸念が強かったので、来年に向けて土の管理と同時に水管理を行っていきます。経済的な後押しは、除染費用を支援する仕組みを用意しています。また、東日本大震災復興支援基金としてパルシステムグループで総額3億円を拠出する事が決まっています。
Q:自主基準について、土壌の目標値が国の1/10、食品の目標値が国1/5の指標の根拠は?
A:土壌については、500ベクレルは最大の移行係数を掛けた場合に、作物が基準以下になる値であり、200ベクレルは最大移行係数を掛けても、NDになる値を示しています。また、食品については、年間被曝限度が現在は非常時(年間5msv)に引き上げられているのを平常時(1msv)に戻した場合に、食品の摂取量から算出した基準となっています。

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