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生協からのお知らせ

パルシステム東京は、学習・講演会「瓦礫問題を考える!いのちを守る森の防潮堤とは?」「復興支援の現状と課題」を開催しました。

2012年09月05日

2012年9月3日(月) パルシステム東京は、東日本大震災復興支援活動の一環として、学習・講演会「瓦礫問題を考える!いのちを守る森の防潮堤とは?」  「復興支援の現状と課題」を開催、組合員20名を含む61名が参加しました。

  ※ 「瓦礫問題を考える!いのちを守る森の防潮堤とは?」
公演:高野 義武氏  (NPO法人国際ふるさとの森づくり協会理事長)
  ※ 「復興支援の現状と課題」
報告:末松 義規氏  (衆議院議員   内閣府副大臣   復興庁副大臣)

パルシステム東京吉森理事長の「震災から約一年半が経つ現在も、いまだに瓦礫処理の問題は進んでいない。いのちを守る森というテーマは、非常に興味深いテーマで、瓦礫という環境問題は、農業にも影響を与える問題なので、今日は皆さんと一緒に勉強して、これから何が出来るのかを考えて行きたい」との挨拶でスタートした。今回の学習・講演会は、瓦礫問題に関心の高い組合員の声から企画されました。

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開会の挨拶をする吉森理事長

1、学習会「瓦礫問題を考える!いのちを守る森の防潮堤とは?」

いのちを守る森の防潮堤を提唱する「NPO法人国際ふるさとの森づくり協会」は、平成20年に設立され、海外を含む各地でふるさとの森作りを実施している団体で、現在、東北地方太平洋岸に盛土を築き、その上に多様な常緑広葉樹からなるふるさとの森づくりを行って、次に来る大津波から人々の命を守るため、延長300kmの森の防潮堤の推進活動に取り組んでいます。

理事長の高野氏からは、「まず日本は、世界に類のない地震国である事を深く認識して欲しい。日本は地震の巣の上に存在しているような物と考えてください」と、私たちのくらしと地震との関わりを述べました。「3.11が示すように、沿岸地域では地震のあとに必ず津波が押し寄せる事も理解する必要が有ります。今回もこの地震による家屋の倒壊などで亡くなられた方に比べ、津波に流されて死亡した方々の方が圧倒的に多かったのは、各報道で伝えられている通りです」と津波の威力、恐怖を。

そして「行政もコンクリート製の防潮堤をつくり対策を講じていましたが、今回は、その予想を大幅に上回るとてつもなく大きな津波が押し寄せて来ました。コンクリートの防潮堤は、津波のエネルギーをもろに受けるので、今回のような大津波の前では、無力な事が実証されました。」と人工建築物が自然災害には敵わないこと。だからこそ、宮脇昭氏(横浜国立大学名誉教授:植生生態学・植物社会学)が提唱する「ふるさとの森づくり」の実践が必要なのだと示された。

宮脇氏との出会いは、30年前に宮脇氏の講義(ふるさとの森づくり)を受け、非常に感銘を受けた時からとのお話で、「海岸沿いに高い盛土を築き、その上に深く根を張るタブノキやカシ類(自然植生種)からなる多様な森を創ります。この森は津波のエネルギーを柔らかく受け止め減殺すると共に盛土斜面を崩壊から守ります。盛土の材料として瓦礫を活用します。もともと住宅や家財道具であり、人々の深い想いがこもっている瓦礫を莫大な費用と労力を使って焼却するのではなく、森の防潮堤の貴重な材料として活用しようとする知恵なのです」と防潮堤の仕組みについて説明があり、「単に瓦礫といってもいろいろありますが、利用するのは津波堆積物・コンクリート・木質(自然木)などに限られ、その他のプラスチック・金属類は利用せずにリサイクルします。また、木質(建築材)は、毒物の発生する危惧があるので、利用せず焼却するとの事です。防潮堤に使用する瓦礫の割合は、津波堆積物・コンクリート・木質(自然木)合わせても数パーセントで、残りの90パーセント以上は、土や岩を使用するそうです。このようにして、自然の森を作れば、二酸化炭素なども吸収され、津波や台風などの水害にも、対応できます(過去に実績が有ります)

日本中どこにいても地震や津波は起こります。自分たちでいかにいのちを守るかを考える必要が有ります。そのためのいのちを守る森の防潮堤なのです。簡単に森を作ると言っても早くても15年~20年は掛かります。被災地の復興には、現状でできるところからどんどん進めて行くことが大事である」と結びました。

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写真(上から)  高野講師、    熱心に聞き入る参加者、  写真下  ポット苗の植え方

 

2、「復興支援の現状と課題」

高野氏に続いて、末松復興副大臣から、復興の取り組みとして復興支援の進捗状況の報告と災害廃棄物(瓦礫)処理の状況と課題、海岸防災林について、また、特に今回はパルシステム東京からの要請により、南三陸町と福島の復興状況についてもお話しいただきました。

【南三陸町の復興状況】

南三陸町は復旧期・復興期・発展期に分けて、平成23年度を初年度とし平成32年度を目標年度とする震災復興計画を策定しました。「なんといっても今すぐ必要なのは住居の確保です。災害に強く将来にわたっていのちを守れる土地を確保すべく、高台に安全な居住地確保を計画しています」と復興まちづくりを推進すべく、多くの地区において防災集団移転促進事業(高台移転)などの面的整備事業に関する調査や地元の調整を実施していることが述べられた。

しかし、一方で「南三陸町は、今回の地震と津波で大変大きな被害を受けました。特に沿岸部の歌津地区、志津川地区、戸倉地区では甚大な被害が発生しました。緊急な復興活動が求められますが、南三陸町には、平地がありません。高台の山を切り開いて住宅を作る事に非常に難儀をしています。」と復旧の遅れている現状についても報告がされた

【福島県の状況と課題】

「原子力災害により深刻かつ多大な被害を受けた福島の復興・再生について、その置かれた特殊な諸事情とこれまで原子力政策を推進してきたことに伴う国の社会的な責任を踏まえ推進していきます。」と復興方針について説明。

<福島復興再生基本法>(閣議決定)
※ 避難解除区域の復興及び再生のための特別措置(県の申出により国が決定)
※ 原子力災害からの産業の復興及び再生(県が作成し国が決定)
※ あらたな産業の創出に寄与する取り組みの重点的な推進(県が作成し国が決定)

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(県民の避難状況と再建策)

※県民の避難(避難指示区域からの避難者も含む)の状況は、総避難者数16.2万人のうち県内への避難者数約10.1万人、県外への避難者数約6.1万人(東京都にも約8.000人が避難)これら避難者の帰還支援に当たって

  • 新たな区域の見直し
  • 除染
  • インフラ等の復旧
  • 賠償の方針
  • 長期避難者支援
  • 雇用保険、産業振興
  • などの対策を、早急に行う事が重要である。

また、避難指示区域の見直しも行わなければならない。避難指示解除準備区域、居住制限区域及び帰還困難区域を設定する。

  ※ 避難指示解除準備区域:
年間積算線量20ミリシーベルト以下となることが、確実である事が確認された地域
  ※ 居住地制限区域:
年間積算線量が20ミリシーベルトを超えるおそれがあり、住民の被爆線量を低減する視点から引き続き非難の継続を求める地域
  ※ 帰還困難地域:
5年間を経過しても尚、年間積算線量が50ミリシーベルト超の区域

生活再建策

  • 賠償:東京電力による詳細な賠償基準の住民等への丁寧な説明を実施する。
  • 長期避難者支援:住民意向調査を実施する(近隣の自治体と協力して受け入れ態勢をつくる。)
  • 産業振興・雇用対策:産業振興・雇用対策に係る具体的な取り組み方針の策定
  • 農林水産業支援:農林水産業支援に係る具体的な取り組みを策定する(セシウムを除去する)

放射線対策

  • 放射線リスク:自治体等への説明使用の提供、住民に対するリスクコミュニケーション等を実施する(正直に伝える)
  • モニタリング:解除準備区域のモリタニングアクションプランの策定をすすめる
  • 除染:除染実施計画の策定を進める。本格除染事業の発注を進める
  • 区域見直し:住民説明会を開催し、区域見直しを進める

【災害廃棄物(がれき)処理の状況と課題】

※平成26年3月末までに災害廃棄物の処理を終えることが目標。被災地において最大限処理を進める一方で、処理が間に合わない分については広域処理を活用する。災害廃棄物処理により具体的な処理の方針や内容、中間段階の目標を設定した工程表を作成する。

災害廃棄物は、当初2.200万トンと云われていたが、実際には1.811万トンで、撤去済みは、1.492万トン・撤去率82%で処分量は407万トン・処分割合いは22%、また津波体積物は954万トンで撤去済み量は498万トン、撤去率は52%・処分量42万トン、処分割合は4%しかない現状である。

被災地において最大限処理を進めるため、仮設焼却炉を設置し、さらに復興資材として再利用をすすめる。

・岩手県2基(処理能力195トン/日) ・宮城県29基(処理能力4.495トン/日) ・福島県3基(処理能力570トン/日)

<取り組みの現状>

※災害廃棄物の処理の推進に関する関係閣僚会合を4回開催。8月7日に中間目標を含む「東日本大震災に係る災害廃棄物の処理工程表」を公表

※広域処理が必要とされる量は減ったものの、特に宮城県の廃棄物は引き続き調整を図る必要

※福島県内沿岸部の大半の地域については、国による直轄又は代行によって、処理を行う予定。特に国が直轄で行う地域(警戒区域等)では自治体の協力を得つつ、処理施設の設置等を検討しているところ

【今後における海岸防災林の再生について】

※地域の防災機能の確保を図る観点から、津波に対する被害軽減効果も考慮した海岸防災林の復旧・再生を検討する(多重防御)の一つと位置づけ

※具体的には、被災箇所ごとに、被災状況や地域の実情さらに地域の生態系保全の必要性を踏まえ、再生方法を決定

※飛砂・風害の防備等の災害防止機能に加え、津波に対する被害減効果を考慮した海岸防災林を再生する観点から、広い林帯幅とすることが望ましい

※生育基盤の造成:樹木の根系の健全な成長を確保する観点、及び津波に対して根返りしにくい林帯を造成する観点から、地下水位等から2~3m程度の高さを確保する盛土を実施する事が望ましい

※人工盛土の造成:人工盛土は、飛砂等から背後の林帯を保全する効果、津波エネルギーを減衰し幹折れ被害を抑制する効果を有することから、箇所毎の条件を十分に踏まえ、特に林帯の海側に人工盛土の造成を検討する事が望ましい

森林の構成:津波被害軽減効果の観点から、適切な維持管理により、胸高直径が太く頑丈な幹を持つ樹木と枝下高が低い樹木で林帯を形成することが望ましい。また、植栽地の状況により広葉樹の植栽についても考慮することが望ましい。このほか、地域の復興計画等との整合、災害廃棄物由来の再生資材の利用、植栽や保管に当たっての地域住民等との連携等についても記載。。

【『みどりのきずな』再生プロジェクト】

野田内閣総理大臣は、平成24年4月23日、「『みどりのきずな』再生プロジェクト」構想として、ガレキを再生・利用し、地域に安全と安心を与える海岸防災林を復旧・再生するプロジェクトを推進していく事を発表。

※林野庁は、本構想に基づき、準備の整った箇所から順次手続きを進め、被災延長約140kmのうち、今年度中に約50kmについて海岸防災林の再生に着手予定。

※その際には、分別、無害化さら安定性が確認されたガレキ由来の再生資材も活用しながら樹木の生育基盤を造成。

※地域の自然条件等を踏まえつつ、NPO、企業による協力も得ながら植栽を進める予定。

構想概要

<ガレキを再生・利用し、地域に安全と安心を与える海岸防災林を復旧・再生>

・青森県~千葉県で約140kmにわたる被災海岸防災林

・ 今年度中に約50kmの復旧事業を実施

・ 地元住民・NPOや企業との連携した植林活動を行う

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写真上  復興状況を語る末松副大臣    写真中  講演会の様子    写真下  行政とNPOががっちり握手

 

【質疑応答】

質疑応答では以下のような質問が寄せられました。

  • どこまで森の防潮堤はできているのか
  • 瓦礫の山は全部回収できるのか
  • 利用する瓦礫の放射能は?
  • 盛土の放射能は?
  • 福島の農地を除染するのは時間が掛かるので、耕作放棄地などに農家の人を移せるような対策はとれないのか

末松副大臣からは、「瓦礫の放射能に関しては、きちんと分別して線量の調査を行い安全な処理を行う。また、耕作放棄地の運用だが、農家の人は自分の土地を離れるのは嫌がるので、難しいのではないか」と回答がありました。
高野理事長からは、「放射能に関しては素人ですが」との前置きの後「森の防潮堤づくりには、放射能の問題が絡んでくると、話が止まってしまう。放射能に関係ないところから進めることが大事です」と回答があリました。
末松副大臣は、「仮設焼却炉が完成すれば瓦礫の処理は、大幅に進む」と話しますが、やはり放射能の問題が復興の足かせになっているのは間違いないことです。
パルシステム東京 佐藤専務の「今日の講演会で学んだ事を活かし、パルシステム東京としてどうやって支援を継続していけば良いかを考えて行きたい」との挨拶で講演会を閉会しました。

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