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生協からのお知らせ

ぱる★キッズ新設記念「子どもの根っこは遊びで育つ!遊育のススメ」天野秀昭氏講演会を開催しました。

2014年05月29日

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4月29日(火・祝)、パルシステム東京は、新たに取り組む保育園事業、ぱる★キッズの新設を記念して、「子どもの根っこは遊びで育つ!『遊育のススメ』」天野秀昭氏講演会を開催し、「子育て」や「保育」に関心が高い組合員・役職員あわせて69人の参加がありました。会場内は親子で参加される組合員も多く、和やかな雰囲気の中で、日本の子育てにこそ必要とされる「遊育」(ゆういく)について理解を深めました。

3月24日にプレオープンした「ぱる★キッズ府中」保育園は、6月には高齢者介護事業との複合型施設として、本格稼動を開始します。保育コンセプトには「食育」「木育」「遊育」を掲げ、パルシステムらしい特色ある保育園を目指しています。

※2014年5月現在、入園希望受付中です。詳しくはこちらから。

 

「子どもの根っこは遊びで育つ! 遊育のススメ」天野秀昭氏講演録

20代で自閉症の方との関わりの中で「遊び」の持つ奥深さを知り、1975年には世田谷区羽根木に日本で初の冒険遊び場「羽根木プレーパーク」創設にも携わり、阪神・淡路大震災・東日本大震災後の被災地でも子どものための遊び場確保に奔走するなど、35年間子どもの遊びのことばかり考えてきたという天野秀昭さん。

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“子どもがやりたいと思うことをなぜ、大人はやめさせたがるのか…

日本の教育やしつけの多くが、子どもたちの「あぶない・きたない・うるさい」を否定し、「あぶないことはさせない・きたないことダメです・静かにさせましょう」と管理し、子どもたちの存在ありのままを受け入れていないことに天野さんは警鐘を鳴らします。

大人はすぐに「教育」をしたがります。「教育」という漢字の成り立ちは「教える」+「育てる」という他動詞で、教育者が主体となります。「教育」では教育者の価値観でやらせたいことを選び、やらせたくないことは禁止してしまうのが常です。

これに対し、「遊育」は「遊ぶ」+「育つ」という自動詞から成り、主体はあくまで子どもの側にあります。たとえば「鬼ごっこは遊び」と考える人は多いですが、もし、「子どもが一人でいたい気分で、やりたくもないのにやりなさいと言われてやる鬼ごっこ」は「遊び」と言えるでしょうか?遊びの本質は「やってみたい」というその子の感情であって、「鬼ごっこ」という遊び方は「型」でしかなく、いつでもだれにとっても「遊び」になるかどうかは別の話。

この「やってみたい」という感情は、育つ地域や環境、その子の性格や気分などで一人ひとり全然違う。高い所から飛び降りるのが好きな子もいれば、そうでない子もいる。つまり、「やってみたい」は、その子自身の唯一無二の感情。私が私であることを実感させてくれるものだと天野さんは語ります。

 

“「遊育」の力を教育者が認めなければ、子どもたちの主体性は抹殺されていく

大人(教育者)の価値基準で判断するばかりで「遊育」の価値を認めないでいると、子どもたちは自ら「やってみたい」のアンテナを立てられなくなり、思春期になって「将来何がやりたい?」と聞かれる頃には、自分の「やりたいこと」や「価値基準」がわからない、といったことにも。

天野さんは大人も子どもも誰でも主体的に「やりたいこと」を見つけて遊ぶことができることを強調します。しかし、折られ続けたアンテナを回復させるにはトレーニングが必要で、時にそれは骨が折れる作業となることも。

とある子が友達に連れられてプレーパークに来たときのこと。他の子たちがそこら中で自分の興味のある遊びを見つけては夢中になっているのを尻目に、その子は「あ~つまんね」「あ~ヒマだ」とつぶやいてブラブラ歩き回るばかり。2日目も3日目も…だんだんと大きな声で他の子に聞こえるように主張するようになっていきました。そして5日目……プレーパークにその子の高笑いが響き渡ります。どうしたのかと天野さんが見に行くと、小枝をパキパキと折っては竈(かまど)の火に投げ入れてはパチパチと音を立てるのを見て笑っていたのです。その子の遊育が始まった瞬間を振り返りながら天野さんはやさしく言います。「面白いなと思えることを自分で見つけられて、良かったね」と。

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“幼い子どもがおかゆのお米を手掴みしてネチャネチャと遊んでいたら、それは食べもので遊んでいるのではなく、その感触を楽しんでいるんですよ。

“ブロック塀の横を歩くときに、掌を当ててみたことはありませんか? ざらざらの「いたくすぐったい」感じは楽しみながら、感覚器官を発達させているんです。

 

世界に広がるプレーパークと、子どもたちの「遊育」を伸ばす大人

戦中のデンマーク発祥で、戦後イギリスのロンドンから世界へと広がった「プレーパーク」では、子どものやりたいことは何でもできるよう環境を整え、プレーリーダーと呼ばれる大人が加わることで子どもたちだけではできなかったような遊びにも発展する、そんな子どもたちの「遊んで育つ」場があります。リーダーといっても、前に立って引っ張っていくのではなく、後ろから急き立てていくのでもなく、伴走者として横に立つような「大人」の存在で、子どもたちの遊育を伸ばすことに注力し、プレーパークの運営に欠かせない役割を担います。

日本でも1975年、わが子の遊び環境に疑問を抱いた1組の夫婦が中心となって、世田谷区経堂の緑道計画地に「子ども天国」を開設。子どもたちの絶大な支持を受けながら継続し、1979年の国際児童年を機に、行政が事業化し中間支援組織であるボランティア協会に委託する官民協働の事業形態となって日本発の常設の冒険遊び場「羽根木プレーパーク」が誕生。「自分の責任で自由に遊ぶ」をモットーに、今では、日本全国に400以上のプレーパークを作る動きがあり、そのほとんどがお子さんを持つ親達によって運営されるものです。

 

“親だからできることと、できないこと。そして第三者だからできることがある

都市化された人工空間が、子どもたちのありのままの姿を受け入れない社会を助長し、親達に無言のプレッシャーをかけ続け、子育て環境を大変厳しいものにしています。子どもの「あぶない・きたない・うるさい」は今に始まったことではなく、人間の成長過程を考えても当たり前のこと。赤ちゃんで寝たきりだったところから始まり、できないことを次々と挑戦して成長していくものです。「生きる力を育む」なんて言葉がありますが、そんなものは元々子どもたちが持っています。むしろその生きる力をどれだけ削いできたのか…。

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講演中には会場の隅で机の下に潜るなど、自由に遊び始める子どもたちの姿も。
「ダメ」と言わずとも、そのうち頭をぶつけたり、寂しくなれば親を探して戻ったりする。

 

「遊育」の価値を見直す中で、子どもたちが驚くほど「自分を成長させる力」を持っていることに気付かされます。子どもを管理すべき対象としてばかり見るのではなく、あぶない・きたない・うるさい、だから「面白い!」と、ありのままを認め、受け止める姿勢が、親そして社会全体に求められています。

 


 

【質疑応答】

Q1.プレーパークの遊具は手作りで大型のものが多く、小学校の高学年ぐらいの大きい子向けが多い気がします。幼児期の子はどんな参加ができますか?

A1.平日の午前中などは乳幼児が多いので、よい刺激になるかもしれません。たしかに大型のものは多いですが、たとえば大きなスロープを昇りきれない子がいても、挑戦そのものがその子にとって「遊び」だったりします。大人の価値観で「できる」「できない」の「能力」を考えるよりも、できるかどうかではない、子どもたちが「やってみたい」を見つける「脳力」を見守ってみてください。

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Q2.最近の子はいわゆる「ゲーム」とは切り離せないところも。自分からやりたいと言ってきたとしても親として気をつけるべきことはありますか?

A2.興奮する体験は、脳の発達を促し、安定した心を育みます。ゲームに関してもやりたいことをやるという点では認めざるを得ませんが、あくまでゲーム作者の世界観である点は注意しなければなりません。やりたいことをやってみることができる環境を豊かにして、あとは自分自身で打ち込めるものを見つけてくれるのを待つしかないでしょう。

 

Q3.親にとっても自分の幼少期に遊びが足りなかったなぁと思い返しました。「遊び直し」はいくつになってもできますか?

A3.遊びの本質「やってみたい」は命の欲求、魂の根源ともいえるほど。何歳になろうと主体的になりたいものですので、大人になってからの遊び直しももちろんできます。

yuuikunosusume05講演会の終了後にも、「遊育」をもっと知りたい参加者が列を成しました。

 

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【講師プロフィール】
天野秀昭(あまの・ひであき)氏。1958年、東京都生まれ。「羽根木プレーパーク」でのボランティアを経て、81年、初の有給プレーリーダーとなる。09年4月から大正大学特命教授。
【著書紹介】
・子どもの蘇る輝く笑顔 ~遊びには自分を育て、癒やす力がある~(すばる舎, 2011)
・子どもは大人の育ての親 (ゆじょんと, 2002)

 

 


 

パルシステム東京では引き続き、ぱる★キッズ保育園などで、保育・子育てに関連する各種イベント・講演会を行ってまいります。

※ぱる★キッズのホームページはこちらから。

※ぱる★キッズ府中、複合型福祉施設「府中陽だまり」についてはこちらもご参照ください。

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